ピーマン黒枯病
葉の病斑 果実の病斑 黒枯病胞子
 
病 原 菌:Corynespora cassiicola (Beck.&Curt.)Wei  
 
病 徴
葉では初め褐色小斑点が形成され、次第に拡大し不整形で黒褐色輪紋状の病斑となることが多く、斑点病に似るが、葉脈に沿って病斑が広がり、葉が引きつるような症状がみられる。茎では黒褐色の斑点が形成され、しばしば黒色ビロード状の菌叢が認められる。
また果実、果梗にも黒褐色の斑点を生じることがある。
 
病原菌の形態及び生態
糸状菌の1種で不完全菌類に属し、分生子は長い棍棒状で分生子柄の先端から単生もしくは連生する。生態や伝染環については詳細は不明であり、調査中であるが、被害茎葉上に形成される分生子により伝染し、高温、多湿条件で多発生するものと思われる。
 
防除対策
ほ場内が多湿条件にならないよう、排水を良好にするとともにマルチなどを行う。被害茎葉、果実は伝染源となるのでほ場外に持ち出し、適切に処理する。また、本病に対する登録農薬はないが、ピーマンの他の病害に登録のあるTPN水和剤、イプロジオン水和剤、同くん煙剤の防除効果が期待される。
 
※平成16年12月3日に特殊報第1号を発表しています。