病害虫発生予察注意報第1号
(平成24年6月13日)


                                       
 病害虫名 果樹カメムシ類
      (チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシ) 
1  発生作物   果樹全般(もも、うめ、かき等)

2 発生地域   大阪府全域

3 発生の状況
    本年は全国的に越冬成虫が多いという情報があり、注意を呼びかけていたが、府内でも5月末から
    6月初めになって、フェロモントラップによる果樹カメムシ類の誘殺虫数が増え、平成19~23年の
    平均値の3~10倍程度となっている。
   現在果実肥大期のももを中心に大きな被害を受ける可能性がある。
   羽曳野市、岸和田市に設置したフェロモントラップによる誘殺数は、下表のとおりである。
    河内長野市のもも園に設置したフェロモントラップでも、多数の誘殺が確認されている。

              
カメムシ類種類 羽曳野市
期間(5/30~6/5)
岸和田市
期間(6/1~7)
チャバネアオカメムシ 56頭(6.8頭) 72頭(8.2頭)
ツヤアオカメムシ 17頭( 5頭) 2頭(0.2頭)
クサギカメムシ 1頭( 1頭) 1頭 (0.2頭)
( )内は平成19~23年の平均値
   
4 果樹カメムシ類の生態
(1)主な増殖場所は、スギやヒノキ等の山林で、餌となる球果が不足すると果樹園に飛来し、果樹の
  果実を吸汁して落果や奇形果等の被害が発生する。
(2)もも、うめなどの核果類や、なし、かき等が食害を受けやすい。多発するとかんきつ類やぶどう
  にも被害が及ぶ恐れがある。
(3)果実袋を使用した場合でも、果実の肥大に伴って果実袋と果実が密着すると、袋の上から吸汁さ
  れることもある。
(4)チャバネアオカメムシの雄は集合フェロモンを放出し、同種の個体を誘引するため、特定の果樹
  園に一夜にして多数飛来することがある。


5 防除対策
(1)カメムシ類の活動が活発になる夕方に園内を見回り、発生を確認したら速やかに薬剤散布を行う
 散布薬剤の例
 ○もも
 ・アドマイヤー顆粒水和剤(10,000倍 3日/2回)
 ・アディオン乳剤(2,000倍 7日/6回)
 ・モスピラン顆粒水溶剤(2,000~4,000倍 前日/3回)
(2)成虫の移動能力は高く、次々と飛来するため、こまめな防除が必要となる。
(3)収穫期近くでも防除が必要となるため、薬剤散布に当たっては、収穫前日数や使用回数に充分
  注意する。
(4)樹高の高い樹に散布する場合は、周囲に飛散しやすいので、薬剤を散布する時、特に注意する。

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