根こぶ病   Plasmodiophora brassicae

1.生 態

 根りゅう組織内に形成された休眠胞子は土中で4年間は生存可能で、水や土壌の移動で分散する。胞子は多湿条件下で遊走子を形成し、アブラナ科植物の根に侵入する。根に傷があると感染が助長される。感染により根の細胞は肥大し、新たな根りゅうとなる。20〜24℃が発病適温で晩夏に発生が多い。
 多湿の酸性土壌に多発し、pH7.2以上の土ではほとんどみられない。また、土壌の乾燥に弱く、土壌水分が45%以下だと次第に死滅する。

2.防除のねらい

(1) 健全な土を用い病害を回避することが栽培の基本である。
(2) 発芽後2週問の土壌水分量はその後の発病に顕著に影響する。
(3) 酸性土壌は弱アルカリ性に矯正する。
(4) 低湿地では排水を良好にする。
(5) 苗の移植時に根を傷つけないよう注意する。

3.防 除 法

 ○ 耕種的防除法
(1) 被害根を完全に除去し焼却する。
(2) アブラナ科植物の連作を避け、輸作を行う。
(3) 土壌の排水性を改善する。
(4) 石灰を施用する。
(5) 太陽熱消毒を行う。
(6) 育苗床等には無菌土を使用し、圃場も健全な土にする。
(7) 健全土でポット育苗する。
(8) 発芽後2週間は土壌を過湿状態にしない。
(9) 高畝栽培を行う。

4.写真