平成24年4月にヒメトビウンカの発生状況とイネ縞葉枯病ウイルスの保毒状況の調査
を行ったところ、結果は下記のとおりになりました。
(1)4月17~23日に5地点の調査水田内及び畦畔で、ヒメトビウンカの発生状況を調
査したところ、網振り20回振り当たりヒメトビウンカ成虫捕獲数は1.2頭でした。
(2)捕獲したヒメトビウンカのイネ縞葉枯病ウイルス保毒虫率をラテックス凝集法によ
り調査したところ、地点によりばらつきはありますが、府内平均の保毒虫率は9%
と昨年に次ぐ水準となっています(表及び参考参照)。
(3)以上のことから、今年も昨年同様、縞葉枯病の発生が増える可能性があります。ヒ
メトビウンカの発生初期に防除をするなど、縞葉枯病の予防に努めましょう。
〈防除対策〉
○ヒメトビウンカの防除を徹底する。本田初期の感染を防止するため、移植当日にヒメト
ビウンカの防除薬剤を育苗箱施用する。
○育苗ほへのヒメトビウンカの飛び込みを防ぐため、イネ科雑草地付近での育苗を避ける。
○水田、畦畔の除草を田植前までに行う。
○窒素過多は縞葉枯病の発生を助長するので適正な肥培管理を行う。
○イネ縞葉枯病とは
縞葉枯病はヒメトビウンカによって媒介されるウイルス病で、本田初期に発生する場合
が多く、新葉が細くなって巻いたまま垂れ下がって枯れ上がり、その症状から「ゆうれい
病」とも呼ばれています。近年、西日本各県で発生が増えており、大阪府内でも発生が確
認されています。また、幼穂形成期以降に感染すると,葉に黄緑色の斑紋や主脈に平行し
て黄緑色のたて縞ができ、これら発病した株の穂は多くの場合、出すくみとなります。
ヒメトビウンカのウイルス保毒は、老齢幼虫及び成虫時に起こり、経卵伝染します。
(表)平成24年4月のヒメトビウンカの発生状況とそのイネ縞葉枯病ウイルスの保毒虫率
調査地点 | 20回振り当たりヒメトビウンカ成虫捕獲数(頭) | 検定虫数(頭) | 保毒虫率(%) |
河南町 | 1.4 | 7 | 14.3 |
富田林市 | 0.7 | 9 | 0 |
堺市 | 0.8 | 12 | 8.3 |
和泉市 | 2.5 | 25 | 12.0 |
岸和田市 | 0.6 | 3 | 0 |
合計 | 1.2 | 56 | 9.0 |
(参考)平成16~24年までのヒメトビウンカ検定虫数及び保毒虫率
検定虫数(頭) | 保毒虫率(%) | |
平成16年 | 111 | 0 |
平成17年 | - | - |
平成18年 | 25 | 0 |
平成19年 | - | - |
平成20年 | 61 | 0 |
平成21年 | 11 | 0 |
平成22年 | 0 | - |
平成23年 | 106 | 17.0 |
平成24年 | 56 | 9.0 |
◎防除薬剤については、
●Web版大阪府病害虫防除指針
(http://www.jppn.ne.jp/osaka/shishin/shishin.html)
●農林水産消費安全技術センター 農薬登録情報提供システム
(http://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm)
で確認してください。