6331−60
                                                平成15年8月11日
 
各関係機関の長
各病害虫防除員 殿
 
                                               宮崎県病害虫防除所長
 
              平成15年度病害虫発生予察注意報第1号について
 
平成15年度病害虫発生予察注意報1号を発表したので送付します。
 
        平成15年度病害虫発生予察注意報第1号
 
                                                 平成15年8月11日
                                                    宮 崎 県
 
病害虫名    トマト黄化葉巻病
 
病原ウイルス名 Tomato yellow leaf curl virus(TYLCV)
     
作物名     トマト・ミニトマト
 
1.予想発生地域    県下全域
 
2.予想発生程度    多
 
3.注意報発令の根拠
 1)本病は平成13年11月に初発生を確認後、年12月には2市5町、7戸の農家が栽培する冬春トマトで発生が確認された。平成15  年6月の冬春トマト栽培終了時の調査では、1市4町、22戸で発生が確認され、宮崎市を中心に発生地域、農家数が増加している。  (表1)
 2)7月24日に宮崎市・清武町の29カ所における家庭菜園トマトでの発病調査では19カ所(65.5%)で発病が確認され、全体の発   病株率も49.2%と高く、この地域全体にTYLCVを保毒したシルバーリーフコナジラミが蔓延しているものと推察された。 (表2)
 3)前記2)の調査地域、および周辺市町には冬春トマトの栽培が多く、今後、本病の発生拡大が懸念される。
 4)現在、冬春トマトの育苗が行われており、この時期にTYLCVが感染すると、激しい症状を示し、被害が大きい。また、本病に感染し   た苗や保毒したシルバーリーフコナジラミの移動による発生地域の拡大も懸念される。 
 
4.防除対策
 1)育苗期からシルバーリーフコナジラミの防除を徹底する。
 2)近紫外線除去フィルムを使用し、施設開口部に防虫網を設置して、施設内へのシルバーリーフコナジラミの侵入を防止する。
 3)ほ場周辺の雑草はシルバーリーフコナジラミの生息場所になり、また草種によってはTYLCVの伝染源になるため、除草を徹底する
 4)家庭菜園トマトを含め、発病株は伝染源となるため、見つけ次第抜き取り、放置せずに埋没処理を行う。
 5)施設栽培では栽培終了後に蒸し込み等を行い、シルバーリーフコナジラミを死滅させ、施設外への分散を防ぐ。
 6)本病は媒介虫のシルバーリーフコナジラミの飛来・移動により発生が広がることから、上記の対策は地域全体で実施することが重 要である。
 7)疑わしい症状がみられた場合は、最寄りの農業改良普及センター、または病害虫防除所に連絡する。
 表1.県内の冬春トマトにおけるトマト黄化葉巻病の発生拡大状況

     発生確認時期及び発生地域                 発生農家数

 平成13年12月 
    宮崎市、佐土原町、都城市、三股町、高鍋町、新富町 
    都農町                      2市5町  計7戸
 平成14年10月
    宮崎市                      1市    計6戸
 平成15年2月
    宮崎市、三股町、高鍋町、川南町          1市3町  計10戸
 平成15年6月
    宮崎市、清武町、三股町、高鍋町、川南町      1市4町  計22戸

 
 
 表2.宮崎市・清武町の家庭菜園におけるトマト黄化葉巻病の発病状況
 調査      発病      発病              
 家庭菜園数   家庭菜園数   家庭菜園率(%)  発病株率(%)
  29      19     65.5     49.2   
  (平成15年7月24日調査)