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                          平成13年11月27日
 各関係機関長
 各病害虫防除員  殿
                            宮崎県病害虫防除所長
       平成13年度病害虫発生予報第8号について
 平成13年度病害虫発生予報第8号を発表したので送付します。

  平成13年度病害虫発生予報第8号
 
 向こう1か月間における農作物の主な病害虫の発生動向は、次のように予想されます。
○ 発生予報の概要

























 


作 物 名
 


 病 害 虫 名
 

発  生  量

本文での

記載ページ

  平年比

冬春キュウリ



 

べと病
うどんこ病
灰色かび病
褐斑病
ミナミキイロアザミウマ

   並
  やや少
   並
   並
  やや少

P2
P2
P2
P2
P2

冬春ピーマン


 

斑点病
うどんこ病
ミナミキイロアザミウマ
ヒラズハナアザミウマ

   並
  やや多
   並
  やや多

P2
P3
P3
P3

冬春トマト
 

葉かび病
ハモグリバエ類

   並
   並

P3
P3

冬春イチゴ
 

うどんこ病
ハダニ類

   並
  やや少

P3
P4

かんきつ

ミカンハダニ

   並

P4


 

カンザワハダニ
 

   並
 

P4
 
○ 12月の気象予報 
  気温は平年より低い可能性が大きく、降水量及び日照時間はいずれも平年並の可能性が大きいと予想されています。
             (1か月予報 鹿児島地方気象台11/23発表)
○ 発生予報の根拠および防除対策


 

冬春キュウリ
 
1 べと病
 [予報の根拠]
 1) 11月上旬の発生面積率36.9%(平年45.9%)、発病葉率4.2%(平年7.6%)は平年よりやや少ない。
 2) 収穫最盛期は、肥料切れや樹勢の低下が起こりやすく、防除間隔も長くなりがちであることから、病勢の進展しやすい時期である。
 [防除上の注意]
 1) 多発すると防除が困難なため、予防散布あるいは発生初期の防除に重点をおく。
 2) 草勢の衰えは発生を助長するので、肥料切れを起こさないように肥培管理に注意する。
2 うどんこ病
 [予報の根拠]
 1) 11月上旬の発生面積率26.3%(平年52.8%)は平年よりやや少なく、発病葉率2.4%(平年8.3%)は平年より少ない。
 [防除上の注意]
 1) 葉裏から発生するので、葉裏を観察して、初発時にすみやかに薬剤散布を行う。
 2) 乾燥条件下で多発しやすいので、過度の乾燥を避ける。
 3) 老化すると多発する傾向にあるので、なるべく老葉は除去し透光通風をよくする。
3 灰色かび病
 [予報の根拠]
 1) 11月上旬の巡回調査では、発生は未確認である。
 [防除上の注意]
 1) ハウス内の換気をよくし、過湿防止に努める。
 2) 発生初期の防除を徹底する。なお薬剤耐性菌が出現しやすいので、作用性の異なる薬剤のローテーション散布を行う。
4 褐斑病
 [予報の根拠]
 1) 11月上旬の発生面積率21.1%(平年22.1%)、発病葉率2.5%(平年4.1%)は平年並である。
 [防除上の注意]
 1) ハウス内の換気を十分行い、灌水も過多にならないように注意し、高温多湿を防止する。
 2) 下葉の老化葉は早めに除去し、被害葉や被害残さの処理を丁寧に行う。
5 ミナミキイロアザミウマ
 [予報の根拠]
 1) 11月上旬の巡回調査では、1葉当り寄生虫数は0.1頭以下の微発生で、平年よりやや少ない。
 [防除上の注意]
 1) 多発してからの防除は著しく困難なので低密度のうちに防除を徹底する。


 

冬春ピーマン
 
1 斑点病
 [予報の根拠]
 1) 11月中旬の発生面積率9.1%(平年34.1%)、発病葉率0.2%(平年0.6%)は平年並である。
 [防除上の注意]
 1) 気温20〜25℃で、多湿のとき発生しやすいので、除湿に努める。
 2) 病原菌が侵入した後の防除は困難であるので、予防散布を行う。
2 うどんこ病
 [予報の根拠]
 1) 11月中旬の発生面積率63.6%(平年31.7%)は平年よりやや多く、発病葉率2.2%(平年2.1%)は平年並である。
 [防除上の注意]
 1) 病勢が進行すると防除が困難になるので、早期防除に努める。
3 ミナミキイロアザミウマ
 [予報の根拠]
 1) 11月中旬の発生面積率45.5%(平年61.9%)は平年よりやや少なく、10花当り寄生虫数1.8頭(平年3.0頭)は平年並である。
 [防除上の注意]
 1) 10花当り寄生虫数が1頭から被害果が見られ始め、多発してからの防除は困難なので、低密度のうちに防除を徹底する。
4 ヒラズハナアザミウマ
 [予報の根拠]
 1) 11月中旬の発生面積率36.4%(過去8年平均26.8%)、10花当り寄生虫数3.6頭(過去8年平均2.0頭)は、過去8年と比較してやや多い。
 [防除上の注意]
 1) 本虫の発育は非常に早く、多発してからの防除は困難なので、低密度のうちに防除を徹底する。


 

冬春トマト
 
1 葉かび病
 [予報の根拠]
 1) 11月中旬の巡回調査では、発生未確認である。
 [防除上の注意]
 1) 気温20〜25℃で、多湿のとき発生しやすいので、換気不良、過度の灌水、排水不良、肥料切れがおきないようにする。
2 ハモグリバエ類
 [予報の根拠]
 1) 11月中旬の発生面積率は54.5%(過去6年平均44.9%)、被害葉率は2.2%(過去6年平均5.9%)である。
 [防除上の注意]
 1) 発生を確認したらすみやかに防除を実施するとともに、被害葉を処分する。 


 

冬春イチゴ
 
1 うどんこ病
 [予報の根拠]
 1) 11月中旬の発生面積率は33.3%(過去9年平均平年30.9%)、発病葉率は1.7%(過去9年平均6.2%)である。
 [防除上の注意]
 1) はじめは葉裏に発生しやすいので発病葉の早期発見に努め、初期防除を徹底する。
 2) 激しく発病すると防除がきわめて困難になるので、予防散布に重点を置き、発病後は散布間隔を短くするなど、防除を徹底する。
 3) 発病果など被害部は伝染源になるので、早めに取り除き、ほ場内に放置しない。
2 ハダニ類
 [予報の根拠]
 1) 11月中旬の発生面積率8.3%(平年29.2%)は平年より少なく、寄生株率6.0%(平年8.8%)は平年並である。
 [防除上の注意]
 1) 株整理後の葉数が少なくなった時期に薬剤散布を行うと防除効果が高くなるが、茎葉繁茂時には散布圧を強めて、葉裏にかかるように散布する。
 2) 薬剤感受性の低下を避けるため、同一系統の薬剤の連用を避ける。


 

かんきつ
 
1 ミカンハダニ
 [予報の根拠]
 1) 11月中旬の発生面積率62.9%(平年61.7%)、寄生葉率14.9% (平年18.7%)は平年並である。
 [防除上の注意]
 1) 冬期のマシン油乳剤の防除効果は優れているので必ず実施する。
 2) 薬剤感受性の低下を避けるため、同一系統の薬剤の連用を避ける。


 

 茶 
 
1 カンザワハダニ 
 [予報の根拠]
 1) 11月中旬の発生面積率73.3%(平年47.6%)は平年より多く、寄生葉率4.1%(平年5.2%)は平年並である。
 
○ その他
1 防除等の詳細については「平成13年度病害虫、雑草防除等指導指針」を参照する。
2 農薬の使用に当たっては、農薬安全使用基準の遵守並びに危被害の発生防止に努める。特に水質汚濁性農薬ベンゾエピン剤(商品名、マリックス乳剤、粒剤等)は使用しないこと。
3 発生量(程度)の区分
  多  い   (高  い)  やや多いの外側10%の度数の入る幅
  やや多い   (やや高い)  平年並の外側20%の度数の入る幅
  平年並            平年値を中心として40%の度数の入る幅
  やや少ない  (やや低い)  平年並の外側20%の度数の入る幅
  少ない    (低  い)  やや少ないの外側10%の度数の入る幅
                (平年値は過去10年間の平均)
○ お知らせ(http://www.jppn.ne.jp/miyazaki/)
  病害虫防除所では、ホームページで情報を提供しています。予察情報の根拠となる地域別調査データ、防除対策等を登録しています。ぜひご利用ください。