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発生確認の経過


平成16年7月中旬に諫早市高来町の施設栽培のアスパラガスにおいて、若茎が水浸状に腐敗する症状が認められた(図1)。
腐敗部と健全部の境界から細菌を分離し、再現試験及び簡易同定を行った。分離した細菌は有傷接種により健全なアスパラガスを軟化腐敗させ、圃場における症状が再現された(図2)。細菌の同定を西山の簡易同定法により行い、さらに長崎県総合農林試験場において、細菌同定検査用キット(商品名:アピ20NE)を用いて行った結果、Erwinia carotovora subsp. carotovoraであると同定された。
国内における発生は秋田県で報告がある。

病徴
若茎が、水浸状に軟化腐敗し、軟腐病特有の悪臭を放つ。症状は地上部のみに限られ、地下部が腐敗した株は確認されなかった。立茎した親株での発病は確認されなかった。


防除対策
本病に対する登録薬剤はないので下記の耕種的防除に努める。
(1)土壌伝染性の病害であるので、既発生圃場の土壌を未発生圃場に持ち込まない。
(2)発病茎は見つけしだい圃場外に持ち出して処分し、雑草の除去など圃場の衛生管理に努める。
(3)圃場の排水をよくする。

         
     
  図1 圃場における発病の様子   図2 分離菌による再現試験