注意報
                  
平成22年度病害虫発生予察注意報第1号
 
病害虫名 果樹カメムシ類(チャバネアオカメムシ・クサギカメムシ・ツヤアオカメムシ) 作物名 ウメ・ナシ・モモ
 
1.発生地域 県下全域
 
2.発生時期 5月〜8月
 
3.発生程度 多い  
 
4.注意報発表の根拠
(1)県内のチャバネアオカメムシ越冬個体の密度は、平均11.4頭と過去10年間で3番目に高い値でした。また、越冬成虫がすべての調査地点で確認されました。
(2)5月26日にサクラ、クワ、キリへの寄生状況について巡回調査を行った結果、広域でチャバネアオカメムシの寄生が確認され(寄生樹率93%)、調査地点における平均虫数は5.9頭と多くなっています。
(3)予察灯へのチャバネアオカメムシの誘殺数は5月下旬以降大きく増加し、1日あたりの誘殺数が100頭を超える調査地点もみられます(誘殺消長グラフ)。
 
5.防除上の注意事項
(1)カメムシの飛来は気温と密接な関係があり、最低気温が高く、蒸し暑く感じる夜は特に注意が必要です。こまめに園地を見回り、新しい被害やカメムシを確認した場合は直ちに防除を行います。
(2)飛来がない園での予防散布は、効果が期待できないばかりか、天敵の減少によってカイガラムシ類、ハダニ類の増加につながるなど弊害が大きいので、控えます。
(3)黄色灯を点灯できる圃場は早急に点灯します。ただし、チャバネアオカメムシ以外には効果がないので、光源近くや園内でクサギカメムシやツヤアオカメムシが目立つ場合は薬剤防除が必要です。また、電撃殺虫器、果樹園に面した蛍光灯などの光源はカメムシを誘引するので、できる限り消灯します。
(4)カキ園には6月下旬(幼果期)以降飛来が多くなります。今後の情報に十分注意して下さい。 
(5)農薬散布時には、隣接する農作物に飛散しないように十分注意します。特に現在、甘柿受粉のためミツバチを放飼中ですので、周囲に甘柿園が存在する場合は細心の注意が必要です。また、農薬使用前にはラベルをよく読み記載された使用条件を遵守します。
 
 
 
 
表 カメムシ類に登録のある主な殺虫剤
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
作物名    薬剤名      希釈倍数   使用時期    使用回数    備 考
 ウメ アクタラ顆粒水溶剤   2000倍   収穫7日前まで  2回以内   ネオニコチノイド
     アルバリン顆粒水溶剤 2000 倍   収穫前日まで    3回以内   ネオニコチノイド
     スカウトフロアブル    2000倍   収穫前日まで   3回以内  合成ピレスロイド剤
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ナシ スミチオン水和剤40   800〜1000倍                 6回以内  有機リン剤
                            収穫14日前まで(有袋)
                            収穫21日前まで(無袋)
    アドマイヤー水和剤      1000倍    収穫3日前まで  2回以内  ネオニコチノイド
    アルバリン顆粒水溶剤   2000倍    収穫前日まで    3回以内  ネオニコチノイド剤
    アグロスリン水和剤   1000〜2000倍 収穫前日まで    3回以内  合成ピレスロイド剤
    アディオン乳剤         2000倍     収穫前日まで    2回以内  合成ピレスロイド剤
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
モモ  スミチオン水和剤40  800〜1000倍  収穫3日前まで  6回以内  有機リン剤
     アドマイヤー水和剤    1000倍     収穫3日前まで  2回以内  ネオニコチノイド剤
     アルバリン顆粒水溶剤   2000倍    収穫前日まで   3回以内  ネオニコチノイド剤
     アグロスリン水和剤     2000倍    収穫7日前まで  5回以内  合成ピレスロイド剤
     アーデント水和剤       1000倍    収穫前日まで   3回以内  合成ピレスロイド剤
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
※平成22年5月19日現在の登録状況ですが、農薬使用時にはラベルをよく読み、その登録条件を遵守して、使用して下さい。
 
 
 
 
 


このページのトップへ