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                          平成13年12月26日
 各関係機関長
 各病害虫防除員  殿
                            宮崎県病害虫防除所長
       平成13年度病害虫発生予報第9号について
 平成13年度病害虫発生予報第9号を発表したので送付します。

  平成13年度病害虫発生予報第9号
 
 向こう1か月間における農作物の主な病害虫の発生動向は、次のように予想されます。
○ 発生予報の概要


























 


作 物 名
 


 病 害 虫 名
 

発  生  量

本文での

記載ページ

  平年比

冬春キュウリ





 

べと病
うどんこ病
灰色かび病
菌核病
斑点細菌病
褐斑病
ミナミキイロアザミウマ

 やや多
  やや多
   並
   並
   並
  やや多
  やや多

P2
P2
P2
P2
P2
P2
P3

冬春ピーマン




 

うどんこ病
灰色かび病
菌核病
斑点病
ミナミキイロアザミウマ
ヒラズハナアザミウマ

  やや多
   並
   並
   並
  やや多
   並

P3
P3
P3
P3
P3
P3

冬春トマト

 

灰色かび病
葉かび病
コナジラミ類

   並
   並
   並

P4
P4
P4

冬春イチゴ

 

うどんこ病
ハダニ類
 

   並
  やや多
 

P4
P4
 
○ 1月の気象予報 
   気温は平年並か平年より低い可能性が大きく、降水量は平年より少ない可能性が大 きく、日照時間は平年より多い可能性が大きいと予想されています。
             (1か月予報 鹿児島地方気象台12/21発表)
 
 
                
 
 
                
○ 発生予報の根拠および防除対策


 

冬春キュウリ
 
1 べと病
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の発生面積率77.9%(平年61.5%)は平年より多く、発病葉率13.6%(平年14.9%)は平年並である。
 2) 収穫最盛期は、肥料切れや樹勢の低下が起こりやすく、防除がおろそかになりがちであることから、病勢の進展しやすい時期である。
 [防除上の注意]
 1) 多発すると防除が困難なため、予防散布あるいは発生初期の防除に重点をおく。
 2) 草勢の衰えは発生を助長するので、肥料切れを起こさないように肥培管理に注意する。
2 うどんこ病
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の発生面積率50.1%(平年45.4%)は平年よりやや多く、発病葉率7.8%(平年5.8%)は平年並である。
 [防除上の注意]
 1) 葉裏から発生するので、葉裏を観察して、初発時にすみやかに薬剤散布を行う。
 2) 乾燥条件下で多発しやすいので、過度の乾燥を避ける。
 3) 老化すると多発する傾向にあるので、なるべく老葉は除去し透光通風をよくする。
3 灰色かび病
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の発生面積率5.6%(平年10.6%)、発病葉率0.1%(平年0.5%)は平年並である。
 [防除上の注意]
 1) ハウス内の換気をよくし、過湿防止に努める。
 2) 発生初期の防除を徹底する。なお薬剤耐性菌が出現しやすいので、作用性の異なる薬剤のローテーション散布を行う。
4 菌核病
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の発生面積率11.0%(平年20.1%)は平年よりやや少なく、発病葉率0.4%(平年1.4%)は平年並である。
 [防除上の注意]
 1) ハウス内の多湿条件で発生が多くなるので、加温温度を高めに設定するとともに初期防除を行う。
 2) 被害茎葉・発病果は、菌核を生じないうちに早めに取り除き処分する。
5 斑点細菌病
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の発生は未確認である。
 [防除上の注意]
 1) ハウス内の多湿条件で発生が多くなるので、加温温度を高めに設定するとともに初期防除を行う。
6 褐斑病
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の発生面積率38.9%(平年32.9%)、発病葉率6.6%(平年3.2%)は平年よりやや多い。
                
 [防除上の注意]
 1) ハウス内の換気を十分行い、灌水も過多にならないように注意し、高温多湿を防止する。
7 ミナミキイロアザミウマ
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の発生面積率22.2%(平年11.3%)、1葉当たり虫数0.4頭(平年0.3頭)は平年よりやや多い。
 [防除上の注意]
 1) 多発してからの防除は著しく困難なので低密度のうちに防除を徹底する。


 

冬春ピーマン
 
1 うどんこ病
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の発生面積率81.8%(平年45.3%)、発病葉率11.3%(平年4.8%)は平年より多い。
 [防除上の注意]
 1) 病勢が進行すると防除が難しくなるので、早期防除に努める。
2 灰色かび病
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の発生は未確認である。
 [防除上の注意]
 1) 多湿条件で発生しやすいので、繁茂した茎葉の整理など環境改善に努める。
 2) 多発した後では防除が難しく耐性菌が発達しやすいので予防に重点を置く。
3 菌核病
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の発生は未確認である。
 [防除上の注意]
 1) 多湿条件のとき発生しやすいので、除湿に努める。
 2) 被害茎葉・発病果は菌核を生じないうちに取り除き処分する。
4 斑点病
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の発生面積率36.4%(平年40.4%)は平年並、発病葉率0.6%(平年3.6%)は平年よりやや少ない。
 [防除上の注意]
 1) 多湿条件のとき発生しやすいので、除湿に努める。
 2) 発病葉はハウスから持ち出し処分する。
5 ミナミキイロアザミウマ
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の発生面積率63.6%(平年49.1%)は平年よりやや多く、10花当り寄生虫数1.7頭(平年2.4頭)は平年並である。
 [防除上の注意]
 1) 10花当り寄生虫数が1頭から被害果が見られ始め、多発してからの防除は困難なので、低密度のうちに防除を徹底する。
6 ヒラズハナアザミウマ
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の発生面積率36.4%(過去7年平均43.7%)、10花当り寄生虫数3.4頭(過去7年平均4.5頭)は、過去7年平均と比較して並である。
 [防除上の注意]
 1) 本虫の発育は非常に早く、多発してからの防除は困難なので、低密度のうちに防除を徹底する。


 

冬春トマト
 
1 灰色かび病
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の巡回調査では、発生未確認である。
 [防除上の注意]
 1) 多湿条件で発生しやすいので、ハウス内の換気をはかり多湿を避ける。
 2) 被害果、茎葉、花弁は伝染源になるので早めに除去処分する。
2 葉かび病
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の発生面積率9.1%(平年4.9%)、被害葉率0.2%(平年0.1%)は平年並である。
 [防除上の注意]
 1) 多湿条件で発生しやすいので、換気をはかり多湿を避ける。
 2) 予防散布に重点を置き、発病が認められた場合は初期防除を徹底する。
3 コナジラミ類
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の巡回調査では5ほ場で発生を確認したものの、100葉当たり1〜2頭の微発生である。
 [防除上の注意]
 1) 発生を確認したらすみやかに防除を実施する。
 2) コナジラミの種類によって有効薬剤が異なるので注意する。
 3) 各ステージ(成虫、幼虫、卵)が混在している場合、ステージによって有効薬剤  が異なるので薬剤の選択に注意する。オンシツコナジラミ及びタバココナジラミの  両方に登録のある農薬は、アプロード水和剤(幼虫)、トレボン乳剤、モスピラン水溶剤、チェス水和剤などがある。


 

冬春イチゴ
 

   
 
1 うどんこ病
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の発生面積率は33.3%(平年45.3%)は平年並、発病葉率2.1%(平年4.0%)は平年よりやや少ない。
 [防除上の注意]
 1) はじめは葉裏に発生しやすいので発病葉の早期発見に努め、初期防除を徹底する。
 2) 激しく発病すると防除がきわめて困難になるので、予防散布に重点を置き、発病後は散布間隔を短くするなど、防除を徹底する。
 3) 発病果など被害部は伝染源になるので、早めに取り除き、ほ場内に放置しない。
2 ハダニ類
 [予報の根拠]
 1) 12月中旬の発生面積率41.7%(平年35.8%)、寄生株率4.5%(平年7.3%)は平年並である。
 [防除上の注意]
 1) 株整理後の葉数が少なくなった時期に薬剤散布を行うと防除効果が高くなるが、茎葉繁茂時には散布圧を強めて葉裏にかかるように散布する。
 2) 薬剤感受性の低下を避けるため、同一系統の薬剤の連用を避ける。
 
 
○ その他
1 防除等の詳細については「平成13年度病害虫、雑草防除等指導指針」を参照する。
2 農薬の使用に当たっては、農薬安全使用基準の遵守並びに危被害の発生防止に努める。特に水質汚濁性農薬ベンゾエピン剤(商品名、マリックス乳剤、粒剤等)は使用しないこと。
3 発生量(程度)の区分
  多  い     (高  い)   やや多いの外側10%の度数の入る幅
  やや多い   (やや高い)  平年並の外側20%の度数の入る幅
  平年並              平年値を中心として40%の度数の入る幅
  やや少ない  (やや低い) 平年並の外側20%の度数の入る幅
  少ない      (低  い)  やや少ないの外側10%の度数の入る幅
                  (平年値は過去10年間の平均)
○ お知らせ(http://www.jppn.ne.jp/miyazaki/)
  病害虫防除所では、ホームページで情報を提供しています。予察情報の根拠となる地域別調査データ、防除対策等を登録しています。