トップ > 長崎県内で新たに発生した病害虫 > 青枯病(かぼちゃ台木ニガウリ)
         
 

         
 

発生確認の経過

  平成17年6月に雲仙市国見町(農家2戸)のにがうり(かぼちゃ台木)(品種えらぶ、台木新土佐1号)で、株が萎凋・枯死または青枯する症状が発生した(図1)。発症株は数株程度連続しており、圃場内に点在していた(図2)。
農業環境技術研究所微生物分類研究室に同定依頼した結果、地際部の茎および台木から同一形状の細菌コロニーが多数検出され、Ralstonia solanacearum と同定された。また、接種により症状が再現され、本菌による青枯病と確認された。
本病の発生は沖縄県の自根にがうりで報告されているのみで、かぼちゃ台木にがうりでは初めてである。

病徴
株全体の生育が衰え、萎凋し、後に枯死する。葉が黄化することもある。発病株の茎 および台木を切断すると、維管束が褐変している。茎を水中に入れると乳白色の菌泥が漏出する。圃場内で坪状に発生し、発病株は連続することが多い。また、株内で発病枝と未発病枝が混在する場合もある。

防除対策
 本病に対する登録薬剤は少ないので下記の耕種的防除に努める。
(1)土壌伝染性の病害であるので、既発生圃場の土壌を未発生圃場に持ち込まない。
(2)病原菌は高温多湿を好むので、圃場の排水をよくする。
(3)発病株は感染源となるため見つけしだい処分したほうがよい。ただし、引き抜くと隣の株の根を傷め、感染を助長するので、地際部から茎を切り、地上部を圃場外に持ち出して処する。
(4)連作圃場や土壌消毒を行っていない圃場で発生しやすいので、輪作を行い、他病害との同
時防除をかねて土壌消毒を行う。

         
     
  図1 青枯病発病株   図2 青枯病発生圃場(奥は未発病)