6331−105
                           平成14年9月27日
 各関係機関の長
 各病害虫防除員  殿
                           宮崎県病害虫防除所長
       平成14年度病害虫発生予報第6号について
 平成14年度病害虫発生予報第6号を発表したので送付します。

  平成14年度病害虫発生予報第6号
 
 向こう1か月間における農作物の主な病害虫の発生動向は、次のように予想されます。
○ 発生予報の概要


























 


作 物 名
 


 病 害 虫 名
 

 発 生 量 の

  平年比


記載ページ
 

露地きゅうり

 

べと病
褐斑病
うどんこ病

   並
   並
   並




施設きゅうり

モザイク病(急性萎凋症)

   並


施設野菜・花き類
 

アブラムシ類
ハスモンヨトウ等鱗翅目害虫
アザミウマ類

   並
   並
   並




かんきつ

ミカンハダニ

  やや多


果樹全般

カメムシ類

  やや多









 

炭疽病
チャノコカクモンハマキ
チャハマキ
チャノホソガ
カンザワハダニ
チャノミドリヒメヨコバイ
チャノキイロアザミウマ
 

   並
   並
   並
   並
  やや多
   並
   並
 








 
作物の生育状況(9月中旬)
  普通期水稲は乳熟期〜黄熟期、露地キュウリは中山間地域では収穫終期、沿海地帯では収穫始期、温州みかんは収穫期、茶は秋芽生育期であった。
10月の気象予報 
  気温は平年並、降水量は平年並か少なく、日照時間は平年並か多い可能性が高いと予想されています。 
           (1か月予報 鹿児島地方気象台9/20発表)
○ 発生予報の根拠および防除対策


 

露地きゅうり
 
1 べと病
 [予報の根拠]
 1) 9月中旬の発生面積率76.9%(平年63.3%)、発病葉率17.5%(平年13.0%)は平年よりやや多い。
 2) 10月の気温は平年並、降水量は平年並か少ないと予想されている。 
 [防除上の注意]
 1) 多発すると防除が困難なため、予防散布あるいは発生初期の防除に重点をおく。
 2) 草勢の衰えは発生を助長するので、肥料切れしないように肥培管理に注意する。
2 褐斑病
 [予報の根拠]
 1) 9月中旬の発生面積率46.2%(平年48.1%)、発病葉率6.0%(平年7.1%)は平年並である。
 [防除上の注意]
 1) 多発してからの防除は困難なので、初期防除を徹底する。
 2) 昨年多発したほ場では特に注意する。
 3) 排水を良くし、窒素質肥料の多用は避ける。
3 うどんこ病
 [予報の根拠]
 1) 9月中旬の発生面積率23.1%(平年42.2%)は平年より少なく、発病葉率2.1%(平年4.4%)は平年よりやや少ない。
 2) 10月の気温は平年並、降水量は平年並か少ないと予想されている。 
 [防除上の注意]
 1) 病原菌は葉裏から侵入するので、葉裏にかけむらがないように防除する。
 2) 被害が広がると防除しにくいので、発病を確認したら早めに防除する。
 3) 発病葉はほ場から持ち出し地中に埋めるなどの処理をする。


 

施設きゅうり
 
1 モザイク病(急性萎凋症)
 [予報の根拠]
 1) 9月中旬の巡回調査では露地きゅうりでの発生は未確認である。
 [防除上の注意]
 1) アブラムシによって媒介されるウイルス病であり、発病してからでは手遅れとなるので育苗期からアブラムシの防除を徹底する。
 2) 施設の開口部には、寒冷紗やネットを張り、アブラムシの飛来を防止する。


 

施設野菜・花き類
 
1 アブラムシ類
 [予報の根拠]
 1) 9月中旬の露地きゅうりにおける発生は13ほ場中2ほ場であるが、いずれも葉当り虫数0.5頭以下の微発生で平年並である。
 [防除上の注意]
 1) 定期的な防除を実施する。
 2) 作用性の異なる薬剤のローテーション散布を行う。
2 ハスモンヨトウ等鱗翅目害虫
 [予報の根拠]
 1) 9月中旬の露地きゅうりにおける発生は未確認である。
 2) 西都市茶臼原に設置したフェロモントラップでの誘殺数は、ハスモンヨトウについては9月に入って平年よりやや少なくなっているが、タバコガ及びオオタバコガ  については平年並である。
 [防除上の注意]
 1) 幼虫が大きくなると薬剤が効きにくくなるので、早期発見に努め若令幼虫期に防除する。
3 アザミウマ類
 [予報の根拠]
 1) 9月中旬の露地きゅうりにおける発生は、13ほ場中1ほ場であるが、葉当り虫数0.2頭以下の微発生で平年並である(平年値は発生面積率12.5%、葉当り  虫数0.2頭)。
[防除上の注意]
 1) 多発してからの防除は著しく困難なので低密度のうちに防除を徹底する。


 

かんきつ
 
1 ミカンハダニ
 [予報の根拠]
 1) 9月中旬の発生面積率40.7%(平年41.4%)は平年並、寄生葉率14.3%(平年10.6%)は平年よりやや多い。
 [防除上の注意]
 1) 果実に寄生すると収穫果実の外観を損なうので防除を徹底する。
 2) 生息密度が高くなると防除効果が劣るので、寄生葉率30%、10葉当たり虫数5〜10頭を目安に、増殖初期に防除を行う。


 

果樹全般
 


          
1 カメムシ類
 [予報の根拠]
 1) 予察灯での誘殺数は、9月に入ってから国富、佐土原、都城で平年より多くなっている。
 2) フェロモントラップでのツヤアオカメムシ誘殺数は、9月に入ってから延岡、都農で増加し、前年・前々年より多くなっている。 
 [防除上の注意]
 1) 加害時期や発生量は場所による変動が大きいので、早期発見、早期防除に努める。
 2) 詳細については病害虫発生予察注意報第7号(平成14年8月15日発表)参照。


 

 茶 
 
1 炭疽病
 [予報の根拠]
 1) 9月中旬の発生面積率52.6%(平年56.3%)、u当り病葉数5.8(平年6.9)は平年並である。
  [防除上の注意]
 1) 病原菌は開葉して間もない軟らかい新芽にしか進入できないので、新芽の生育期が防除適期である。
 2) 秋季の発生は秋芽の充実を損ない、来年の一番茶の品質収量に悪い影響を与え、伝染源にもなるので徹底した防除が必要である。
2 チャノコカクモンハマキ
 [予報の根拠]
 1) 9月中旬のほ場での発生は未確認である。
 2) フェロモントラップでの誘殺数は、平年よりやや少ない傾向にある。
 [防除上の注意]
 1) 防除適期は、成虫発生最盛期の7日〜10日後のふ化後間もない若齢幼虫期である。成長すると葉をとじ合わせ防除効果が落ちる。
3 チャハマキ
 [予報の根拠]
 1) 9月中旬のほ場での発生は未確認である。
 2) フェロモントラップでの誘殺数は、平年よりやや少ない傾向にある。
 [防除上の注意]
 1) 防除適期は、成虫発生最盛期の7日〜10日後のふ化後間もない若齢幼虫期である。成長すると葉をとじ合わせ防除効果が落ちる。
4 チャノホソガ
 [予報の根拠]
 1) 9月中旬の発生面積率63.2%(平年55.6%)は平年並、u当たり巻葉数2.1(平年3.5)は平年よりやや少ない。
5 カンザワハダニ 
 [予報の根拠]
 1) 9月中旬の発生面積率36.8%(平年30.3%)、寄生葉率2.8%(平年2.1%)は平年よりやや多い。
 [防除上の注意]
 1) 同一薬剤の連用を避け、作用性の異なる薬剤のロ−テ−ション散布を実施する。
6 チャノミドリヒメヨコバイ
 [予報の根拠]
 1) 払い落とし調査による9月中旬の発生面積率57.9%(平年48.9%)、払い落とし虫数2.9頭(平年2.2頭)は平年並である。 
 [防除上の注意]
7 チャノキイロアザミウマ
 [予報の根拠]
 1) 払い落とし調査による9月中旬の発生面積率31.6%(平年44.9%)は平年並、払い落し虫数0.5頭(平年6.7頭)は平年より少ない。
 その他
1 防除等の詳細については「平成14年度病害虫、雑草防除等指導指針」を参照する。
2 農薬の使用に当たっては、農薬安全使用基準の遵守並びに危被害の発生防止に努める。特に水質汚濁性農薬ベンゾエピン剤(商品名、マリックス乳剤、粒剤等)は使用 しないこと。
3 発生量(程度)の区分
  多  い     (高  い)    やや多いの外側10%の度数の入る幅
  やや多い   (やや高い)  平年並の外側20%の度数の入る幅
  平年並               平年値を中心として40%の度数の入る幅
  やや少ない  (やや低い)  平年並の外側20%の度数の入る幅
  少ない      (低  い)   やや少ないの外側10%の度数の入る幅
                        (平年値は過去10年間の平均)
○ お知らせ
  病害虫防除所では、ホームページで情報を提供しています。予察情報の根拠となる地域別調査データ、防除対策等を登録しています。ぜひご利用ください。
  ホームページ  http://www.jppn.ne.jp/miyazaki/
  E−mail  miyabou@blue.ocn.ne.jp
(最近の追加登録内容)
 ・チャのハマキ類のフェロモンデータ
 ・ハスモンヨトウ・タバコガ・オオタバコガのフェロモンデータ