病害虫名 イネクビホソハムシ(イネドロオイムシ)
作物名 水稲
1.発生地域 県大和高原地域(奈良市東部山間、天理市東部山間、山添村、曽爾村、御杖村、宇陀市室生区、菟田野区)
2.発生時期 6月〜7月
3.発生程度 多い
4.注意報発表の根拠
(1)5月26日に実施した巡回調査では、大和高原地域の成虫発生圃場率は31%、平均寄生株率は 2.4%であり、6月以降の多発が見込まれます。
(2)昨年まで多発していた地域の水田において、越冬成虫の侵入を多数確認しています。
5.防除上の注意事項
(1)田植え時に箱粒剤を処理していても防除効果が低い場合がありますので、今後の発生状況に応 じて本田防除を行ってください。
(2)防除適期は6月上旬の成虫侵入・産卵盛期です。卵のふ化が始まり、いわゆる「泥負虫」や幼 虫による食害痕が目につく頃の防除では効果が劣りますので、注意してください。
(3)水田をよく観察して、成虫もしくは卵塊密度が株当たり0.5頭(卵塊)を越えた場合には直ちに 防除を行います。越冬成虫の侵入がダラダラ続く場合には、6月上旬の発生密度が低くても、そ の後密度が増加する場合もありますので、7月上旬頃までは適宜観察を続けてください。
(4)イネクビホソハムシの成虫は、体長4〜5mmの細長い甲虫で、翅鞘は青藍色、胸部は赤褐色で す。発生地では少し観察すれば稲の葉上に止まっているのを見つけることができます(写真)。 卵は長さ0.8mm程度の長卵型で、黄褐色から黒褐色です。稲の葉上で数卵から十数卵程度が固まっ て卵塊になっています。
(5)防除薬剤は、シクロパック粒剤、なげこみトレボン、トレボン粒剤が省力的です。ただし防除 が遅れて幼虫が多発した場合には粒剤の効果は劣りますので、トレボンEWなどの散布剤を処理 します。なお、トレボンの有効成分であるエトフェンプロックスの水稲における総使用回数は3 回以内ですので、斑点米カメムシ類等の防除で本剤の使用が想定される場合には、使用回数に注 意してください。
(6)農薬使用時にはラベルをよく読み、
登録条件を遵守して使用して下さい。