6331−14
                             平成16年4月30日
 
 各関係機関の長
 各病害虫防除員  殿
                             宮崎県病害虫防除所長
                           
病害虫防除情報第1号
 
 早期水稲におけるイネミズゾウムシの県内の発生状況等についてお知らせします。
 各地域の発生状況を把握しながら適切な防除指導をお願いします。
 なお、従来の速報については本年度より防除情報に統一しました。

1.作物名   早期水稲
2.病害虫名  イネミズゾウムシ
 (1)生態
   本虫の越冬個体は、まず畦畔より水田に歩行侵入して食害する。その後、気温の上昇に伴い飛翔筋が発達することで飛翔が可能となり(平均20℃以上で活発となる)、広域に拡散し水田内部まで被害が広がる。
 (2)発生状況及び予想
   ア.4月上旬の巡回調査による発生面積率は60.4%(平年44.4%)、被害度は10.5(平年5.8)であり、過去10年と比較して面積率は4番目、被害度は2番目に高い。
   イ.4月中旬の気温が高かったため(平年比+2.5℃)、例年より早く越冬成虫の拡散が始まっていることから注意が必要である。
   ウ.向こう1ヶ月の平均気温は平年並と予想されている(鹿児島地方気象台4月23日発表)。
   エ.越冬成虫の本田への侵入は5月中旬頃まで続くと予想される。
   オ.今後幼虫が根を食害することにより、分げつ阻害等の生育抑制が予想される。
 (3)防除対策
   ア.越冬成虫の侵入最盛期が防除適期であるので、食害状況と寄生成虫数の把握に努める。特に常発地域や箱施薬を行っていないほ場は注意が必要である。
   イ.ほ場により発生程度が大きく異なるので、発生程度を確認し、成虫が10株当たり5頭以上のほ場では、水面施用剤により防除を行う。
   ウ.成虫の発生がみられるほ場では、幼虫の寄生を抑制するため、深水を避け、間断潅水等栽培基準に準じた水管理を行い、根の健全化を図る。
   エ.防除薬剤等その他の詳細については、病害虫防除所、農業改良普及センター等関係機関に照会すること。