平成13年度
  施設栽培ピーマンにおける主要害虫の天敵等利用技術の実証 (1)

  (1) 目的
    近紫外線除去フィルムで被覆した施設栽培ピーマンにおいて、複数の天敵を組み合わせた天敵利用技術を検討する。
  (2) 方法
   @ 試験地:川南町 農家圃場
   A 耕種概要:
     ア 品 種:京ゆたか  播種:8月19日  定植:10月3日
     イ 面 積:天敵区 12a  定植本数 910本
            対照区  8a  定植本数 650本 
  (3) 薬剤及び天敵の使用
   @天敵区
    ア 天敵の放飼
     ククメリスカブリダニの放飼:10月12日、同17日、同25日、同31日(100頭/株)
     タイリクヒメハナカメムシの放飼:11月21日、同28日
                       (1.8頭/株)
    イ 殺虫剤の散布
     アドマイヤー粒剤:10月3日(定植日)
     デルフィン顆粒水和剤:10月19日、11月26日、3月4日
     チェス水和剤:11月17日、1月22日、2月4日、3月28日
     ゼンターリ顆粒水和剤:12月23日、1月11日
     スピノエース顆粒水和剤:3月16日
   A対照区
    ア 殺虫剤の散布
     アドマイヤー粒剤:10月3日(定植日)
     デルフィン顆粒水和剤:10月19日、11月26日、3月4日
     チェス水和剤:11月17日、1月22日、2月4日、3月28日
     アファーム乳剤:12月8日
     ゼンターリ顆粒水和剤:12月23日、1月11日
     スピノエース顆粒水和剤:1月11日、3月16日
   Bその他
    ア 殺菌剤の散布:両区とも農家慣行による
    イ 両区とも380nm以下の波長をカットするフィルムを使用したビニールハウス及び1o目合いの防虫ネットを使用
  (4) 調査方法
   アザミウマ類は任意の100花と、あらかじめマークした10株について、各株任意の10葉の生息数を定期的に計数した。また、ククメリスカブリダニは葉について、タイリクヒメハナカメムシは花について同様に生息数を計数した。また、1月23日から収穫前の任意の100果についてアザミウマ類による被害果を計数した。
  (5) 結果
   @ククメリスカブリダニは、10月31日の最終放飼以降では、1月8日の葉当たり0.33頭を最大に、調査期間を通して葉当たり0.01〜0.33頭で推移した。
   Aタイリクヒメハナカメムシは、1月16日に花当たり0.01頭の生息を確認以降、生息を確認することはできなかった。
   B葉に生息しているアザミウマ類については、3月13日に葉当たり0.01頭に生息を確認したのみであった。
   C花に生息しているアザミウマ類については、天敵区では調査期間を通して1花当たり最大で0.47頭以下の発生であった。対照区では12月19日〜1月8日にかけて、花当たり0.02〜0.08頭を確認した。
   Dアザミウマ類による被害果は、天敵区では調査期間を通して100果当たり0〜3果の発生であった。対照区では、被害果の発生は確認されなかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 図−1 放飼天敵及びアザミウマ類の葉(花)当たり生息虫数
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  図−2 被害果率及びアザミウマ類花当たり虫数