6011−1228
令和4年6月22日
各関係機関の長
各病害虫防除員 殿
宮崎県病害虫防除・肥料検査センター所長
令和4年度病害虫発生予報第3号について
令和4年度病害虫発生予報第3号を発表したので送付します。
|
令和4年度病害虫発生予報第3号
向こう1か月間における農作物の主な病害虫の発生動向は、次のように予想されます。
○ 発生予報の概要
作 物 名 |
病 害 虫 名 |
発 生 量 の 平 年 比 |
記載ページ |
早期水稲 |
1 いもち病(穂いもち)※※ 2 紋枯病 3 セジロウンカ 4 ヒメトビウンカ 5 斑点米カメムシ類 |
多 並 並 やや多 やや少 |
2 2 2 3 3 |
普通期水稲 |
1 いもち病(葉いもち) 2 ツマグロヨコバイ 3 セジロウンカ 4 ヒメトビウンカ 5 コブノメイガ 6 ニカメイガ 7 スクミリンゴガイ |
並 やや多 並 並 ― ― 並 |
3 4 4 4 4 4 4 |
野菜・工芸作物全般 |
1 アブラムシ類 2 ハスモンヨトウ 3 タバコガ・オオタバコガ |
やや少 やや少 並 |
5 5 5 |
ウリ類 |
1 黄化えそ病(MYSV) |
― |
6 |
さといも |
1 疫病 |
― |
6 |
サツマイモ |
1 基腐病 ※ |
― |
6 |
果樹全般 |
1 チャバネアオカメムシ 2 ツヤアオカメムシ |
やや多 やや少 |
7 7 |
カンキツ (露地栽培) |
1 黒点病 2 そうか病 3 かいよう病 4 ミカンハダニ 5 チャノキイロアザミウマ |
並 多 並 並 並 |
8 8 8 8 9 |
茶 |
1 炭疽病 2 カンザワハダニ 3 チャノコカクモンハマキ 4 チャハマキ 5 チャノホソガ 6 チャノミドリヒメヨコバイ 7 チャノキイロアザミウマ 8 クワシロカイガラムシ |
並 やや少 並 並 やや多 多 やや少 やや少 |
9 9 9 10 10 11 11 11 |
※※は注意報、※は防除情報を発表済み。
○ 作物の生育状況(6月中旬)
早期水稲は穂ばらみ期、普通期水稲は移植前後、うんしゅうみかんは果実肥大期、茶
は二番茶摘採前後であった。
○ 向こう1か月の気象予報
向こう1か月の気温、降水量、日照時間の各階級の確率(%)
要 素 |
低い(少ない) |
平年並 |
高い(多い) |
|
気 温 |
20 |
30 |
40 |
|
降水量 |
40 |
30 |
30 |
|
日照時間 |
30 |
30 |
40 |
(1か月予報 鹿児島地方気象台6月16日発表)
○ 発生予報の根拠および防除対策
早期水稲 |
※令和4年度病害虫発生予察注意報第1号(令和4年6月15日発表)参照
1 いもち病(穂いもち)(多)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の葉いもちの巡回調査結果
発生面積率:42.4%(平年 14.6%、前年 3.0%)平年より多
発病株率 :12.0%(平年 3.8%、前年 0.2%)平年よりやや多
(2)巡回調査における葉いもちの発生面積率、発病度はいずれも平年比多で、また、
発病株率はで平年比やや多である。
(3)向こう1ヶ月の気象予報によると、平年と同様に曇りや雨の日が多く、今後の発
生拡大が懸念される。
[防除上の注意]
(1)葉いもちが発生している場合は、穂ばらみ期から穂揃期の防除を確実に行う。さ
らに、出穂期及びその後も降雨が続き、穂いもちの発生拡大が予想される場合は、
穂揃期の7〜10日後にも追加防除を行う。
(2)雨が続く場合、感染の危険性が高いので雨間をみて防除を行う。
2 紋枯病 (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率: 0%(平年 0%、前年 0%)平年並
発病株率 : 0%(平年 0%、前年 0%)平年並
[防除上の注意]
(1)穂ばらみ期の防除が基本となるが、上位葉鞘への進展が続く場合は2回目の散布
を行う。
3 セジロウンカ (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率 :36.4% (平年 31.6%、前年 66.7%) 平年並
株当たり虫数: 0.06頭(平年 0.06頭、前年 0.15頭) 平年並
[防除上の注意]
(1)幼穂形成期頃に多発生すると、吸汁による生育抑制、下位茎葉の黄変枯死、出穂
の遅れが生じるので、発生状況を見て若齢幼虫期に防除する。
(2)イネ南方黒すじ萎縮病を媒介するので注意する。
4 ヒメトビウンカ (やや多)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率 : 81.8% (平年 42.8%、前年 36.4%) 平年より多
株当たり虫数: 0.17頭(平年 0.08頭、前年 0.04頭)平年より多
[防除上の注意]
(1)ヒメトビウンカは縞葉枯病のウイルスを媒介するので注意する。
5 斑点米カメムシ類 (やや少)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率 :15.2%(平年 24.4%、前年 12.1%) 平年よりやや少
すくい取り虫数: 0.18頭(平年 0.75頭、前年 0.33頭)平年よりやや少
(2)6月上旬の水田周辺におけるイタリアンライグラス等飼料作物ほ場での生息密度
(20回振りすくい取り)は、県全体平均 39.2頭(平年 46.8頭、前年 20.9頭)で
平年よりやや少である。
[防除上の注意]
(1)例年、カメムシによる被害は早期米の等級格下げの重要な要因となっている。米
の上位等級確保のためには、穂揃期とその7〜10日後の2回防除を厳守する。そ
の後も発生が見られる場合には追加防除を行う。
(2)出穂の早い水田や特に遅い水田には集中的に飛来する恐れがあるので注意する。
(3)防除効果を高めるため、一斉防除に努める。
普通期水稲 |
1 いもち病(葉いもち) (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率: 0 %(平年 1.6%、前年 0%)平年並
発病株率 : 0 %(平年 0.1%、前年 0%)平年並
(2)6月のアメダス観測結果を基にしたBLASTAM判定では、本病の感染好適日が県内各
地域で複数回出現している。
(3)向こう1か月の天気は、平年と同様に曇りや雨の日が多い見込み。
[防除上の注意]
(1)本田での初発生に注意し、初期防除を徹底する。雨が続く場合、感染の危険性が
高いので雨間をみて防除する。
(2)苗いもちが発生していた場合、本田への持ち込みにより今後蔓延しやすいので防
除を徹底する。
(3)補植用の予備苗は、病害虫の発生源となるので早めに本田から持ち出し処分する。
2 ツマグロヨコバイ (やや多)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率 :21.7%(平年 8.0%、 前年 7.7%) 平年より多
株当たり虫数: 0.01頭(平年0.01頭、前年 0.01頭)平年よりやや多
3 セジロウンカ (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率 :0%(平年 1.7%、前年 0.0%)平年並
株当たり虫数:0頭(平年 0.0頭、前年 0.0頭)平年並
4 ヒメトビウンカ (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率 : 0%(平年 0%、前年 0%)平年並
株当たり虫数: 0頭(平年 0頭、前年 0頭)平年並
[ウンカ・ヨコバイ類 防除上の注意]
(1)育苗箱施薬剤を処理したほ場では、薬効期間や発生状況を考慮して追加防除する。
(2)セジロウンカは、株当たり虫数が4頭以上になると稲の生育が抑制されるので早
めに防除する。
(3)セジロウンカ及びトビイロウンカの本県への飛来が確認されていることから、今
後、病害虫防除・肥料検査センターのホームページ等で提供する飛来情報に注意す
る。
5 コブノメイガ
[防除上の注意]
(1)防除は、飛来世代の次世代の発蛾最盛期に粒剤を施用するのが効果的であるので、
病害虫防除・肥料検査センターのホームページ等で提供する飛来情報に注意する。
6 ニカメイガ
[防除上の注意]
(1)近年、宮崎県中部の早期・普通期水稲や飼料用稲の混交地帯で被害が確認されて
いる。
7 スクミリンゴガイ (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率 :8.6%(平年 27.2%、前年 15.3%)平年より少
u当たり貝数 :0.2頭(平年 0.6頭、前年 0.4頭)平年よりやや少
[防除上の注意]
(1)水稲の被害は、田植え直後から3週間が著しく、その時期に深水状態ほど食害が
激しいので、活着後は浅水で管理する。
(2)貝の生息数が多い場合は、捕殺するか粒剤の水面施薬を行う。
(3)粒剤の水面施薬に際しては、水深が3cm程度になるように調整し、少なくとも7日
間はかけ流しや落水はしない。
野菜・工芸作物全般 |
1 アブラムシ類 (やや少)
[予報の根拠] (1)黄色水盤トラップ(宮崎市佐土原町)による誘殺数は平年、前年よりやや少で推移している。(右図参照) [防除上の注意] (1)各種のウイルス病を媒介するので、発生初期の防除に努める。 (2)ネオニコチノイド剤に対して感受性の低下したワタアブラムシの個体群が確認されているため、使用した薬剤の効果を確認し、同一の薬剤を連用することは避ける。 |
![]() |
2 ハスモンヨトウ (やや少)
[予報の根拠]
(1)6月3半旬のフェロモントラップによるハスモンヨトウの誘殺数は、平年より
少から平年並である。
[防除上の注意]
(1)早期発見に努め初期防除を徹底する。
3 タバコガ・オオタバコガ (並)
[予報の根拠]
(1)西都市茶臼原に設置したフェロモントラップによるタバコガの誘殺数は平年並、
オオタバコガは平年よりやや少である。
[防除上の注意]
(1)早期発見に努め初期防除を徹底する。
ウリ類 |
1 黄化えそ病(MYSV)
[防除上の注意]
(1)本病は、ほぼ県内全域で発生が確認されている。
(2)病原ウイルスはミナミキイロアザミウマによって永続的に伝搬され、発生後は急
激に蔓延する恐れがあることから、今後厳重な警戒が必要である。
(3)媒介虫であるミナミキイロアザミウマの生息密度を抑制するため、定期的に防除
するとともに、誘殺のための有色粘着板の設置やほ場周辺の除草に努める。
(4)促成〜露地作など、作型の重なる地域では媒介虫が相互に行き来し発生源が周年
的に常在し防除が一層困難となる。地域ぐるみで一斉除草や一斉防除などを行い、
媒介虫や発生源の根絶に努める。
さといも |
1 疫病
[防除上の注意]
(1)サトイモ疫病(フィトフトラ コロカシエ)は、多湿条件下でまん延する。
(2)本病は発生すると急激に進展し、まん延するので予防防除に重点をおく。
(3)ほ場をこまめに巡回し、発病前はマンゼブ水和剤による予防散布を実施する。発
病後は治療効果のあるアミスルブロム・シモキサニル水和剤を散布し、その7日後
にアゾキシストロビン水和剤を散布する。台風の前後や長雨が予想される場合は、
軟腐病予防と併せて炭酸水素ナトリウム・銅水和剤を散布する。圃場の見回りを行
い、発生を認めたら直ちに薬剤散布を行う。
(4)薬剤散布は、薬剤が下葉に達するように十分量を散布する。
サツマイモ |
※令和4年度病害虫防除情報第4号(令和4年6月3日発表)参照
1 基腐病
[防除上の注意]
(1)本病は、汚染苗や前年の汚染残渣が伝染源となり発病する。初期発病株がほ場全
体に広がる二次伝染源となるため、初期発病株の徹底的な除去が、本病の蔓延防止
対策として重要である。
定期的にほ場を見回り、発病株を見つけた場合は、早急に抜き取り、その場でビ
ニル袋などに入れてほ場外に持ち出し、適切に処分する。
(2)発病株の除去前後は、周辺株への感染を予防するため、登録のある薬剤を散布す
る。また、長雨により発生が助長されやすいため、晴れ間を利用してほ場全体への
薬剤散布を実施する。
(3)排水不良のほ場では多発することが懸念されるので、排水対策を行う。
果樹全般 |
1 果樹カメムシ類(チャバネアオカメムシ(やや多)、ツヤアオカメムシ(やや少))
[予報の根拠]
(1)県内4カ所(国富町、日南市、都城市、延岡市)に設置した予察灯の誘殺数は、
チャバネアオカメムシ(上図)は平年よりやや多、ツヤアオカメムシ(下図)は平
年よりやや少の誘殺数となっている。
[防除上の注意]
(1)果樹カメムシ類は園外から飛来し、地域や時期によって発生量が大きく変動する。
こまめに園内外を見回って早期発見に努め、飛来が見られたら直ちに防除する。
(2)成熟・着色の早い果実を集中加害する傾向があり、今後ナシ等は特に注意する。
カンキツ(露地栽培) |
1 黒点病 (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率:11.1%(平年 14.5%、前年 5.6%)平年並
発病葉率 : 0.8%(平年 2.0%、前年 0.2%)平年並
(2)向こう1か月の天気は、平年と同様に曇りや雨の日が多い見込みである。
[防除上の注意]
(1)感染源である枯れ枝の除去に努める。
(2)降水量が多いほど発生が多くなるので、前回の防除から積算降水量250mmを散布間
隔の目安として薬剤散布を行う。ただし、積算降水量が少ない場合でも薬剤散布の
1か月後には次の防除が必要である。
2 そうか病 (多)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率:27.8%(平年 1.7%、 前年 0.0%) 平年より多
発病葉率 : 0.5%(平年 0.03%、前年 0.02%)平年より多
[防除上の注意]
(1)病斑が多数形成された夏秋梢は、次年度の感染源となり翌春の発病につながるの
で、可能な限り除去し、園外に持ち出し適切に処理する。
(2)降雨が長く続くと発病が多くなることから、防除時期を逸しないよう留意する。
(3)風雨による枝葉の損傷によっても感染が助長されるので、防風垣等を整備するな
どして被害の軽減対策を行う。
2 かいよう病 (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率:11.1%(平年 10.6%、前年 0.0%)平年並
発病葉率 : 0.8%(平年 1.1%、前年 0.0%)平年並
(2)中晩柑類の6月中旬巡回調査結果
発生面積率:16.7%(平年 20.0%、前年 0.0%)平年並
発病葉率 : 1.3%(平年 2.0%、前年 0.0%)平年並
[防除上の注意]
(1)発病した枝葉は、伝染源となるため可能な限り除去し、園外に持ち出し適切に処
理する。
(2)梅雨期に予防散布する。
(3)風雨による枝葉の損傷を軽減するため、防風垣等を整備する。
(4)台風の襲来が予想される時は、事前に薬剤散布を行う。
(5)ミカンハモグリガの被害は、病原菌の侵入口となり、発病を助長するので、夏秋
梢の発生の多いほ場では防除を徹底する。
3 ミカンハダニ (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率 :22.3%(平年 30.6%、前年 22.3%) 平年並
百葉当たり雌成虫数:46.7頭(平年 10.3頭、前年 11.3頭) 平年よりやや多
[防除上の注意]
(1)生息密度が高くなると防除が困難になるので、寄生葉率30%または1葉当たり雌
成虫数0.5〜1頭を目安に防除を行う。
(2)同一系統薬剤の連用は避け、作用性の異なる薬剤のロ−テ−ション散布を実施する。
4 チャノキイロアザミウマ (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率: 0%(平年 0%、前年 0%)平年並
寄生果率 : 0%(平年 0%、前年 0%)平年並
[防除上の注意]
(1)5月中旬から9月上旬の間、数回防除する。
(2)防風垣にイヌマキが植栽されているほ場では、その新芽にも寄生するので同時に
防除する。
(3)きんかん栽培では、アザミウマ類による果実の被害が発生するので、花等への寄
生状況に十分注意するとともに、開花〜幼果期における防除を徹底する。
茶 |
1 炭疽病 (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率 :43.8%(平年 39.4%、前年 23.5%) 平年並
u当たり発病葉数:14.3葉(平年 6.4葉、前年 0.2葉) 平年よりやや多
(2)向こう1か月の天気は平年と同様に曇りや雨の日が多い見込みである。
[防除上の注意]
(1)二番茶残葉に炭疽病の発生がみられる茶園では、三番茶でも多発する恐れがある
ため、三番茶萌芽期〜1葉期に重点的に防除する。
2 カンザワハダニ (やや少)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率:12.5%(平年 34.2%、前年 17.7%)平年より少
寄生葉率 : 0.4%(平年 2.6%、前年 1.2%)平年より少
[防除上の注意]
(1)同一系統薬剤の連用は避け、作用性の異なる薬剤のロ−テ−ション散布を実施する。
3 チャノコカクモンハマキ (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率 :0%(平年 0.6%、前年 0%)平年並
u当たり幼虫数:0頭(平年 0.0頭、前年 0頭)平年並
[防除上の注意]
(1)県内4か所(宮崎市田野町、都城市、三股町、川南町)に設置しているフェロモ
ントラップ調査によると、次の発蛾最盛期は7月上〜中旬と考えられる。
(2)顆粒病ウイルスによる防除適期は、発蛾最盛期の10日後であるが、この時期は
紫外線が強く顆粒病ウイルスの活性が低下しやすいので、曇天日や夕方に散布する。
4 チャハマキ (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率 :0%(平年 2.4%、前年 0%)平年並
u当たり幼虫数:0頭(平年 0.0頭、前年 0頭)平年並
[防除上の注意]
(1)県内4か所(宮崎市田野町、都城市、三股町、川南町)に設置しているフェロモ
ントラップ調査によると、次の発蛾最盛期は7月中〜下旬と考えられる。
(2)チャノコカクモンハマキの発蛾最盛期と10日以上差がなければ同時防除する。
5 チャノホソガ (やや多)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率 :31.3%(平年 13.5%、前年 17.6%)平年より多
u当たり巻葉数: 1.0葉(平年 0.8葉、前年 0.4葉)平年よりやや多
[防除上の注意]
(1)フェロモントラップ調査による次の発蛾最盛期は6月下旬頃と考えられる。
(2)三角巻葉前に防除することが必要で、発蛾最盛期の約10日後(葉裏の表皮下で
トンネル状に潜孔している時期)が防除適期である。
(3)脱皮阻害剤は、卵期〜皮下潜葉期に散布する。
(4)巻葉が見られた茶園では、多発する恐れがあるので注意する。
6 チャノミドリヒメヨコバイ (多)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率:62.6%(平年 35.3%、前年 47.1%)平年より多
寄生葉率 : 2.9%(平年 1.7%、前年 2.7%)平年よりやや多
[防除上の注意]
(1)萌芽直後から1、2葉期を重点に防除する。
(2)先月に続き発生が多い状態が続いていることから、今後三番茶や秋芽が加害され
ると減収および品質低下が著しいため、萌芽期から開葉初期に薬剤散布を行う。
7 チャノキイロアザミウマ (やや少)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率:18.8%(平年 54.1%、前年 41.2%)平年より少
寄生葉率 : 0.5%(平年 5.4%、前年 1.2%)平年より少
[防除上の注意]
(1)三番茶を摘採する園では、新芽生育初期に加害されると減収程度が高いため、萌
芽期の防除が重要である。
(2)深刈りなどの更新処理を行った園では、茶芽の生育期間が長く、被害を受けやす
いので残効の長い薬剤で防除する。
8 クワシロカイガラムシ (やや少)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査結果
発生面積率:6.3%(平年 29.4%、前年 29.4%)平年より少
寄生株率 :2.5%(平年 10.5%、前年 7.5%)平年よりやや少
[防除上の注意]
(1)防除適期は、幼虫ふ化開始から1週間後または幼虫ふ化最盛期なので、ふ化状況
をよく観察して防除する。
(2)薬剤散布量は、成木園で10a当たり1,000リットル程度を目安に、専用噴口を使う
などして枝幹に十分かかるようにていねいに散布する。
○ 農薬危害防止運動
6月1日から8月31日までの3か月間、農薬危害防止運動を実施しています。農薬
散布にあたっては、ラベル表示の確認を十分に行い、農薬使用基準を遵守し、危害防止
に努めましょう。
○ その他
1 農薬適用の有無などについては次のホームページで確認する。
宮崎県農薬安全使用啓発ホームページ
http://nouyaku-tekisei.pref.miyazaki.lg.jp/noyaku/user/top/miyazaki
農林水産省(農薬コーナー) http://www.maff.go.jp/nouyaku/
農林水産消費安全技術センター http://www.acis.famic.go.jp/
2 農薬の使用に当たっては、農薬使用基準の遵守並びに危被害の発生防止に努める。
3 発生量(程度)の区分
多 い (高 い) やや多いの外側10%の度数の入る幅
やや多い (やや高い) 平年並の外側20%の度数の入る幅
平年並 平年値を中心として40%の度数の入る幅
やや少ない (やや低い) 平年並の外側20%の度数の入る幅
少ない (低 い) やや少ないの外側10%の度数の入る幅
(平年値は過去10年間の平均)
4 予察情報の種類
病害虫防除・肥料検査センターから発表する情報は次の5つです。
(1)予 報・・・・向こう1か月の発生状況を予測し、毎月25日前後に発表する。
(2)注 意 報・・・・主要な病害虫の多発生が予想され、かつ早めに防除が必要な場合に発表す
る。
(3)警 報・・・・主要な病害虫の大発生が予想され、かつ緊急に防除が必要な場合に発表す
る。
(4)特 殊 報・・・・県内で初めて発生を認めた病害虫がある時や、病害虫の発生様相が特異
な時に発表する。
(5)防除情報・・・・注意をうながす必要がある病害虫の発生状況や、各種の防除技術指導情報
について随時発表する。
○ お知らせ
病害虫防除・肥料検査センターでは、ホームページで情報を提供しています。
アドレスは、http://www.jppn.ne.jp/miyazaki です。
【文書取扱】 宮崎県病害虫防除・肥料検査センター 久野 TEL:0985-73-6670 FAX:0985-73-2127 E-mail:byogaichu-hiryo@pref.miyazaki.lg.jp |