6011−1811
平成25年3月7日
各関係機関長
各病害虫防除員 様
宮崎県病害虫防除・肥料検査センタ−所長
平成24年度病害虫発生予察特殊報第1号について
平成24年度病害虫発生予察特殊報第1号を発表したので送付します。
平成24年度病害虫発生予察特殊報第1号
1 病害虫名:チャトゲコナジラミ Aleurocanthus camelliae Kanmiya & Kasai
2 作 物 名:ヒサカキ
3 発生概況
1)発生確認の経過
平成25年2月、県内のヒサカキの葉に寄生するコナジラミ類幼虫を確認した。採取した幼虫を門司植物防疫所へ同定を依頼したところ、県内で未発生のチャトゲコナジラミ Aleurocanthus camelliae Kanmiya & Kasai であることが確認された。
なお、今回幼虫の寄生が確認されたヒサカキは、平成24年11月に本種の既発生県から導入されたヒサカキ苗であり、これらについては、寄生の有無にかかわらず全て抜根し、焼却処分を行った。
また、本種の寄生が確認されたほ場の周辺を調査した結果、近隣のチャへの寄生は確認されなかった。
2)国内の発生状況
本種は平成16年に京都府のチャで初めて確認されて以来、現在までに25都府県で発生が確認されている。
4 形 態
1)成虫の体長は雌が約1.3mm、雄はそれよりやや小型で、前翅は紫褐色で不整型の白紋がある。体色は橙黄色であるが白粉で覆われているため灰色に見える。
2)孵化幼虫は淡黄色で、2〜4齢幼虫は光沢のある黒色の楕円型で周囲は白色のロウ物質で囲まれる。周囲と背面に多数の刺毛がある。4齢幼虫の体長は約1mmである。
3)卵は長さ0.2mm、淡黄色の勾玉状で、基部には短い柄がある。
5 生態と被害
1)卵、1〜4齢を経て成虫になる。年間3〜4世代を繰り返すが、越冬は主に3齢及び4齢幼虫で行う。
2)幼虫は葉裏に寄生し、孵化直後の幼虫は歩行するが、定着後の幼虫は移動しない。
3)成虫の寿命は約4日と短いが、羽化後間もなく交尾し、主に葉裏に産卵する。
4)ヒサカキ以外の寄主植物は、チャ、サザンカ、サカキ、シキミ等である。
5)成虫及び幼虫によって葉が吸汁加害されるほか、排泄する甘露によりすす病が発生する。
6 防除対策
1)ヒサカキにおいて本種に対する登録農薬はないため早期発見に努め、発生を認めた場合は布等でこすり落とすか、寄生が下葉であれば寄生葉を除去する。除去した葉は発生源となるため、土中に埋却する等、適切に処分を行う。
2)本種の既発生県からヒサカキ等、寄主植物の苗を購入する場合は、必ず寄生がないことを確認する。
3)本種の卵及び若齢幼虫は微小で葉裏に産卵・寄生するため発見が遅れやすい。定期的にほ場を観察し早期発見に努める。
4)本種は急速に増殖することが多いため、発生園の近隣にチャ園がある場合は特に注意が必要である。
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写真1 成虫 |
写真2 幼虫 |
写真提供:
京都府農林水産技術センター茶業研究所 | |
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《連絡先》
病害虫防除・肥料検査センター 邉見
TEL :0985-73-6670 FAX :0985-73-7499
E-mail:byogaichu-hiryo@pref.miyazaki.lg.jp
ホームページ:http://www.jppn.ne.jp/miyazaki |
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PDFファイルはこちらからダウンロードできます→特殊報第1号
