6331−17

                           平成15年4月28日

 各関係機関の長

 各病害虫防除員  殿

                            宮崎県病害虫防除所長

       平成15年度病害虫発生予報第1号について

 平成15年度病害虫発生予報第1号を発表したので送付します。


  平成15年度病害虫発生予報第1号

 向こう1か月間における農作物の主な病害虫の発生動向は、次のように予想されます。

○ 発生予報の概要








































 



作 物 名
 



 病 害 虫 名
 


発 生 量 の

平 年 比



記載ページ
 


早期水稲

 


葉いもち
イネミズゾウムシ
スクミリンゴガイ


   並
   並
   並


 2
 2
 2


冬春きゅうり
(半促成)

 


べと病
うどんこ病
褐斑病
ミナミキイロアザミウマ


   並
   並
  やや多
  やや少


 2
 2
 3
 3


冬春ピ−マン


 


うどんこ病
青枯病
ミナミキイロアザミウマ
ヒラズハナアザミウマ


   並  
   ―
   並
   並 


 3
 3
 3
 3


冬春トマト


 


葉かび病
トマト黄化葉巻病(TYLCV)
コナジラミ類
ハモグリバエ類


  やや多
   ―
   並
   並


 3
 3
 4
 4


野菜・工芸作
物全般


アブラムシ類
ハスモンヨトウ


   並
   並


 4
 4


かんきつ


 


そうか病
かいよう病
灰色かび病
ミカンハダニ


   並
   並
   並
   並


 4
 4
 4
 5









 


炭疽病
カンザワハダニ
チャノコカクモンハマキ
チャハマキ
チャノミドリヒメヨコバイ
チャノキイロアザミウマ
クワシロカイガラムシ
 


   並
   並
   並
  やや多
   並
   並
   ―
 


 5
 5
 5
 5
 5
 5
 6
 

○ 作物の生育状況(4月中旬)

  早期水稲は4月1半旬に雨が続いたため一部でやや軟弱気味となったが全体的には平年並であった。冬春キュウリ・冬春ピーマン・冬春トマトは収穫期、かんきつは新梢伸長期、茶は萌芽期〜発芽展開期であった。

○ 5月の気象予報 

  天気は周期的に変わり、平年と同様に曇りや雨の日が多く、気温・降水量・日照時間は平年並の見込みである。  (1か月予報 鹿児島地方 気象台4/18発表)

○ 発生予報の根拠および防除対策



 


 早期水稲
 

1 葉いもち

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の稲の草丈・葉令は平年並である。

 2) 5月の気温・降水量は平年並と予想されている。

 [防除上の注意]

 1) 補植用の取り置き苗は葉いもちが発生しやすく、本田への伝染源になりやすいので補植が終わったら処分する。

 2) 曇雨天が続く場合はあらかじめ粒剤を施用するか、または葉いもちの早期発見に務め、病斑が認められたら直ちに粉剤または液剤で防除する。

 3) 同一系統の薬剤の連用は、薬剤耐性菌が発生しやすいので避ける。

2 イネミズゾウムシ

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の発生面積率33.4%(平年41.1%)、百株当たり成虫数2.3頭(平年5.3頭)は平年並である。

 [防除上の注意]

 1) 成虫が10株当たり5頭以上のほ場では、粒剤の水面施用を行う。水面施用に当たっては水管理に十分注意し、水深が3p程度になるように調整し、少なくとも4日間はかけ流しや落水はしない。

3 スクミリンゴガイ

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の発生面積率12.5%(平年14.9%)、u当たり貝数0.2頭(平年1.0頭)は平年並である。

 [防除上の注意]

 1) 水田の入排水口には金網を張り、貝の侵入を防止する。

 2) 貝の生息数が多い場合は、捕殺するか粒剤の水面施用を行う。

 3) 粒剤の水面施用に際しては水管理に十分注意し、水深が3cm程度になるように調整し、少なくとも4日間はかけ流し、落水はしない。



 


冬春きゅうり(半促成)
 

1 べと病

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の発生面積率87.5%(平年81.3%)、発病葉率22.6%(平年21.7%)は平年並である。

 [防除上の注意]

 1) ハウス内の換気を良くし、高温多湿にならないように注意する。

 2) 肥料切れやなり疲れによる草勢の衰えは発生を助長するので肥培管理に注意する。

2 うどんこ病

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の発生面積率37.5%(平年29.0%)、発病葉率6.5%(平年5.0%)は平年並である。

 [防除上の注意]

 1) 整枝・誘引・老化葉の摘葉等を行い、採光・通風を良くする。

 2) 耐性菌の発達を避けるため、同一系統薬剤の連用を避け、作用性の異なる薬剤を輪番で使用する。

3 褐斑病

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の発生面積率50.0%(平年29.2%)は平年よりやや多く、発病葉率3.6%(平年4.5%)は平年並である。

4 ミナミキイロアザミウマ

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の巡回調査では、1ほ場で発生を確認したものの、葉当り虫数0.5頭以下の微発生である。

 [防除上の注意]

 1) 収穫の終わった発生ハウスは陽熱利用による蒸し込みを行って死滅させる。



 


冬春ピ−マン
 

1 うどんこ病

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の発生面積率45.5%(平年44.3%)、発病葉率2.6%(平年6.6%)は平年並である。

 [防除上の注意]

 1) ハウス内の換気を良くし、高温にならないように注意する。

 2) 茎葉が過繁茂にならないように整枝を行い、発病葉は除去する。

2 青枯病

 [防除上の注意]

 1) 常発地では、ほ場の排水をよくする、クロルピクリンや太陽熱を利用して土壌消毒する等、耕種的、物理的、化学的防除を組み合わせて総合的に防除する。

3 ミナミキイロアザミウマ

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の発生面積率36.4%(平年35.6%)は平年並、10花当たり虫数1.0頭(平年2.4頭)は平年よりやや少ない。

 [防除上の注意]

 1) 本虫は薬剤抵抗性が発達しやすいので、同一薬剤の連用を避け、作用性の異なる薬剤の輪番で使用する。

4 ヒラズハナアザミウマ

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の発生面積率36.4%(過去8か年平均30.9%)、10花当たり虫数5.9頭(過去8か年平均4.3頭)は、過去8か年平均並である。

 [防除上の注意]

 1) 本虫の薬剤感受性はミナミキイロアザミウマとは異なるので、多発生時には薬剤の種類を変更して様子をみる。



 


冬春トマト
 

1 葉かび病

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の発生面積率40.0%(平年9.9%)、発病葉率7.3%(平年1.9%)は平年よりやや多い。

2 トマト黄化葉巻病(TYLCV)

 [防除上の注意]

 1) トマト黄化葉巻病はシルバーリーフコナジラミによって他の株に伝染するので、発病株は見つけ次第抜根し、ほ場から持ち出し埋没処分する。

 2) ほ場内外の雑草はシルバーリーフコナジラミの寄主植物となるので除草を徹底する。

 3) 栽培終了後はコナジラミ類防除後に株を抜き取り、10日間程度施設を密閉して本虫を死滅させた後、残さを処分する。

3 コナジラミ類

  [予報の根拠]

 1) 4月中旬の発生面積率10.0%(平年13.1%)は平年並、10葉当たり虫数0.8頭(平年1.9頭)は平年よりやや少ない。

 ハモグリバエ類

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の発生面積率30.0%(過去8か年平均28.2%)、寄生葉率5.5%(過去8か年平均7.3%)は過去8か年平均並である。

 [防除上の注意]

 1) 多発してからの防除は困難なので、被害葉の焼却処分及び初期防除に努める。

 2) 栽培終了後は、土壌全面をビニルマルチで覆うかハウスを蒸し込んで死滅させる。



 


野菜、工芸作物全般
 

1 アブラムシ類

 [予報の根拠]

 1) 黄色水盤トラップによる有翅虫誘殺数(佐土原町)は、平年並である。 

2 ハスモンヨトウ

 [予報の根拠]

 1) フェロモントラップによる誘殺数(西都市、都城市)は、平年並である。



 


かんきつ
 

1 そうか病

 [予報の根拠]

 1) 3月中旬の越冬葉調査では、1ほ場で確認したものの微発生である。

 2) 4月中旬の新葉調査では、発生未確認である。

 3) 5月の降水量は平年並と予想されている。

 [防除上の注意]

 1) 防除適期は萌芽期・落花期・幼果期である。

2 かいよう病

 [予報の根拠]

 1) 3月中旬の越冬葉調査では、発生未確認である。 

 2) 4月中旬の新葉調査では、発生未確認である。

 3) 5月の降水量は平年並と予想されている。

 [防除上の注意]

 1) 防除適期は開花直前、落花後、梅雨期、秋芽生育期である。

3 灰色かび病

 [予報の根拠]

 1) 本年は表年で、開花数は多いと予想される。 

 2) 5月の降水量は平年並と予想されている。

 [防除上の注意]

 1) 防除適期は落弁期〜幼果期である

 2) 幼果表面に付着した発病花弁から幼果に伝染するので、枝をゆするなどしてできるだけ花弁の離脱を促す。

 

4 ミカンハダニ

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の巡回調査では、一部で甚〜多発生のほ場が認められたため、発生面積率29.3%(平年22.3%)は平年よりやや多く、寄生葉率7.5%(平年3.  2%)は平年より多くなったが、一部の地域を除くと全体的に発生程度は低く、今後も平年並を上回ることはないと予想される。

 [防除上の注意]

 1) 生息密度が高くなると防除が困難になるので、寄生葉率30%(1葉当たり虫数 0.5〜1頭)を目安に防除を行う。



 


 茶 
 

1 炭疽病

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の発生面積率13.3%(平年40.5%)、u当たり病葉数0.2(平年3.1)は平年よりやや少ない。

 2) 5月の降水量は平年並と予想されている。

2 カンザワハダニ

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の発生面積率53.3%(平年52.8%)は平年並、寄生葉率3.2%(平年7.3%)は平年よりやや少ない。

 [防除上の注意]

 1) 同一薬剤の連用を避け、作用性の異なる薬剤のロ−テ−ション散布を実施する。

 2) 合ピレ剤の春季使用はリサ−ジェンスが発生しやすいので注意する。

3 チャノコカクモンハマキ

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の巡回調査では発生未確認である。

 [防除上の注意]

 1) フェロモントラップによる誘殺状況では、都城では4月5〜6半旬に発蛾最盛期になると考えられる。

 2) 顆粒病ウイルスによる防除適期は、第1世代に対しては越冬世代の発蛾最盛期の17日後、第2世代に対しては第1世代の発蛾最盛期の10日後である。

4 チャハマキ

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の発生面積率6.7%(平年1.2%)、u当り巻葉数0.1(平年0.0)は平年よりやや多い。

 [防除上の注意]

 2) フェロモントラップによる誘殺状況では、都城では4月6半旬頃に発蛾最盛期になると考えられる。

 1) 発蛾最盛期を確認して、チャノコカクモンハマキの発蛾最盛期と10日以上差がなければ、チャノコカクモンハマキと同時に防除する。

5 チャノミドリヒメヨコバイ

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の払い落し調査による発生面積率6.7%(平年6.9%)、払落虫数0.1頭(平年0.1頭)は平年並である。

6 チャノキイロアザミウマ

 [予報の根拠]

 1) 4月中旬の払い落し調査による発生面積率40.0%(平年34.9%)、払い落とし虫数0.9頭(平年2.9頭)は、平年並である。

 [防除上の注意]

 1) 例年、2番茶期から発生が増えてくるので注意する。

7 クワシロカイガラムシ

 [防除上の注意]

 1) 第2世代幼虫の防除適期は幼虫ふ化開始から1週間後、または幼虫ふ化最盛期であるが、第1世代の幼虫ふ化は平年より4〜5日早くなっているので、ふ化状況を  よく観察し防除する。

 2) 薬剤散布は量を多めに(10a当たり1,000リットル)、枝幹に十分かかるようていねいに行う。

 

 その他

1 防除上の留意点等については、「平成14年度病害虫・雑草防除等指導指針」を参照するが、農薬適用の有無などについては次のホームページで確認する。

  日本植物防疫協会ホームページ http://jppn.ne.jp

  農林水産省ホームページ    http://www.maff.go.jp/nouyaku/

2 農薬の使用に当たっては、農薬安全使用基準の遵守並びに危被害の発生防止に努める。特に水質汚濁性農薬ベンゾエピン剤(商品名、マリックス乳剤、粒剤等)は使用しないこと。

3 発生量(程度)の区分

  多  い     (高  い)    やや多いの外側10%の度数の入る幅

  やや多い   (やや高い)  平年並の外側20%の度数の入る幅

  平年並                平年値を中心として40%の度数の入る幅

  やや少ない  (やや低い)  平年並の外側20%の度数の入る幅

  少ない      (低  い)   やや少ないの外側10%の度数の入る幅

                       (平年値は過去10年間の平均)

○ お知らせ(http://www.jppn.ne.jp/miyazaki/)

  病害虫防除所では、ホームページで情報を提供しています。予察情報の根拠となる地域別調査データ、防除対策等を登録しています。ぜひご利用ください。


  農薬取締法が改正されました。
  昨年、無登録農薬が全国的に流通し、使用されている実態が明らかとなり、国民の「食」に対する信頼を損なう大きな問題となりました。
  このため、昨年12月に農薬取締法が改正され、本年3月10日から施行されました。
  主な改正点は、
  @ 無登録農薬の製造、輸入、使用の禁止(販売は従来から禁止)
  A 農薬使用基準に違反する農薬使用の禁止
  B 罰則の強化
 等があり、農薬を製造・輸入・販売・使用する
すべての国民に関係する内容です。
  農家だけでなく、
家庭菜園や花壇や芝の手入れをする方であっても、農林水産省の登録番号のある安全性の確保された農薬を、ラベルをよく読んで使うことが必要です。