腐 敗 病  Pseudomonas cichorii
       Pseudomonas marginalis
pv. marginalis
       Pseudomonas viridiflava

1.生 態

本病を起こす病原細菌には3種類があり、これらを一括して腐敗病と呼ぶ。
P.cichorii による腐敗は、発病適温が20〜25℃であることから、主に春作、夏作あるいは秋作型の気温の高い時期の作型に発生し、冬作型では少ない。結球期以降に葉の中肋に暗褐色の病斑を形成し、多湿の場合は病斑が結球全体を覆い、乾燥すると海苔か油紙のように結球を包むようになる。腐敗しても悪臭はなく、内部まで侵されることはない。
P.marginalis、 P.viridiflava による腐敗は、冬から春どりの作型で発生が多い。はじめ下葉あるいは結球外葉の葉縁や凍霜害あるいは乾燥害を受けた部分から褐変し、拡大すると外葉の2〜3枚が腐敗し、多湿の場合は水侵状に軟化腐敗する。中肋に暗褐色の病斑を作ることはなく、悪臭もない。
これら3種の病原細菌による発病末期の病徴は識別が困難となり、また、2〜3種類の病原菌が混発していることも多い。
なお、これらの病原菌はキュウリの縁枯細菌病やトマトの黒斑細菌病、ナスの褐斑細菌病等と同一であり、相互に伝染する可能性がある。

2.防除のねらい

(1) 薬剤防除は発病初期のうちから予防的に実施する。
(2) 収穫が遅れた場合は突発することがあるので、適期収穫を行う。

3.防 除 法

○耕種的防除
(1) 多湿にならないように十分排水を行う。
(2) 冬季寒害を受けないように管理を行う。
(3) 病株は収穫後圃場に放置せず、圃場外に持ち出し、処分する。

4.写真