注意報
 
 

 
平成24年度病害虫発生予察注意報第1号
 
病害虫名 果樹カメムシ類(チャバネアオカメムシ・クサギカメムシ・ツヤアオカメムシ) 作物名 ウメ・ナシ・モモ・カキ
 
1.発生地域 県下全域
 
2.発生時期 5月〜8月
 
3.発生程度 多い  
 
4.注意報発表の根拠
(1)県内18箇所のチャバネアオカメムシ越冬個体の密度は、平均7.0頭/50L落葉と多く、越 冬成虫はほぼすべての調査地点で確認されました。
(2)5月11日にサクラ、クワ樹への寄生状況について県内全域の巡回調査を行った結果、チ ャバネアオカメムシの寄生が多くの調査地点で確認され(寄生樹率83%)、調査地点におけ る平均虫数も4.3頭/樹と、早くから果樹に被害がみられた平成20年並の多さとなっています。
(3)予察灯への誘殺数は各所ともに少ない状況ですが、今後気温は平年より高く推移すると 予想されており(1か月予報:5月11日発表)、気温の上昇に伴いカメムシの行動が活発に なる恐れがあります。
 
5.防除上の注意事項
(1)カメムシの飛来は気温と密接な関係があり、最低気温が高く、蒸し暑く感じる夜は特に 注意が必要です。こまめに園地を見回り、新しい被害やカメムシを確認した場合は直ちに防 除を行います。
(2)飛来がない園での予防散布は、効果が期待できないばかりか、天敵の減少によってカイ ガラムシ類、ハダニ類の増加につながるなど弊害が大きいので控えます。
(3)黄色灯を点灯できる圃場は早急に点灯します。ただし、チャバネアオカメムシ以外には 効果がないので、光源近くや園内でクサギカメムシやツヤアオカメムシが目立つ場合は薬剤 防除が必要です。また、電撃殺虫器、果樹園に面した蛍光灯などの光源はカメムシを誘引す るので、できる限り消灯します。
4)5月〜6月は、ナシ、モモの幼果およびウメが被害を受けやすく、ナシ、モモの有袋栽 培では袋かけを早めに終えるようにします。
(5)カキ園には6月下旬(幼果期)以降飛来が多くなります。今後の予察情報に十分注意し て下さい。 
(5)農薬散布時には隣接する農作物に飛散しないように十分注意します。また、農薬使用前 にはラベルをよく読み記載された使用条件を遵守します。
 
 
 
表 カメムシ類に登録のある主な殺虫剤
作物名    薬剤名    希釈倍数   使用時期   使用回数    備 考
ウメ アクタラ顆粒水溶剤  2000倍   収穫7日前まで  2回以内   ネオニコチノイド
    アルバリン顆粒水溶剤 2000倍   収穫前日まで   3回以内   ネオニコチノイド
    スカウトフロアブル  2000倍   収穫前日まで   3回以内  合成ピレスロイド剤
ナシ スミチオン水和剤40 800〜1000倍 収穫14日前まで(有袋)6回以内 有機リン剤
                    収穫21日前まで(無袋)6回以内
    アドマイヤー水和剤  1000倍   収穫3日前まで  2回以内  ネオニコチノイド
    アルバリン顆粒水溶剤 2000倍   収穫前日まで   3回以内  ネオニコチノイド剤
    アグロスリン水和剤 1000〜2000倍 収穫前日まで   3回以内  合成ピレスロイド剤
    アディオン乳剤    2000倍   収穫前日まで   2回以内  合成ピレスロイド剤
モモ  スミチオン水和剤40  800〜1000倍 収穫3日前まで  6回以内  有機リン剤
    アドマイヤー水和剤  1000倍   収穫3日前まで  2回以内  ネオニコチノイド剤
    アルバリン顆粒水溶剤 2000倍   収穫前日まで   3回以内  ネオニコチノイド剤
    アグロスリン水和剤  2000倍   収穫7日前まで  5回以内  合成ピレスロイド剤
カキ  アドマイヤー水和剤  1000倍   収穫7日前まで  3回以内  ネオニコチノイド剤
    アルバリン顆粒水溶剤 2000倍   収穫前日まで   3回以内  ネオニコチノイド
    MR.ジョーカー水和剤  2000倍   収穫14日前まで  2回以内  合成ピレスロイド剤
    アグロスリン水和剤 1000〜2000倍 収穫前日まで   3回以内  合成ピレスロイド剤
※平成24年5月1日現在の登録状況ですが、農薬使用時にはラベルをよく読み、その 登録条件を遵守して、使用して下さい。
 


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