6331−126
平成14年10月25日
各関係機関の長
各病害虫防除員 殿
宮崎県病害虫防除所長
平成14年度病害虫発生予報第7号について
平成14年度病害虫発生予報第7号を発表したので送付します。
平成14年度病害虫発生予報第7号
向こう1か月間における農作物の主な病害虫の発生動向は、次のように予想されます。
○ 発生予報の概要
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作 物 名
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病 害 虫 名
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発 生 量 の
平年比 |
記載ページ
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施設野菜類
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アブラムシ類
ハスモンヨトウ等鱗翅目害虫
ハモグリバエ類 |
並
並
やや多 |
2
2
2 |
冬春きゅうり
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べと病
うどんこ病
褐斑病
ミナミキイロアザミウマ |
並
並
並
並 |
2
2
3
3 |
冬春ピーマン
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斑点病
うどんこ病
ミナミキイロアザミウマ |
並
並
並 |
3
3
3 |
冬春トマト
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葉かび病
コナジラミ類 |
並
並 |
3
4 |
冬春イチゴ
|
うどんこ病
炭疽病
ハダニ類 |
並
並
並 |
4
4
4 |
かんきつ |
ミカンハダニ |
やや多 |
4 |
茶
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カンザワハダニ
|
やや多
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5
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○ 作物の生育状況(10月中旬)
冬春キュウリは定植直後から収穫初期、冬春ピーマンは定植直後、冬春トマトは生育初期、冬春イチゴは定植直後、温州みかんは収穫期、茶は秋芽生育期であった。
○ 11月の気象予報
気温は平年並か平年より低く、降水量・日照時間は平年並と予想されています。
(1か月予報 鹿児島地方気象台10/18発表)
○ 発生予報の根拠および防除対策
1 アブラムシ類
[予報の根拠]
1) 佐土原町に設置した黄色水盤トラップによる誘殺数は、平年よりやや少ない。
2) イチゴでの10月中旬の発生面積率16.6%(平年23.1%)、寄生株率3.3%(平年4.3%)は平年並である。
[防除上の注意]
1) キュウリやピーマンにモザイク病を伝染させるので有翅虫の飛来を防止するとともに定期的に防除する。
2) 作用性の異なる薬剤のローテーション散布を行う。
2 ハスモンヨトウ等鱗翅目害虫
[予報の根拠]
1) フェロモントラップでの誘殺数は、ハスモンヨトウ、タバコガ及びオオタバコガとも平年並である。
2) 露地キュウリでの10月中旬の発生面積率50.0%(平年33.8%)、被害葉率2.5%(平年4.4%)は平年並である。
[防除上の注意]
1) 幼虫が大きくなると薬剤が効きにくくなるので、早期発見に努め若令幼虫期に防除する。
3 ハモグリバエ類(マメハモグリバエ、トマトハモグリバエ)
[予報の根拠]
1) 冬春トマトでは10月中旬の発生面積率70.0%(過去8か年平均48.1%)はやや多く、被害葉率1.3%(過去8か年平均8.8%)は平年並である。
[防除上の注意]
1) 発生を確認したらすみやかに防除を実施するとともに、被害葉を処分する。
1 べと病
[予報の根拠]
1) 10月中旬の発生面積率11.8%(平年25.3%)、発病葉率0.2%(平年3.6%)は平年並である。
[防除上の注意]
1) 多発すると防除が困難なため、予防あるいは初期防除に重点をおく。
2) 草勢の衰えは発生を助長するので、肥料切れしないように肥培管理に注意する。
2 うどんこ病
[予報の根拠]
1) 10月中旬の発生面積率23.5%(平年41.5%)、発病葉率1.1%(平年5.7%)は平年よりやや少ない。
2) 11月の気温は平年並か平年より低く、降水量・日照時間は平年並と予想されている。
[防除上の注意]
1) 葉裏から発生するので、葉裏を観察して、初発時にすみやかに薬剤散布を行う。
2) 老化すると多発する傾向にあるので、なるべく老葉は除去し透光通風をよくする。
3 褐斑病
[予報の根拠]
1) 10月中旬の巡回調査では発生未確認である。
(平年値は発生面積率22.9%、発病葉率2.3%)
[防除上の注意]
1) 多発してからの防除は困難なので、初期防除を徹底する。
2) 換気をはかり、高温多湿にならないように努める。
3) 窒素質肥料の多用は避ける。
4 ミナミキイロアザミウマ
[予報の根拠]
1) 10月中旬の巡回調査では16.7%のほ場で発生を確認したが、いずれも1葉当り寄生虫数は0.1頭以下の微発生で、平年並の発生である。
[防除上の注意]
1) 多発してからの防除は著しく困難なので低密度のうちに防除を徹底する。
1 斑点病
[予報の根拠]
1) 10月中旬の巡回調査では発生未確認である。
(平年値は発生面積率22.9%、発病葉率2.3%)
[防除上の注意]
1) 気温20〜25℃で、多湿のとき発生しやすいので、除湿に努める。
2) 病原菌が侵入した後の防除は困難であるので、予防散布を行う。
2 うどんこ病
[予報の根拠]
1) 10月中旬の巡回調査では発生未確認である。
(平年値は発生面積率7.8%、発病葉率0.3%)
[防除上の注意]
1) 乾燥した状態で発生しやすいので、乾燥させすぎないようにする。
2) 病勢が進展してからの防除は困難なので早期発見に努め、発生後は散布間隔を短くするなど徹底した防除を行う。
3 ミナミキイロアザミウマ
[予報の根拠]
1) 10月中旬の発生面積率18.2%(平年34.9%)、10花当り寄生虫数0.2頭(平年0.8頭)は平年並である。
[防除上の注意]
1) 10花当り寄生虫数が1頭から被害果が出始める。また多発してからの防除は困難なので、低密度のうちに防除を徹底する。
1 葉かび病
[予報の根拠]
1) 10月中旬の巡回調査では発生未確認である。
[防除上の注意]
1) 気温20〜25℃で、多湿のとき発生しやすいので、除湿に努める。
2) 密植を避け、肥料切れしないように注意する。
2 コナジラミ類
[予報の根拠]
1) 10月中旬の巡回調査では30.0%のほ場で発生を確認したが、いずれも1葉当り寄生虫数は0.5頭以下の微発生で、平年並の発生である。
[防除上の注意]
1) ハウス開口部に寒冷紗を設置して侵入を防止する。
2) 発生初期の把握と捕殺を兼ねて黄色粘着トラップを設置する。
3) ラノーテープの設置は定植直後あるいは発生初期が効果的である。
4) コナジラミ類の発生を確認したらすみやかに防除する。
5) トマト黄化葉巻病はシルバーリーフコナジラミによって他の株へ伝染するので、発病株は早期に抜根し、ほ場から持ち出し埋没処分する。
1 うどんこ病
[予報の根拠]
1) 10月中旬の発生面積率8.3%(平年16.2%)、発病葉率1.6%(平年2.6%)は平年並である。
[防除上の注意]
1) はじめ葉裏に発生しやすいので初期発生の発見に努め、初期防除を徹底する。
2) 激しく発病すると防除がきわめて困難になるので、予防に重点を置き、発病後は散布間隔を短くするなど、発病初期の防除を徹底する。
3) 発病果など被害部は伝染源になるので、早めに取り除き、ほ場内に放置しない。
2 炭疽病
[予報の根拠]
1) 10月中旬の巡回調査では発生未確認であるが、平年並である。
(平年値は発生面積率8.7%、発病株率0.5%)
[防除上の注意]
1) 換気を良くして、一度に多かん水しない。
2) 被害茎葉はほ場から持ち出し処分する。
3 ハダニ類
[予報の根拠]
1) 10月中旬の発生面積率16.7%(平年27.8%)、寄生株率4.0%(平年5.6%)は平年並である。
[防除上の注意]
1) 収穫期に寄生数が増加してからの防除は困難なので、低密度時から防除を徹底する。
2) 株整理後の葉数が少なくなった時期に薬剤散布を行うと防除効果が高くなる。茎葉繁茂時には散布圧を強めて、葉裏に良くかかるように散布する。
3) 薬剤感受性の低下を避けるため、同一系統の薬剤の連用を避ける。
1 ミカンハダニ
[予報の根拠]
1) 10月中旬の発生面積率66.6%(平年45.7%)、寄生葉率23.1%(平年15.5%)は平年よりやや多い。
[防除上の注意]
1) 薬剤感受性の低下を避けるため、同一系統の薬剤の連用を避ける。
1 カンザワハダニ
[予報の根拠]
1) 10月中旬の発生面積率26.3%(平年37.3%)は平年並、寄生葉率3.5%(平年4.7%)は平年よりやや多い。
○ その他
1 防除等の詳細については「平成14年度病害虫、雑草防除等指導指針」を参照する。
2 農薬の使用に当たっては、農薬安全使用基準の遵守並びに危被害の発生防止に努める。特に水質汚濁性農薬ベンゾエピン剤(商品名、マリックス乳剤、粒剤等)は使用 しないこと。
3 発生量(程度)の区分
多 い (高 い) やや多いの外側10%の度数の入る幅
やや多い (やや高い) 平年並の外側20%の度数の入る幅
平年並 平年値を中心として40%の度数の入る幅
やや少ない (やや低い) 平年並の外側20%の度数の入る幅
少ない (低 い) やや少ないの外側10%の度数の入る幅
(平年値は過去10年間の平均)
○ お知らせ
病害虫防除所では、ホームページで情報を提供しています。予察情報の根拠となる地域別調査データ、防除対策等を登録しています。
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ホームページ http://www.jppn.ne.jp/miyazaki/
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