病 害 虫 情 報
 
病害虫名 ハスモンヨトウ
対象作物 イチゴ
 
1.発生地域  県下全域
2.発生時期  12月上旬
3.発生程度  多い
 
4.予察情報の根拠
(1)巡回調査では、11月下旬の発生圃場率が平年より高くなっています(表1)。
(2)平年は、10月下旬のビニル被覆前後の防除により、その後の発生はおおむね低下しますが、今年は11月下旬の時点でも若齢幼虫の発生が多く、だらだらと発生が続いており、追加防除が必要な圃場が多数見られます。
(3)今年は11月の気温が比較的高く推移したため、ハウスサイド開放時間が長く、成虫の断続的な飛び込みによる発生を助長したと考えられます。
 
5.防除上の注意事項
(1)発育が進んだ老齢幼虫は薬剤が効きにくい上に、昼間はマルチ下などに潜んでおり、発見しにくくなります。圃場を丁寧に観察して、若齢期の防除に努めて下さい。
(2)若齢幼虫はイチゴの生長点付近に潜んでいるので、芯葉付近を丁寧に観察して下さい。新鮮な虫糞が見られた場合には、その付近に生存幼虫が寄生している可能性が高いです。
(3)防除薬剤(表2)は、ハスモンヨトウに対する効果が高く、ミツバチに影響の少ないプレオフロアブルやトルネードフロアブル、マトリックフロアブル、フェニックス顆粒水和剤などを使用してください。アファーム乳剤も効果は高いですが、ハダニ類に対する効果も高いので、ハダニが同時に発生していない圃場では温存しておくのが得策です。
 
  表1.11月下旬のイチゴにおけるハスモンヨトウ発生量の年次推移


 
   年次  2004   2005  2006  2007
 発生圃場率(%)
平均被害株率(%)
  31
  2.4
  25
  3.9
  33
  4.1
  50
  6.3
 
  表2.イチゴのハスモンヨトウに対する主な防除薬剤
   薬剤名 希釈倍率 使用時期 使用回数 ミツバチへの影響日数
プレオフロアブル
トルネードフロアブル
マトリックフロアブル
フェニックス顆粒水和剤
アファーム乳剤
 1000
 2000
 2000
 2000
 2000
収穫前日
収穫前日
収穫前日
収穫前日
収穫前日
  4
  2
  3
  2
  2
    0
    1
    0
    1
    2
 使用前にもう一度ラベルを良く読んで、登録内容等を確認して下さい。