注意報
                                         平成23年7月29日
 奈良県病害虫防除所長  
   平成23年度病害虫発生予察注意報 第2号
 
             病害虫名 炭疽病
             対象作物 カキ(富有)
 
1.発生地域 県下全域
 
2.発生時期 8月〜9月
 
3.発生程度 多い  
 
4.注意報発表の根拠
(1)7月下旬の巡回調査では、甘柿園(富有)における炭疽病の発病果率は1.5%、発病枝率(病  斑の見られる新梢)は1.6%であり、ともに過去5年間の値(0〜0.2%)と比べ高くなってい  ます。発生ほ場率は50%であり、広範囲での発生が認められます。また、多発園では落果被  害もみられます。
 
5.防除上の注意事項
(1)8月の高温期には病勢は停滞しますが、9月に入り気温が低下すると、果実での発病が増加 します。ほ場をよく観察し、発病枝や発病果をできる限り除去し、秋期の感染源を減らしてお くことが特に重要です。発病枝・果実はほ場内に放置せず、必ず園外に持ち出し処分します。
(2)8月中においても、低温・降雨が続く場合や台風通過後には、速やかに防除を実施します。
(3)発生園では、9月上中旬の基幹防除に加え、9月下旬に防除を行い、二次伝染を防止します。
(4)農薬使用前にはラベルをよく読み、記載された使用条件を遵守します。また、薬液が隣接す  る農作物に飛散しないように十分注意します。
 
  表 カキ炭疽病に対する主な適用薬剤(平成23年7月20日現在)

      薬剤名         希釈倍数      使用時期    総使用回数   備考  

  キノンドーフロアブル     800〜1,000倍    着色期前まで(但し、収穫14日前まで)8回以内注) 有機銅剤
  ベルクート水和剤      1,000〜1,500倍    収穫14日前まで  3回以内   グアニジン系
  ストロビードライフロアブル    3,000倍    収穫14日前まで  3回以内   ストロビルリン系
  アミスター10フロアブル       1,000倍    収穫7日前まで  3回以内   ストロビルリン系
  オンリーワンフロアブル   2,000〜3,000倍    収穫14日前まで  3回以内   DMI(EBI)剤
  スコア顆粒水和剤         3,000倍    収穫前日まで   3回以内   DMI(EBI)剤

 注)有機銅を含む農薬の総使用回数:塗布は3回以内、散布は5回以内
 


このページのトップへ