ハダニ類1.生 態カンザワハダニとナミハダニが発生する。両種とも高温と乾燥条件下で増殖率が高い。生育適温はナミハダニで18〜28℃、カンザワハダニで23〜26℃であることから、冬期にはナミハダニの発生が多い傾向にある。しかし、地域や施設によっては冬期にもカンザワハダニが優占種となる場合もある。発生の初期には下葉に白いカスリ状の斑紋が見られ、このような葉の裏側には成幼虫が認められる。発生の初期にはごく一部の株で局部的に発生するが、好適な条件では急激に密度が増加し圃場全体で葉に斑紋が見られるようになる。イチゴの促成栽培では、定植直後からハダニ類の発生は認められるが、ビニールを被覆し、加温を開始する10月中旬頃からハダニ類の発生が増加する。その後、厳寒期には密度増加は緩慢となるが、 2月下旬頃から急激に密度が上昇する。 2.防除のねらい(1) 育苗期から定植直後の時期に防除を徹底する。この時期は葉数も少ないので薬 液が葉裏にもかかり易く、防除効果をあげやすい。(2) 多発生後は防除が困難であるので早期発見、早期防除に努める。 (3) イチゴ以外の植物にも寄生するので、圃場周辺作物や雑草の薬剤防除、除除を 行う。 (4) 寄生された作物、雑草の残渣を圃場周辺に放置せずに、ビニル袋等に入れて密 閉し、処分する。 (5) 抵抗性がつきやすいので、同一系統薬剤の連用は避ける。 3.防 除 法○耕種的防除下葉の被害葉は取り除き焼却する。 4.写真 |