平成23年度農作物病害虫情報(第2号)
病害虫名 黒星病
対象作物 ナシ
1.発生地域 県下全域
2.発生時期 6月〜7月
3.発生程度 やや多い
4.病害虫情報発表の根拠
(1)赤ナシ園(幸水・豊水)では、梅雨入り以降曇雨天日が多く、感染・発病に好適な条件が続いたことから、黒星病の発生が例年よりやや多く推移しています。
(2)6月下旬の巡回調査において、減農薬栽培に地域ぐるみで取り組んでいる斑鳩町現地圃場で は発病葉率が13.1%、発病果率が9.5%と高くなっていま す。大淀町現地ほ場では発病葉率が2.8%ですが、一部多発園もみられます。
5.防除上の注意事項
(1)病斑の認められる発病葉や発病果は、周囲の葉・果実への伝染源となりますので、できる限 り取り除き、園外へ持ち出し処分します。特に、園の外周部や枝の混み合った部分など、薬液 のかかりにくいところは多発している場合が多く、入念に確認しておきます。また、薬液のか けむらのないように十分注意します。
(2)多発園では、梅雨期間中は約7日間隔で防除を実施します。同一系統薬剤の連用を控え、異 なる系統の薬剤をローテーション散布します。
(3)農薬使用前にラベルをよく読み、記載された使用条件を遵守します。また、薬液が隣接する 農作物に飛散しないように十分注意します。
表 ナシ黒星病に対する主な適用薬剤(平成23年6月22日現在)
薬剤名 希釈倍数 使用時期
総使用回数 備考
キノンドーフロアブル 1,000倍
収穫3日前まで 9回以内 有機銅剤*
オキシラン水和剤 500〜600倍
収穫3日前まで 9回以内 キャプタン+有機銅剤*
ベルクート水和剤 1,000〜1,500倍
収穫14日前まで 4回以内 グアニジン系
ストロビードライフロアブル 3,000倍
収穫前日まで 3回以内 ストロビルリン系
アミスター10フロアブル 1,000〜1,500倍
収穫前日まで 5回以内 ストロビルリン系
スコア顆粒水和剤 4,000倍
収穫14日前まで 3回以内 DMI(EBI)剤
ラリー水和剤 2,000〜3,000倍
収穫14日前まで 3回以内 DMI(EBI)剤
オンリーワンフロアブル 2,000〜4,000倍
収穫前日まで 3回以内 DMI(EBI)剤
*:有機銅又はキャプタンを含む製剤の総使用回数はそれぞれ9回以内