6011−1650
令和4年12月26日
各関係機関の長
殿
各病害虫防除員
宮崎県病害虫防除・肥料検査センター所長
施設野菜のコナジラミ類について、各地域の発生状況を把握しながら適切な防除指導を
お願いします。
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施設野菜におけるコナジラミ類の発生が増加しています。
今後の発生に注意し、適切な防除を行いましょう。
1 作物名 施設野菜(冬春きゅうり、冬春ピーマン、冬春トマト、冬春いちご)
2 病害虫名 コナジラミ類(タバココナジラミ、オンシツコナジラミ)
3 発生状況(経過)
12月中旬の巡回調査において、県内の施設野菜各作物でのコナジラミ類の発生面積率
は平年並〜平年より多、発生程度は平年よりやや多〜多であった(図1〜8)。
(1)冬春きゅうり(タバココナジラミ:やや多)
発生面積率:30.8%(平年22.8%、前年25.0%) 平年よりやや多
100葉当たり虫数:7.2頭(平年0.6頭、前年1.3頭) 平年より多
図1 発生面積率の推移 図2 100葉当たり虫数の推移
(2)冬春ピーマン(タバココナジラミ:やや多)
発生面積率:58.3%(平年43.7%、前年66.7%) 平年並
100葉当たり虫数:5.8頭(平年2.2頭、前年6.7頭) 平年より多
図3 発生面積率の推移 図4 100葉当たり虫数の推移
(3)冬春トマト(タバココナジラミ:多)
発生面積率:100.0%(平年47.0%、前年50.0%) 平年より多
100葉当たり虫数:11.6頭(平年1.7頭、前年3.0頭) 平年より多
図5 発生面積率の推移 図6 100葉当たり虫数の推移
(4)冬春いちご(コナジラミ類*:やや多)
発生面積率:8.3%(平年4.8%、前年8.3%) 平年よりやや多
葉当たり虫数:0.14頭(平年0.08頭、前年0.09頭) 平年よりやや多
*オンシツコナジラミが優占種となっている
図7 発生面積率の推移 図8 葉当たり虫数の推移
4 防除上の注意
(1)コナジラミ類は各種ウイルスを媒介するため(表1)、施設内で増殖しないよう
防除を徹底する。
(2)施設内に黄色粘着板を設置し、早期発見に努めるとともに本虫の密度を抑制する。
(3)多発すると防除が困難になるため、低密度のうちに防除を実施する。特に下位葉
及び施設内、施設周辺の雑草は生息・増殖の場所となりやすいため、薬剤散布によ
る防除とともに、不要な下位葉の除去、施設内外の除草を徹底することで密度低下
を図る。
(4)国内で薬剤感受性の低下が報告されるなど、薬剤の効果はほ場によって異なる場
合があるため、薬剤散布後は防除効果に注意を払い、必要に応じて適宜追加散布を
実施する。
(5)有効な薬剤に対する抵抗性の発達を回避する観点から、同一系統薬剤の連用を避
け、ローテーション散布を心がける。また、抵抗性発現の可能性が低い微生物農薬
や物理的に窒息死させる気門封鎖剤を防除体系に組み込む。
(6)薬剤を散布する際には天敵や訪花昆虫(ミツバチなど)への影響を考慮して剤を
選定する。
(7)改植時には、周辺ハウスへのウイルス病拡散防止のため、薬剤を用いた残渣処理
や施設の密閉処理を十分な期間確保して実施し、ウイルス媒介虫の死滅及びウイル
ス病罹病株の枯死を図る。
表1 コナジラミ類によって媒介される各作物のウイルス病
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《連絡先》 |
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宮崎県総合農業試験場 病害虫防除・肥料検査課 (病害虫防除・肥料検査センター) 椎葉 TEL :0985-73-6670 FAX :0985-73-2127 E-mail:byogaichu-hiryo@pref.miyazaki.lg.jp ホームページ:http://www.jppn.ne.jp/miyazaki |