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                                       平成14年10月30日
 
 各関係機関の長
 各病害虫防除員 殿

                                      宮崎県病害虫防除所長
                              

                病害虫防除速報第3号
 
1.病害虫名    トマト黄化葉巻病
2.作物名     トマト
3.病原ウイルス トマト黄化葉巻ウイルス     
            (Tomato yellow leaf curl virus : TYLCV)
4.発生程度   やや多い
5.病徴及び伝染方法
  発病初期は、新葉が葉縁から退緑しながら葉巻症状となり、後に葉脈間を残して黄化
 し縮葉となる。病勢が進行すると、頂部が叢生し株全体が萎縮する。
  本ウイルスは、主にシルバーリーフコナジラミによって伝染し、管理作業による汁液
 伝染、種子伝染、土壌伝染及びアブラムシによる伝染はしない。
 
6.発生状況と発令の根拠
 1)本病害は本県においては昨年2市5町で初確認され、その詳細は平成13年12月12日
  付け「平成13年度病害虫発生予察特殊報第1号」において発表した。本年も県平野部
  の圃場において昨年に引き続き発生を確認しており、その分布は拡大し、既に発病株
  率の高い圃場が見られる。
 2)施設栽培トマトは生育初期に当たり、この時期に感染すると激しく発病し、収穫皆
  無となる恐れがある。
 3)県内巡回調査におけるコナジラミ類の現在の発生は平年並であるが、各地で発生し
  ており、今後の発生が懸念される。
 4)ミニトマトにおいては被害が比較的軽いとされていたが、今年度発生した圃場にお
  いてはミニトマトについても激しい病徴のものが見られた。
 
7.防除対策
 1)媒介虫であるシルバーリーフコナジラミの防除を徹底する(表1)。
 2)発病株は早期に抜き取り、埋没処分を行う。圃場周辺に感染株を絶対に放置しない。
 3)圃場周辺の雑草はシルバーリーフコナジラミの寄主植物となるので除草を徹底する。
 4)施設栽培では、施設開口部に寒冷紗(目合い1.0mm以下)を張り、シルバーリーフ
  コナジラミの侵入を防止する。
 5)施設栽培では、栽培終了時にハウスの蒸し込みを行い、トマトを枯死させて、シル
  バーリーフコナジラミを死滅させるとともに、施設外への分散を防ぐ。
 6)疑わしい株が発見された場合は、防除所、試験場に持ち込み確認する。

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