6011−1222
                            平成30年5月24日
 
 各関係機関の長
 各病害虫防除員  殿
 
                     宮崎県病害虫防除・肥料検査センター所長
 
       平成30年度病害虫発生予報第2号について
 平成30年度病害虫発生予報第2号を発表したので送付します。

平成30年度病害虫発生予報第2号
 向こう1か月間における農作物の主な病害虫の発生動向は、次のように予想されます。
○ 発生予報の概要


 作 物 名
 


病 害 虫 名
 

発生量の
  
平 年 比

記 載

ページ

早期水稲
 

1 葉いもち
2 斑点米カメムシ類





普通期水稲
 

1 葉いもち
2 スクミリンゴガイ





野菜・工芸作物 全般

1 アブラムシ類
2 ハスモンヨトウ

やや少
やや多



施設野菜  

 

1 土壌病害虫
2 コナジラミ類・アザミウマ類・
 アブラムシ類



      



 

いちご(親株)

1 ハダニ類 

やや少


果樹全般 

1 果樹カメムシ類



カンキツ
(露地栽培)
      


 

1 そうか病
2 かいよう病
3 黒点病
4 ミカンハダニ
5 ミカンハモグリガ
6 アブラムシ類

やや多











茶    




       


 

1 炭疽病
2 カンザワハダニ
3 チャノコカクモンハマキ
4 チャハマキ
5 チャノホソガ
6 チャノミドリヒメヨコバイ
7 チャノキイロアザミウマ 
8 クワシロカイガラムシ
 






やや多


 









 
 
 
○ 作物の生育状況(5月中旬)
  早期水稲は分けつ期、うんしゅうみかんは落弁期〜果実肥大期、茶は二番茶摘採前であった。
 
 
 
 
 
 
○ 向こう1か月の気象予報  
 
    向こう1か月の気温、降水量、日照時間の各階級の確率(%) 








 

要 素

低い(少ない)

  平年並

 高い(多い)

気 温

20

40

40

降水量

20

40

40

日照時間
 

40
 

40
 

20
 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
            (1か月予報 鹿児島地方気象台5月17日発表)
 
○ 発生予報の根拠および防除対策


 

 早期水稲
 
1 葉いもち (並)
 [予報の根拠]
(1)5月中旬の巡回調査では発生未確認であった。(初発生日:平年5月22日、前年5月17日)
(2)向こう1か月の天気は、前半は数日の周期で変わり、平年に比べ晴れの日が少ない。後半は平年に比べ曇りや雨の日が多い見込み
 [防除上の注意]
(1)曇雨天が続く場合は、葉いもちの早期発見に努め、病斑が認められたら速やかに液剤等で防除する。
(2)薬剤耐性菌が発生しやすいので、同一系統の薬剤の連用は避ける。
 
2 斑点米カメムシ類
 [防除上の注意]
(1)早期米の等級格付け低下の主因は、カメムシ被害によるものなので必ず防除を実施する。
(2)米の上位等級確保のためには、液剤散布の場合では穂揃期とその7〜10日後の2回防除が必要である。早期水稲でも収穫が遅い水田などでカメムシ類の発生が多い場合には更に追加防除を行う。
(3)畦畔雑草は、カメムシ類の絶好の生息域になるので、出穂期の7〜10日前までは定期的に草刈り等管理に努める。逆にそれ以降は、本田への飛び込みを助長するため草刈りは実施せず、本田防除時に畦畔へも同時に薬剤散布する。
(4)出穂の早い、または遅い水田には集中的に飛来するおそれがあるほか、ヒエがある場合は先に出穂するヒエにカメムシ類が集まる傾向があるので早めに処分する。


 

普通期水稲
 
1 葉いもち
 [防除上の注意]
(1)育苗期の発生に注意し、本田への持ち込みを防止する。
(2)育苗箱施薬は、予防的効果が高く、本田での生育初期の感染及び蔓延を防止するので必ず実施する。
(3)補植用の取り置き苗は、葉いもちが発生しやすく本田への伝染源になりやすいので、補植が終わったら処分する。
(4)育苗箱施薬を実施していない場合、曇雨天が続くときは葉いもちの早期発見に努め、病斑が認められたら速やかに液剤等で防除する。
(5)ストロビルリン剤(QoI剤)耐性菌が発生し問題となっていることから、同一系統の薬剤の連用は避ける。
2 スクミリンゴガイ
 [防除上の注意]
(1)水稲の被害は、田植え直後から3週間が著しく、その時期に深水状態ほど食害が激しいので、活着後は浅水で管理する。
(2)貝の生息数が多い場合は、捕殺するか粒剤の水面施薬を行う。
(3)粒剤の水面施薬に際しては、水深が3cm程度になるように調整し、少なくとも7日間はかけ流しや落水はしない。
 


 

野菜・工芸作物全般
 


 
1 アブラムシ類 (やや少)
 [予報の根拠]
(1)黄色水盤トラップ(佐土原)による誘殺数は、平年より少なく推移している。
 (右図参照)
(2)5月中旬のジャガイモにおける発生面積率10.0%(平年45.0%)は平年よりやや少、寄生度0.4(平年2.1)は平年並である。
 
2 ハスモンヨトウ (やや多)
 [予報の根拠]
(1)フェロモントラップ(国富、都城、西都、佐土原)による誘殺状況は、国富および佐土原が平年並み、都城および西都がやや多く推移している。(下図参照)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 

施設野菜
 


 
1 土壌病害虫
 [防除上の注意]
(1)土壌病害のみられたハウスでは、土壌消毒の効果を高めるため、栽培終了後、地下部も含めできるだけ被害残さを施設外に持ち出し適切に処理する。
   また、ハウス内は定期的に耕起を行って、残さの分解を早めることが重要である。
2 コナジラミ類・アザミウマ類・アブラムシ類
 [防除上の注意]
(1)近年、コナジラミ類、アザミウマ類やアブラムシ類など微小害虫によって媒介されるウイルス病(TYLCV、CCYV、TSWV、MYSV、CMV等)が問題となる事例が増加している。
(2)これらの媒介虫は、栽培終了後野外へ拡散し、露地作物や周辺雑草に寄生し、地域での密度増加、さらに次期作への主な発生源となるおそれがある。そのため栽培終了後は株を抜き取り、少なくとも10日間は施設を密閉するなど媒介虫の死滅を図る。
(3)ほ場周辺の雑草は、各害虫の生息場所となり、またウイルス病を潜在的に保毒し次作への伝染源となるので除草を徹底する。


 

いちご(親株)
 
1 ハダニ類 (やや少)
 [防除上の注意]
(1)5月上旬から5月中旬にかけての巡回調査結果
     発生面積率:22.2%(平年 66.1%、前年 81.9%)平年より少
     寄生株率 : 6.2%(平年 17.3%、前年 45.5%)平年よりやや少
(2)親株から苗に移行し増殖するので、親株床・育苗時の防除を徹底する。
(3)薬剤抵抗性が発達しやすいので、同一系統薬剤の連用を避け、作用性の異なる薬  剤のロ−テ−ション散布を実施する。


 

果樹全般
 
1 果樹カメムシ類 (並)
 [予報の根拠] 
(1)県内の3地点に設置したフェロモントラップ調査による誘殺数は、平年並みの状況で推移している。(下図参照)
 [防除上の注意]
(1)果樹カメムシ類は園外から飛来し、地域や時期によって発生量が大きく変動する。
  多飛来を見てからの防除では手遅れとなるので、園内外を見回り、早期発見、早期防除に努める。
(2)成熟・着色の早い果実を集中加害する傾向があるので、今後モモ、ナシ等は特に注意が必要である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 

カンキツ(露地栽培)
 


 
1 そうか病 (やや多)
 [予報の根拠]
(1)総合農試内(宮崎市佐土原町)にて4月25日に初発生を確認。
  (初発生日:前年4/21、平年5/1)
(2)5月中旬の巡回調査結果                    
     発生面積率:11.1%(平年 3.2、 前年 0.0%)平年よりやや多
     発病度  : 0.2 (平年 0.04、前年 0.0) 平年より多
 [防除上の注意]
(1)防除適期は幼果期である。
2 かいよう病 (並)
 [予報の根拠]
(1)総合農試内(宮崎市佐土原町)にて5月15日に初発生を確認。
  (初発生日:前年5/16、平年5/15)
(2)5月中旬の巡回調査結果                    
     発生面積率: 0.0%(平年 0.5%、前年 0.0%)平年並
     発病度  : 0.0 (平年 0.0、 前年 0.0) 平年並
 [防除上の注意]
(1)梅雨期に予防散布を行う。
(2)ミカンハモグリガの防除に努める。
3 黒点病 (並)
 [予報の根拠]
(1)5月10日に初発生を確認。(初発生日:前年5/5、平年5/22)
(2)5月中旬の巡回調査結果                    
     発生面積率: 0.0%(平年 3.3%、前年 0.0%)平年並
     発病度  : 0.0 (平年 0.1 、前年 0.0) 平年並
 [防除上の注意]
(1)防除適期は幼果期、梅雨期であるが、降水量が多いほど発生が多くなるので、前回防除してからの積算降水量250mmを農薬散布間隔の目安として予防散布を行う。
4 ミカンハダニ (並)
 [予報の根拠]
(1)5月中旬の巡回調査結果                    
     発生面積率 : 16.7%(平年 21.3%、前年 22.2%)平年並
     寄生葉率  : 1.2%(平年 1.2%、前年 1.6%)平年並
 [防除上の注意]
(1)生息密度が高くなると防除が困難になるので、寄生葉率30%(1葉当たり虫数  0.5〜1頭)を目安に防除を行う。
(2)薬剤抵抗性が発達しやすいので、同一系統薬剤の連用を避け、作用性の異なる薬剤のロ−テ−ション散布を実施する。
5 ミカンハモグリガ (並)
 [予報の根拠]
(1)5月中旬の巡回調査結果                    
     発生面積率 : 0.0%(平年 5.5%、前年 11.1%)平年並
     寄生葉率  : 0.0%(平年 0.2%、前年 0.5%)平年並
 [防除上の注意]
(1)かいよう病の発生を助長するので、新梢伸長期間中は定期的に防除する。
(2)成虫の活動は夜間であり日中は葉裏に潜んでいるので、樹全体の防除が効果的である。
6 アブラムシ類 (並)
 [予報の根拠]
(1)5月中旬の巡回調査結果                    
     発生面積率   : 16.7%(平年 18.7%、前年 22.2%)平年並
     寄生新梢率   : 0.3%(平年 0.9%、前年 1.1%)平年並
 [防除上の注意]
(1)成木園では異常発生の場合を除いて防除の必要性はほとんどない。
(2)中晩柑類ではウイルス病(CTV等)を媒介するので留意する。


 

 茶 
 
1 炭疽病 (並)
 [予報の根拠]
(1)5月中旬の巡回調査結果                    
     発生面積率   : 7.7%(平年 13.1%、前年 0.0%)平年並
     u当たり発病葉 : 0.2葉(平年 0.7葉、前年 0.0葉)平年並
 [防除上の注意]
(1)二番茶および三番茶の萌芽期に防除する。
2 カンザワハダニ (少)
 [予報の根拠]
(1)5月中旬の巡回調査結果                    
     発生面積率   : 23.1%(平年 48.4%、前年 61.6%)平年より少
     寄生葉率    : 1.7%(平年 6.8%、前年 15.8%)平年より少
 [防除上の注意]
(1)薬剤抵抗性が発達しやすいので、同一系統薬剤の連用を避け、作用性の異なる薬剤のロ−テ−ション散布を実施する。
3 チャノコカクモンハマキ (並)
 [予報の根拠]
(1)5月中旬の巡回調査結果                    
     発生面積率   : 0.0%(平年 0.8%、 前年 0.0%)平年並
     u当たり幼虫数 : 0.0頭(平年 0.03頭、前年 0.0頭)平年並
 [防除上の注意]
(1)フェロモントラップ調査による前回の発蛾最盛期は、4月下旬であり、次回の発蛾最盛期は6月上中旬と考えられる。
(2)顆粒病ウイルスによる防除適期は、6月の発蛾最盛期の10日後である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



4 チャハマキ (並)
 [予報の根拠]
(1)5月中旬の巡回調査結果                    
     発生面積率   : 0.0%(平年 0.0%、前年 0.0%)平年並
     u当たり幼虫数 : 0.0頭(平年 0.0頭、前年 0.0頭)平年並
(2)フェロモントラップによる誘殺数が多い地域が見られる。
 [防除上の注意]
(1)フェロモントラップ調査による前回の発蛾最盛期は4月下旬であり、次回の発蛾最盛期は6月上旬と考えられる。
(2)チャノコカクモンハマキの発蛾最盛期と10日以上差がない場合は、チャノコカクモンハマキと同時防除が可能である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
5 チャノホソガ (やや多) 
 [予報の根拠]
(1)5月中旬の巡回調査結果                    
     発生面積率   : 0.0%(平年 10.0%、前年 23.1%)平年並
     u当たり葉巻数 : 0.0葉(平年 0.2葉、前年 0.3葉)平年並
 [防除上の注意]
(1)フェロモントラップ調査では、平年並で推移している。5月中旬が発蛾最盛期であり、次回の発蛾最盛期は6月下旬〜7月上旬と考えられる。防除適期は発蛾最盛期の約10日後である。
(2)脱皮阻害剤は、卵期〜皮下潜葉期に散布する。
(3)一番茶芽や一番茶残葉に本虫による巻葉がみられた茶園では、二番茶芽で多発する恐れがあるので注意する。
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


6 チャノミドリヒメヨコバイ (やや多)
 [予報の根拠]
(1)5月中旬の巡回調査(見取り)結果                    
     発生面積率: 7.7%(平年 20.4%、前年 15.4%)平年より少
     寄生葉率 : 0.2%(平年 0.7%、前年 0.3%)平年より少
   5月中旬の巡回調査(払い落し)結果                    
     発生面積率: 61.5%(平年 31.5%、前年 30.8%)平年より多
     払落虫数 : 1.8頭(平年 1.4頭、前年 0.7頭)平年よりやや多
 [防除上の注意]
(1)萌芽直後から1、2葉期を重点に防除する。
7 チャノキイロアザミウマ  (並)
 [予報の根拠]
(1)5月中旬の巡回調査(見取り)結果                    
     発生面積率: 46.2%(平年 45.3%、前年 46.2%)平年並
     寄生葉率 : 2.0%(平年 3.2%、前年 1.5%)平年並
   5月中旬の巡回調査(払い落し)結果                    
     発生面積率: 7.7%(平年 36.7%、前年 38.5%)平年よりやや少
     払落虫数 : 2.0頭(平年 6.6頭、前年 6.0頭)平年よりやや少
 [防除上の注意]
(1)例年、二番茶期から発生が増えてくるので注意する。
8 クワシロカイガラムシ (並)
 [予報の根拠]
(1)5月中旬の巡回調査結果                    
     発生面積率: 15.4%(平年 10.8%、前年 0.0%)平年よりやや多
     寄生株率 : 1.9%(平年 4.5%、前年 0.0%)平年より並
 [防除上の注意]
(1)防除適期は、幼虫ふ化開始から1週間後、または幼虫ふ化最盛期であるので、ふ化状況をよく観察し防除する。
(2)薬剤散布量は、成園で10a当たり1,000リットルを目安に、枝幹に十分かかるようていねいに行う。
 
 
農薬危害防止運動
  6月1日から8月31日までの3か月間、農薬危害防止運動を実施します。農薬散布にあたっては、ラベル表示の確認を十分に行い、農薬使用基準を遵守し、危害防止に努めましょう。
○ その他
1 農薬適用の有無などについては次のホームページで確認する。
宮崎県農薬安全使用啓発ホームページ
http://nouyaku-tekisei.pref.miyazaki.lg.jp/noyaku/user/top/miyazaki
   日本植物防疫協会       http://www.jppn.ne.jp
   農林水産省(農薬コーナー)  http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/
   農林水産消費安全技術センター http://www.acis.famic.go.jp/
2 農薬の使用に当たっては、農薬使用基準の遵守並びに危被害の発生防止に努める。
3 発生量(程度)の区分
    多  い   (高  い)  やや多いの外側10%の度数の入る幅
   やや多い   (やや高い)  平年並の外側20%の度数の入る幅
   平年並            平年値を中心として40%の度数の入る幅
   やや少ない  (やや低い)  平年並の外側20%の度数の入る幅
   少ない    (低  い)  やや少ないの外側10%の度数の入る幅
                  (平年値は過去10年間の平均)
予察情報の種類
  病害虫防除・肥料検査センターから発表する情報は次の5つです。
  (1)予  報・・・・向こう1か月の発生状況を予測し、毎月25日前後に発表する。
  (2)注 意 報・・・・主要な病害虫の多発生が予想され、かつ早めに防除が必要な場合に発表する。
  (3)警  報・・・・主要な病害虫の大発生が予想され、かつ緊急に防除が必要な場合に発表する。
  (4)特 殊 報・・・・県内で初めて発生を認めた病害虫がある時や、病害虫の発生様相が特異な時に発表する。
  (5)防除情報・・・・注意をうながす必要がある病害虫の発生状況や、各種の防除技術指導情報について随時発表する。
○ お知らせ
  病害虫防除・肥料検査センターでは、ホームページで情報を提供しています。アドレスは、http://www.jppn.ne.jp/miyazaki/です。






 


【文書取扱】
宮崎県病害虫防除・肥料検査センター  松浦
 TEL:0985-73-6670 FAX:0985-73-2127
 E-mail:byogaichu-hiryo@pref.miyazaki.lg.jp

PDFファイルはこちらからダウンロードできます→予報第2号(5月)