6331−67
                           平成13年7月27日
 各関係機関長
 各病害虫防除員  殿
                            宮崎県病害虫防除所長
       平成13年度病害虫発生予報第4号について
 平成13年度病害虫発生予報第4号を発表したので送付します。

  平成13年度病害虫発生予報第4号
 
 向こう1か月間における農作物の主な病害虫の発生動向は、次のように予想されます。
○ 発生予報の概要





























 


作 物 名
 


 病 害 虫 名
 

発  生  量

本文での

記載ページ

  平年比

普通期水稲


 

葉いもち
紋枯病
トビイロウンカ
コブノメイガ

   並
   並
   並
   並  

P2
P2
P2
P2

露地きゅうり
 

べと病
褐斑病

  やや多
  やや多

P3
P3

野菜類全般
 

アブラムシ類
ハスモンヨトウ

   並
  やや多

P3
P3

かんきつ

 

黒点病
かいよう病
ミカンハダニ

   並
   並
  やや多

P4
P4
P4

果樹全般

カメムシ類

  やや少

P4








 

炭疽病
輪斑病
チャノコカクモンハマキ
チャハマキ
カンザワハダニ
チャノミドリヒメヨコバイ
チャノキイロアザミウマ
 

  やや多
  やや多
  やや少
   少
  やや多
  やや多
   少
 

P5
P5
P5
P5
P5
P5
P6
 
    ※ 病害虫防除速報第3号参照(平成13年7月25日発表)
○ 8月の気象予報 
  気温は平年より高く、降水量・日照時間は平年並と予想されています。 
           (1か月予報 鹿児島地方気象台7/20発表)
○ 発生予報の根拠および防除対策


 

普通期水稲
 
1 葉いもち
 [予報の根拠]
 1) 7月中旬での葉いもちの発生面積率19.6%(平年23.2%)、発病株率9.6%(平年5.9%)は平年並である。
 2) 県北地域では発生面積率50%(平年15%)、発病株率26.6%(平年5.4%)で、多発生となっているほ場も見られる。
 [防除上の注意]
 1) 穂いもちは止葉などの上位葉の葉いもちが主な伝染源となる。上位葉に病斑が見られる場合は、出穂前に粒剤を施用するか、粉剤または液剤による穂ばらみ期と穂揃期の防除を徹底する。
 2) 葉いもちが多発生している場合は、早急に防除を実施する。
 3) 詳細については、病害虫防除速報第3号を参照する。
2 紋枯病
 [予報の根拠]
 1) 7月中旬の発生は未確認である。
 2) 8月の気温は平年より高く、降水量・日照時間は平年並と予想されている。
 [防除上の注意]
 1) 最高分けつ期頃から発生好適条件となり、イネの抵抗性が低下する幼穂形成期から穂ばらみ期にかけて上位葉鞘に進展する。
 2) 防除は穂ばらみ期に行い、その後の進展が激しい場合は2回目の防除を実施する。
3 トビイロウンカ
 [予報の根拠]
 1) 7月中旬の発生面積率1.8%(平年12.7%)は平年よりやや少なく、10株当たり虫数1頭(平年1頭)は平年並みである。
 2) 本虫は、本田初期は低密度でも、中期以降に急激に増殖する場合がある。 
[防除上の注意]
 1) 長期残効型粒剤の育苗箱施薬を実施していないほ場では特に注意が必要で、防除の目安は10株当たり虫数2頭以上である。
4 コブノメイガ
 [予報の根拠]
 1) 7月中旬の発生面積率35.7%(平年46.7%)、被害株率3.9%(平年12.0%)は平年並である。
[防除上の注意]
 1) 西・北諸県地域における第1世代成虫の発蛾最盛期は7月3半旬頃であった。第2世代成虫の発蛾最盛期は8月3半旬頃と予想される。防除は液剤や粉剤を主体に発蛾最盛期から1週間後に行う。


 

露地きゅうり
 
1 べと病
 [予報の根拠]
 1) 7月中旬の発生面積率は84.6%(平年77.9%)は平年並、発病葉率19.5%(平年13.8%)は平年よりやや多い。
 [防除上の注意]
 1) 多発すると防除が困難なため、予防散布あるいは発生初期に防除の重点をおく。
 2) 草勢の衰えは発生を助長するので、肥料切れしないように肥培管理に注意する。
2 褐斑病
 [予報の根拠]
 1) 7月中旬の発生面積率53.8%(平年29.8%)は平年よりやや多く、発病葉率2.2%(平年2.3%)は平年並である。
 [防除上の注意]
 1) 多発してからの防除は困難なので、初期防除を徹底する。
 2) 昨年多発したほ場では特に注意する。


 

野菜類全般
 
1 アブラムシ類
 [予報の根拠]
 1) 黄色水盤トラップでの誘殺状況は、平年並である。 
 [防除上の注意]
 1) 定期的な防除を実施する。
 2) 作用性の異なる薬剤のローテーション散布を行う。
2 ハスモンヨトウ
 [予報の根拠]
 1) フェロモントラップでの誘殺状況は平年並である。
 2) 8月の気温は平年より高く、降水量は平年並みと予想されている。
 [防除上の注意]
 1) 早期発見に努め、若令幼虫期に防除する。


 

かんきつ
 
1 黒点病
 [予報の根拠]
 1) 7月中旬の果実での発生面積率22.2%(平年23.2%)、発病果率1.5%(平年3.4%)は平年並である。
 2) 8月の降水量は平年並と予想されている。
 [防除上の注意]
 1) 雨媒伝染性の病害で、果実への感染時期は梅雨期と8〜9月頃である。
 2) 雨の多い年には多発する恐れがあるので、降水量300mmを散布間隔の目安として散布する。
 3) 伝染源は枯れ枝で、直径5〜10mm程度の枝が保菌率が高いので、枯れ枝の剪除に努める。
 4) 剪定や肥培管理に注意して樹勢の維持に努め、枯れ枝の発生を抑える。
2 かいよう病
 [予報の根拠]
 1) 7月中旬の春葉での発生面積率14.8%(平年17.5%)、発病葉率0.8%(平年1.0%)は平年並である。
 2) 果実での発生は未確認である。 
 [防除上の注意]
 1) 薬剤防除は予防散布を原則とし、発病した枝葉は伝染源となるので可能な限り取り除き園外に持ち出し焼却する。
 2) 風雨により発病が増加するので、防風垣を整備して枝葉を痛めないようにする。特に台風の襲来が予想されるときは、事前の薬剤散布を徹底する。
3 ミカンハダニ
 [予報の根拠]
 1) 7月中旬の発生面積率48.1%(平年38.8%)は平年よりやや多く、寄生葉率5.6%(平年7.0%)は平年並である。
 [防除上の注意]
 1) 生息密度が高くなると防除効果が劣るので、寄生葉率30%(1葉当たり虫数0.5〜1頭)を目安に防除を行う。


 

果樹全般
 
1 カメムシ類
 [予報の根拠]
 1) 県北部(延岡市、都農町)に設置したチャバネアオカメムシのフェロモントラップにおける誘殺数は、前年・前々年に比べてやや少ない。
 [防除上の注意]
 1) 加害時期や発生量は場所による変動が大きいので、早期発見、早期防除に努める。


 

 茶 
 
1 炭疽病
 [予報の根拠]
 1) 7月中旬の発生面積率63.2%(平年60.4%)は平年並、u当たり病葉数9.8(平年5.6)は平年よりやや多い。
 2) 8月の降水量は平年並と予想されている。
 [防除上の注意]
 1) 新芽の生育時に雨が多いと発生しやすい。多発が予想される時は、開葉期とその数日後の2回散布が必要である。
2 輪班病
 [予報の根拠]
 1) 7月中旬の発生面積率15.8%(平年10.5%)は平年よりやや多く、u当たり病葉数0.5(平年0.5)は平年並である。
 [防除上の注意]
 1) 摘採機等によってできた葉や茎の傷口に病原菌がついて感染、発病するので、摘採直後に防除する。
 2) 新梢枯死症は輪班病菌によって起こる枝枯れである。萌芽から開葉期にかけて、包葉などが取れたときにできる傷口から感染する。秋芽の萌芽期〜生育期に防除を行う。
3 チャノコカクモンハマキ
 [予報の根拠]
 1) 7月中旬の発生面積率5.3%(平年17.6%)、u当たり虫数0.1(平年0.6)は平年よりやや少ない。
 2) 都城におけるフェロモントラップでの誘殺状況は、発生時期が昨年よりやや早い。
 [防除上の注意]
 1) 防除適期は、成虫発生最盛期の7日〜10日後のふ化後間もない若齢幼虫期である。成長すると葉をとじ合わせ防除効果が落ちる。
4 チャハマキ
 [予報の根拠]
 1) 7月中旬の茶園における発生は未確認である。
 2) 都城におけるフェロモントラップでの誘殺状況は、発生時期が昨年よりやや早い。 
[防除上の注意]
 1) 防除適期は、成虫発生最盛期の7日〜10日後のふ化後間もない若齢幼虫期である。成長すると葉をとじ合わせ防除効果が落ちる。
5 カンザワハダニ 
 [予報の根拠]
1) 7月中旬の発生面積率26.3%(平年22.6%)、寄生葉率2.7%(平年2.1%)は平年よりやや多い。
 [防除上の注意]
 1) 同一薬剤の連用を避け、作用性の異なる薬剤のロ−テ−ション散布を実施する。
6 チャノミドリヒメヨコバイ
 [予報の根拠]
 1) 7月中旬の発生面積率31.6%(平年54.8%)は平年よりやや少なく、100葉当たり虫数9.1(平年6.2)は平年よりやや多い。 
 [防除上の注意]
 1) 秋芽の萌芽直後から1、2葉期の防除に重点を置く。
7 チャノキイロアザミウマ
 [予報の根拠]
 1) 7月中旬の発生面積率36.8%(平年77.3%)、払落虫数1.5頭(平年20.5頭)は平年よりやや少ない。
 [防除上の注意]
 1) 秋芽の萌芽直後から1、2葉期の防除に重点を置く。
 2) チャノミドリヒメヨコバイとの同時防除とする。
 
○ その他
1 防除等の詳細については「平成13年度病害虫、雑草防除等指導指針」を参照する。
2 農薬の使用に当たっては、農薬安全使用基準の遵守並びに危被害の発生防止に努める。特に水質汚濁性農薬ベンゾエピン剤(商品名、マリックス乳剤、粒剤等)は使用 しないこと。
3 発生量(程度)の区分
  多  い   (高  い)  やや多いの外側10%の度数の入る幅
  やや多い   (やや高い)  平年並の外側20%の度数の入る幅
  平年並            平年値を中心として40%の度数の入る幅
  やや少ない  (やや低い)  平年並の外側20%の度数の入る幅
  少ない    (低  い)  やや少ないの外側10%の度数の入る幅
                (平年値は過去10年間の平均)
○ お知らせ(http://jppn.ne.jp/miyazaki/)
  病害虫防除所では、ホームページで情報を提供しています。予察情報の根拠となる地域別調査データ、防除対策等を登録しています。ぜひご利用ください。
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