011−1201  
                             令和2年5月29日 
 各関係機関の長
         殿
 各病害虫防除員 
 
                    宮崎県病害虫防除・肥料検査センター所長 
 
       令和2年度病害虫防除情報第4号
 
 サトイモ疫病について、各地域の発生状況を把握しながら適切な防除指導をお願いします。

 県内の本年作さといもほ場で疫病の発生が確認されました。
 地域の発生状況を踏まえて、適切な防除を実施しましょう。
 
1 作物名   さといも
 
2 病害虫名  疫 病
 
3 発生状況等
(1)5月4半旬に県西部のさといもほ場において疫病の発生が今期初確認された(図1)。
発生は1ほ場(品種:石川早生)で確認され、発病株率は低率であった。
(2)初確認の時期としては、前年より1か月程度早い。
   (初発時期)本年:5月4半旬  前年:6月6半旬  前々年:6月3半旬
(3)向こう1か月(5月30日〜6月29日)の九州南部の季節予報(鹿児島地方気象台5月28日発表1か月予報)では、
平年に比べ曇りや雨の日が多く、気温が高くなると予想されており、本病の発生に好適な条件となる可能性があり、警戒が必要である。
(4)発病後は、例年7月から8月にかけて急速に蔓延する(図2)ことから、今後の発病の推移に注意が必要である。
 
図1 疫病の発病葉(上)と   図2 過去の巡回調査における発病株率の推移
疫病菌の遊走子のう(下) 
             
4 本病の特徴
  本病の病原菌であるPhytophthora colocasiaeは10〜35℃で生育するが、27〜30℃で最も良く増殖することから、
夏期に曇雨天日が続くと急激に蔓延する。葉や葉柄上の病斑に形成した遊走子のうまたは遊走子が風雨により周囲へ飛散し、二次感染が起こる。
 
5 防除上の注意
 1)発病前からの定期的な薬剤散布が防除効果を向上させる。
  ほ場をこまめに巡回し、発病前はマンゼブ水和剤による予防散布を実施する。
発病後は治療効果のあるアミスルブロム・シモキサニル水和剤を散布し、その7日後にアゾキシストロビン水和剤を散布する。
台風の前後や長雨が予想される場合は、軟腐病予防と併せて炭酸水素ナトリウム・銅水和剤を散布する(表1参照)。
 
 2)薬剤散布に当たっては、必ず展着剤を加用し、株元まで十分量を散布する(表1参照)。
また、高温時の薬剤散布により薬害を生じることが確認されているので、日中の気温が高い時間の散布はできるだけ避ける。
 
 3)排水不良のほ場では発生が助長されるので、ほ場害への排水を促すため、排水用の溝を必ず設置する。
 
 4)防除法の詳細等については、「サトイモ疫病の薬剤による防除体系(2020年版)」を
参照(宮崎県病害虫防除・肥料検査センターホームページ(www.jppn.ne.jp/miyazaki/)。
また、各地域の防除対策については、西臼杵支庁・各農林振興局(農業改良普及センター)、
JA、総合農業試験場病害虫防除・肥料検査センター等関係機関に照会する。
 
 ●6月1日から8月31日までの3か月間、農薬危害防止運動を実施します。
農薬散布にあたっては、ラベル表示の確認を十分に行い、農薬使用基準を遵守し、危害防止に努めましょう。
 
表1 サトイモ疫病に対する登録農薬(令和2年5月現在)
   薬剤名   商品名 希釈倍率  散布液量 使用回数  使用時期
マンゼブ水和剤 ペンコゼブ水和剤  500倍 100-300 L/10a 2回以内 収穫7日前まで
アミスルブロム
・シモキサニル水和剤
ダイナモ
顆粒水和剤
2,000倍
 
100-300 L/10a
 
3回以内
 
収穫21日前まで
 
アゾキシストロビン 水和剤  アミスター20  
フロアブル   
2,000倍
    
100-300 L/10a   3回以内
    
収穫14日前まで
     
炭酸水素ナトリウム
・銅水和剤
ジーファイン  
水和剤
1,000倍
 
150-500 L/10a
 
  − 
 
収穫前日まで
 
      



 
《連絡先》宮崎県総合農業試験場 病害虫防除・肥料検査課
    (病害虫防除・肥料検査センター) 椎葉・寺本
    TEL:0985-73-6670  FAX:0985-73-2127
    E-mail:byogaichu-hiryo@pref.miyazaki.lg.jp
 

 

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