トップ > 長崎県内で新たに発生した病害虫 > えそ斑点病(スイカ)
     
 

     
 

発生確認の経過
(1)平成18年7月に西彼杵郡長与町で栽培されたユウガオ(かちどき)台木の接木スイカ(神武二号)で、果実外観の異常は見られないが、内部果皮部分に黄褐色え死塊が生じ、果肉が水浸状になるなどの症状が発生した(図)。県総合農林試験場、(独)中央農業総合研究センターによる同定の結果、Melon necrotic spot virusのスイカ系統(MNSV-W)による病害であることが確認された。
本病の国内での発生は1989年に鳥取県、1996年に高知県で確認されており、本県は3番目の発生である。

病徴
(1)果実の内部果皮部分に黄褐色え死塊が生じ、果肉が水浸状になるなどの症状を示し、食味の低下をまねく。
また、この発生事例では確認されていないが、茎に退緑色小斑点、後に黄褐色のえ死斑点、下位葉では葉脈え死となり、葉柄や巻ひげにもえ死が現れることがある。

病原ウイルスの諸性質
(1)第一次伝染源は汚染された種子や土壌であり、土壌中に生息する糸状菌の一種オルピディウム属菌による媒介や、感染植物からの汁液伝染により発生が広がる。
宿主範囲は、スイカ、ユウガオの他、カボチャ(はやと、新土佐)、キュウリ(久留米落合H)等の特定品種に感染が認められている。

防除対策
本病に対する登録薬剤はないので発生を認めた場合は下記の防除に努める。
(1)連作をさけ、ウリ科作物以外を輪作する。スイカを連作する場合は、他病害との防除をかねて土壌消毒を行う。
(2)一度使用した資材は消毒する。
(3)日常の管理作業による接触伝染に注意する。
(4)発病株は感染源となるため見つけしだい処分するほうがよい。ただし、引き抜くと隣の株の根を傷め、感染を助長するので、地際部から茎を切り、地上部を圃場外に持ち出し、地下部は収穫後に圃場外へ持ち出す。

     
   
 

 図 発病果実
(長崎県総合農林試験場病害虫科原図)