コ ナ ガ1.生 態年間に10〜12世代を繰り返し、主として幼虫で越冬するが温度が5℃以上であれば生育が可能なため、冬期にも各態がみられることがある。発生量は5月〜6月が最も多く、これについで9〜10月が多い。本種の発育速度は速く、25℃で25℃での卵、幼虫およびさなぎの期間はそれぞれ3日、9日および5日である。幼虫は表皮を残して葉肉部を食害するため、新しい食害痕は表皮が白くみえるが、古い食害痕では表皮が破れて、小さな穴のようにみえる。定植後から結球前では幼虫は中心葉やその周辺葉を好んで食害するため、発生が多い時には生育が著しく抑制される。結球期以降では、発生が少ない場合には外葉だけを食害するため被害は軽いが、発生が多いと幼虫が結球部内に食入し、商品価値を著しく低下させる。幼虫は老熟すると葉裏に半透明のまゆをつくり蛹化する。 本種はほとんど全てのアブラナ科野菜を食害するの他、イヌガラシやナズナなどのアブラナ科雑草も本種の発生源となる。 2.防除のねらい(1) 多発すると防除が困難となるので結球期前の防除により密度を抑制する。(2) 老齢幼虫は薬剤に対する感受性が低いので 1〜 2齢幼虫を対象に防除を実施す る。発生状況を把握するために、フェロモントラップを有効利用する。 (3) 同一系統の殺虫剤を連用すると、有機リン系や合成ピレスロイド系殺虫剤に限 らず、抵抗性が発達するおそれがある。そのため、有機リン系剤、カーバメート 系剤、合成ピレスロイド剤、ネライストキシン剤、BT剤、IGR剤、クロロニ コチニル系剤、呼吸系阻害剤の輪番散布を実施する。 3.防 除 法(1) 圃場への侵入源となるアブラナ科雑草の管理を徹底する。(2) 育苗期に寒冷紗や不織布で成虫の侵入を防ぐ。 (3) 交信撹乱フェロモンで雌成虫による産卵を防止する(詳細は指導資料を参照)。 4.写真 |