6331−127
平成12年12月25日
各関係機関長
各病害虫防除員 殿
宮崎県病害虫防除所長
平成12年度病害虫発生予察注意報第8号について
平成12年度病害虫発生予察注意報第8号を発表したので送付します。
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平成12年度病害虫発生予察注意報第8号
平成12年12月25日
宮崎県
病害虫名 褐斑病
作物名 ハウス後作キュウリ
1.発生地域 県下全域
2.発生予想量
多
3.注意報の根拠
1)前作になる抑制キュウリでの発生が多く(12月の発生面積率は61.9%、発病葉率5.1%)、後作キュウリでは伝染源となる褐斑病胞子の存在量は多いと考えられる。
2)臭化メチルの使用規制に伴い作付け前の土壌消毒の実施が減少するものと見込まれ伝染源が残る恐れがある。
3)向こう一ヶ月の気温は平年より高く、降水量、日照時間は平年並と予想される。
(3か月予報 宮崎地方気象台12月20日発表)
4.防除上の注意
1)本病の伝染源は、発生圃場で使用した農業用資材、被害茎葉、土壌表面上の胞子と考えられるので、その消毒を徹底する。
2)気温が高く、終日降雨の日が連続するような気象条件下では、病勢は急速に進展するため、ハウス栽培では換気を十分に行い、また灌水も過多にならないようにし、ハウス内の高温多湿を防ぐ。
3)窒素質肥料の過多は、植物体の耐病性を低下させ、かつ過繁茂状態になることにより病原菌の蔓延を助長するので、適正な肥培管理に努める。
4)病原菌は葉の裏面より表面に胞子形成量、付着量が多く、発病部位も葉・茎・葉柄・果実にも及ぶため、葉の表面に薬液が十分にかかるように努め、また散布むらのないように注意する。
5)本病の常発地では初発の遅延をねらうため、育苗期からの防除薬剤として、ジマンダイセン水和剤、ダコニール1000、ベフドー水和剤などを生育前期の基幹予防剤として使用する。薬剤の効果の持続はおよそ7日とみておき、新葉の展開状態にあわせて散布むらのないように、十分な薬量で7日から10日間隔で予防散布を徹底する。
5.その他
1)薬剤等その他詳細については、「平成12年度病害虫・雑草防除等指導指針」並びに別紙を参照する。
2)農薬安全使用基準を遵守し、危被害防止に努める。
(別紙)
○ 高温多湿の好適条件下では病勢の進展が早く、急激に蔓延する。本病は多発状態となってからの薬剤散布では防除効果が上がりにくく、また登録農薬も少ないが、同一系統薬剤の連用により耐性菌が発現する恐れがあるため、系統の異なる薬剤の輪用に努める。
【登録薬剤】
製品名 | 使用時期 | 使用回数 | 使用濃度 | 農薬のタイプ(有効成分) |
ビスダイセン水和剤 | 前日 | 2回以内 | 600〜800 | 有機硫黄剤(ポリカーバメート) |
ジマンダイセン水和剤 | 前日 | 3回以内 | 600 | 有機硫黄剤(マンゼブ) |
ダコニール1000 | 前日 | 4回以内 | 1000 | 有機塩素剤(TPN) |
アミスター20フロアブル | 前日 | 4回以内 | 2000 | ストロビルリン剤(アゾキシストロビン) |
スミブレンド水和剤 | 前日 | 5回以内 | 1500〜2000 | 混合剤(ジエトフェンカルブ・プロシミドン) |
ゲッター水和剤 | 前日 | 5回以内 | 1500 | 混合剤(ジエトフェンカルブ・チオファネートメチル) |
ベフドー水和剤 | 前日 | 3回以内 | 500 | 混合剤(イミノクタジン酢酸塩・塩基性塩化銅) |