ニカメイガ Chilo suppressalis Walker

<生態>
 成虫は体長12mmの灰白色の小型の蛾であり、卵は稲の葉に数十個の卵塊で産み付けられる。幼虫は黄褐色で、褐色の縦縞があり、老齢幼虫は約25mm程度に達する。
 名前が示すとおり、通常は年2世代発生であるが、本県の一部地域では年3〜4世代程度発生している。越冬は老齢幼虫が稲わらや切り株の中で行うほか、マコモやガマなどの植物でも確認されている。

<被害>
 孵化幼虫は集団で葉鞘裏面を加害するため、加害された葉鞘は黄褐色となり、枯れる。幼虫は発育するに従い分散し、葉鞘の心部を食害する。このため、出穂期や稔実期以降は、心枯れや穂の出すくみ白穂、不稔穂といった被害をもたらし、収量に直接影響する。また、飼料用稲の場合は茎内にいる幼虫が稲体と一緒にラッピングされると、幼虫が外へ脱出する際にラップを食い破り、穴を開けるため、廃棄しなければならないことがある。

<防除対策>
○耕種的防除
・土壌改良材であるケイカルを施用することで稲体を丈夫にし、幼虫の食入を阻害する。 




 

       ニカメイガ成虫♂              ニカメイガ幼虫               葉鞘変色茎               心枯茎(写真中央)