マメハモグリバエ

1.生  態

 成虫は黄色の2mmほどのハエで、産卵管で葉に穴をあけ、にじみでる汁液をなめたり、産卵したりする。こうした摂食痕あるいは産卵痕は、葉面に白っぽい小斑点となって残る。幼虫は葉にもぐって食害するため、曲がりくねった線条の食害痕(潜行)が葉面に現れる。老熟幼虫は葉から脱出し、地上に落下して土中で蛹となる。卵,幼虫および蛹の発育温度は10〜35℃で、一世代に要する日数は15℃、20℃、25℃および30℃でそれぞれ、約50日、約25、約16日および約13日である。
 露地作物では5月〜12月に発生し、7〜8月に最も発生が多くなる。施設栽培では成虫は休眠しないため周年的に発生する。冬期には発生は少ないが、4月頃から急激に発生が多くなる。盛夏期の7月〜8月には高温のため、一時的に発生は抑制されるが、9月〜11月に再び多くなる。
 本種の寄主範囲は極めて広く,ナス科をはじめ,キク科,マメ科,アブラナ科,セリ科,ウリ科などの植物に発生する。トマトでは大玉トマトよりもミニトマトでの発生が多い。トマト以外では,セルリー,チンゲンサイ,シュンギク,インゲン,キク,ガーベラなどでも被害が大きい。

2.防除のねらい

(1) 苗による持ち込みを防ぐ。自家育苗の場合には育苗期の薬剤防除を徹底する。また、購入苗に成虫による摂食痕・産卵痕や幼虫による潜孔が認められた場合には、薬剤防除を行った後定植する。
(2) 本種は増殖率が高く、ひとたび増加すると有効な薬剤でも発生を抑制することが困難になるので、早期発見・早期防除に努める。成虫は黄色に誘引されるので黄色粘着トラップを用いて発生状況や防除適期を把握することができる。
(3) 本種は殺虫剤に対して抵抗性を容易に発達させるので、同一系統の殺虫剤の連用をさける。

3.防 除 法

○耕種的・物理的防除法
(1) キク科やアブラナ科の雑草が発生源となるので、圃場周辺の雑草管理を徹底する。

4.写真