注意報 |
平成22年9月28日
奈良県病害虫防除所長
平成22年度農作物病害虫発生予察注意報(第3号)
病害虫名:ハスモンヨトウ
対象作物:イチゴ、キャベツ等野菜類
1.発生地域 県下全域
2.発生時期 9月下旬〜11月
3.発生程度 多い
4.注意報発表の根拠
(1)橿原市のフェロモントラップにおける誘殺数は、9月2半旬より平年に比べて多く推移しています(図1)。
(2)9月下旬の巡回調査におけるハスモンヨトウ幼虫の発生圃場率は、イチゴで20%(被害発生圃場率60%)、ハクサイ20%で、平年よりやや多い発生でした。サトイモ、ダイズにおける発生は平年より多く、ダイズでは1aあたりのふ化幼虫による食害の数(白変か所数)は10〜15でした。今後、秋冬野菜を中心に被害が拡大すると予想されます。
5.防除上の注意事項
(1)中・老齢幼虫では薬剤の効果が劣るので、若齢期の防除を徹底します。特にBT剤、アタブロン乳剤等では早めの防除が重要です。
(2)卵塊や若齢幼虫の集団を発見したときは、摘葉して捕殺します。若齢幼虫集団には薬剤のスポット散布も効果的です。
(3)キャベツやブロッコリー等では、若齢幼虫による下葉の白変に注意し、適期防除を行います。
(4)イチゴでは、施設のパイプや防虫ネット等の資材にも産卵するため、必ずしも若齢幼虫は集団では発生しません。新葉や開花した花の中などを観察し、若齢期の防除に努めます。
(5)平成22年9月27日現在の主な登録薬剤は表のとおりです。薬剤散布については、作物ごとに農薬使用基準を遵守し、周辺の作物への飛散防止対策を徹底します。
(6)一部地域では、シロイチモジヨトウの多発も認めていますので、ネギ等では注意してください。
表 ハスモンヨトウに適用のある主な薬剤(平成22年9月27日現在)
薬 剤 名 希釈倍数・使用量 使用時期 使用回数
野菜類(BT剤)
クオークフロアブル 400倍 発生初期(前日) −
ゼンターリ顆粒水和剤注1) 1000倍 発生初期(前日) −
イチゴ
アファーム乳剤 2000倍 前日 2回
コテツフロアブル 2000倍 前日 2回
トルネードフロアブル 2000倍 前日 2回
プレオフロアブル 1000倍 前日 4回
フェニックス顆粒水和剤 2000倍 前日 2回
プレバソンフロアブル5 2000倍 前日 2回
アタブロン乳剤 2000倍 前日 3回
ファルコンフロアブル 4000倍 前日 3回
マトリックフロアブル 2000倍 前日 3回
キャベツ
アファーム乳剤 1000〜2000倍 7日前 3回
コテツフロアブル 2000倍 3日前 2回
トルネードフロアブル 2000倍 7日前 2回
プレオフロアブル 1000倍 7日前 2回
フェニックス顆粒水和剤 2000倍 前日 3回
プレバソンフロアブル5 2000倍 前日 3回
アタブロン乳剤 2000倍 7日前 4回
ファルコンフロアブル 2000〜4000倍 7日前 2回
マトリックフロアブル 2000倍 7日前 4回
ハクサイ
フェニックス顆粒水和剤 2000倍 前日 3回
アタブロン乳剤 2000倍 7日前 4回
注1)ゼンターリ顆粒水和剤は、野菜類(ハクサイを除く)での登録