茎 枯 病   Phoma asparagi

1.生  態

 病原菌は被害茎上に形成された柄子殻で越冬し、翌年に柄胞子が飛散して伝染源となる。病原菌の発育適温は24℃付近、胞子の発芽適温は28℃前後であり、梅雨期や秋雨期など降雨の多い時期に発生が多くなる。茎の罹病性は萌芽直後から2週間以内が高い。
 はじめ茎に水浸状の小斑点を生じ、進展すると健全部との境界が明瞭な赤褐色で紡錘形の病斑を生じ、次第に退色して多数の小黒点(柄子殻)を形成する。
 病斑は輪紋状を呈する場合もあり、縦方向に拡大すると茎を取りまいて、そこから上部が枯れ、やがて茎全体が枯死する。激発すると圃場全体が赤く枯れ上がる。

2.防除のねらい

(1) 罹病残渣や被害茎の病斑上に形成された柄子殻中の柄胞子が降雨や頭上灌水などによって噴出し、水滴とともに周辺に飛散して伝染するので、できるだけ降雨の遮断を行うとともに、下部給水などの灌水により土壌や水滴の跳ね上がりを防止するよう心がける。また一旦発病すると被害残渣により毎年発病するようになるので、最初に健全苗を確保することが重要である。初発後は薬剤防除を徹底する。

3.防 除 法

○ 耕種的防除法
(1) 伝染源を除去するため、梅雨明け後に罹病茎を除去する。また、秋季には全茎を株元からできるだけ低く刈り取り、焼却処分する。
(2) 敷きわら、プラスチックマルチ等を行う。
(3) 雨よけ栽培は発病防止効果が高く、薬剤散布を軽減できる。