発生予察巡回調査(11月26日)において、泉州地域の一部ほ場でキャベツ黒腐病の
多発が認められました。その他のほ場では、ほとんどが少発生ですが、
今後の天候次第では発生が増加する可能性があり注意が必要です。
本病が進むと肥大が悪くなったり、結球内にも発生し、品質を著しく低下させ、
減収させる場合があります。特に、晩生種の冬キャベツや春キャベツなどでは注意しましょう。
ほ場をよく見回り発生に気をつけ、下記事項に注意し防除に努めましょう。
<生態と被害の特徴>
・キャベツの他、ブロッコリー、カリフラワーなど、あぶらな科野菜を侵す。
・病原菌は細菌の一種で土中で生存し、降雨などの水滴の跳ね上がりにより感染する。
・病斑部の病原菌は、雨風で飛散し、二次伝染する。
・発生初期は、下葉の周縁からV字型の黄色い病斑ができ、あるいは丸みを帯びた不整形
の病斑となることがある。やがて病斑が拡大すると葉脈が褐色から紫黒色に変わる。
・さらに被害が進むと地際の茎が侵され、導管が黒変する。
発生予察巡回調査結果(25株調査/ほ場) 11月26日
泉佐野市(長滝) | 泉佐野市(日根野) | |
被害株率(%) | 64(%) | 4(%) |
*長滝:3ほ場 日根野:2ほ場
黒腐病多発ほ場 黒腐病の被害葉
<防除対策>
(耕種的防除)
・あぶらな科野菜の連作を避ける。
・収穫後の残さ(被害株や葉)は、伝染源となるのでほ場から持ち出し処分する。
(薬剤による防除)
・被害が拡大してからの薬剤防除は効果が期待できない場合が多い。予防散布や発生初期
の防除に努める。特に、大雨や強風後は被害が拡大しやすいので注意する。
(薬剤は、下記参照)
<防除薬剤(キャベツ)>
・発生の見込まれる時期に次の薬剤を散布する(収穫前使用日数に注意)。
ベジキーパー水和剤(1,000倍 発病前~発病初期/-)
キノンドーフロアブル(800~1,000倍 14日/3回)
・発生を認めたら、次の薬剤を散布する。
バリダシン液剤5 (800倍 7日/5回)
アグリマイシン-100 (2,000倍 14日/2回)
◎防除薬剤については、
●Web版大阪府病害虫防除指針
(http://www.jppn.ne.jp/osaka/shishin/shishin.html)
●農林水産消費安全技術センター 農薬登録情報提供システム
(http://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm)
で確認してください。