トップ > 総合防除(IPM)

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 IPMとは、総合的病害虫・雑草管理(Integrated Pest Management, IPM)で、利用可能なすべての防除技術を経済性を考慮し、病害虫・雑草の発生・増加を抑えるための適切な手段を総合的に行い、病害虫・雑草の密度を経済的被害許容水準以下に減少させ、かつ低いレベルに維持する(管理)ことです。
 これまでの病害虫・雑草を「防除」・「消毒」・「撲滅」の概念から「(収量や価格に実害がない程度に)管理」するというより積極的な考え方・システムです。この様な管理を行うことにより、人の健康に対するリスクと環境への負荷を軽減する方向を示しつつ、しかも高品質・生産安定という農業経営の目的とも調和させています。(こうした考えは、日本でもすでに1970年代より取り組まれてきています。)

 適切な手段を総合的に行うとは、「化学的防除」に一辺倒にならず、「化学的防除」でも選択制農薬や天敵に影響の少ない農薬の利用や、近年技術開発の進んできている防除資材や防除方法である光、色、粘着板など物理的な条件を利用しての病害虫防除(:物理的防除)、天敵昆虫や微生物を利用しての病害虫防除(:生物的防除)、抵抗性品種や台木の利用、輪作等による病害虫防除(:耕種的防除)など様々な防除手段を効果的、経済的に組み合わせることです。
 また、病害虫の発生予察情報、圃場観察、記帳による発生の動向や病害虫の生理生態の把握もIPMの重要な事項です。