6011−1472 

                            令和4年10月19日 

 

 各関係機関の長

                   殿

 各病害虫防除員

 

                    宮崎県病害虫防除・肥料検査センタ−所長 

 

          令和4年度病害虫発生予察特殊報第1号について

 

 令和4年度病害虫発生予察特殊報第1号を発表したので送付します。

 

          令和4年度病害虫発生予察特殊報第1号

 

1 病害虫名:クロテンコナカイガラムシ

Phenacoccus solenopsis (Tinsley)

 

2 作 物 名:キュウリ

 

3 発生確認の経過

 令和4年(2022年)9月、県央部の施設栽培夏秋キュウリほ場において、コナカイ
ガラムシ類の発生が認められた(図1、2)。農林水産省門司植物防疫所による同定
の結果、本県では未確認のクロテンコナカイガラムシであることが判明した。

 

4 国内の発生状況

 国内では、平成21年に沖縄県(スイゼンジナ、ヒマワリ)で初めて発生が確認された。
その後、佐賀県(ナス)、福岡県(ミニトマト、ナス)、愛知県(食用トレニア、食用キ
ンギョソウ)、山口県(トマト)、高知県(ナス)、鹿児島県(ミニトマト)、大阪府(ナ
ス)、奈良県(ホウレンソウ)、長崎県(ナス)、京都府(トマト)、愛媛県(ナス)、岡
山県(ナス)、兵庫県(トマト、ナス、オクラ、キク)、滋賀県(トマト、ナス、ピーマ
)で発生が確認されている。

 

5 形態及び生態の特徴

(1)形態

 雌成虫は翅がなく、体型は楕円形。体長は通常3〜4mm程度で、大きい個体は5mm
を超える。背面に白色のロウ物質を分泌するため、全体としては白く見えるが、背面
の前方と後方にそれぞれ1対の明瞭な黒斑(縦線)が見られる(図3)。

(2)生態

 繁殖様式は、交尾後産卵する有性生殖と、雌成虫が交尾しない単為生殖の両方が
知られている。卵の多くは雌成虫の体内でふ化する。1齢幼虫は歩行により分散す
る(図4)。雄は2齢幼虫の終わりにまゆを作り、前蛹、蛹を経て羽化し、1対の
翅を持つ成虫となる。雌は2齢、3齢幼虫を経て成虫となる。成虫は、ワタ状のロ
ウ物質の卵のう内に350個程度産卵する。本種の単為生殖個体群における1世代の
発育期間は70日程度である。

(3)被害

 葉、葉柄、茎、花芽及び果実に寄生する。本虫により分泌された甘露によりすす病
が発生するほか、本虫の吸汁によって葉が委縮し、衰弱する症状も報告されている。

(4)寄主植物

 広食性で、海外ではワタ、オクラ、トマト、ナス、キュウリ等、64212種の植
物への寄生が確認されている。キュウリハウス周辺のヒユ科、トウダイグサ科雑草
にも寄生を確認した。

 

6 防除対策

(1)令和4年10月1日現在、キュウリにおける本種に対する登録農薬はない。

(2)寄生された植物やその残渣を放置すると、近隣の作物や雑草に本種が移動し、繁
殖する可能性がある。周辺への発生拡大を防ぐため、本種の発生を確認した場合は
速やかに寄生部位を除去し、ほ場外に持ち出して適切に処分する。

(3)寄主植物が広範囲にわたり、雑草にも寄生するため、施設内及び施設周辺の雑草
を除去する。

   図1 キュウリ葉裏に寄生する雌成虫     図2 キュウリ幼果に寄生する雌成虫

       図3 雌成虫                 図4 幼虫



 

《連絡先》

 宮崎県総合農業試験場 病害虫防除・肥料検査課

 (病害虫防除・肥料検査センター) 椎葉

 TEL :0985-73-6670  FAX :0985-73-2127

 E-mailbyogaichu-hiryo@pref.miyazaki.lg.jp

 ホームページ:http://www.jppn.ne.jp/miyazaki