病害虫名 果樹カメムシ類 (チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシ)
1 発生作物 果樹全般(もも、うめ、かき等) 2 発生地域 大阪府全域 3 発生の状況 本年は全国的に越冬成虫が多いという情報があり、注意を呼びかけていたが、府内でも5月末から 6月初めになって、フェロモントラップによる果樹カメムシ類の誘殺虫数が増え、平成19~23年の 平均値の3~10倍程度となっている。 現在果実肥大期のももを中心に大きな被害を受ける可能性がある。 羽曳野市、岸和田市に設置したフェロモントラップによる誘殺数は、下表のとおりである。 河内長野市のもも園に設置したフェロモントラップでも、多数の誘殺が確認されている。
カメムシ類種類 | 羽曳野市 期間(5/30~6/5) |
岸和田市 期間(6/1~7) |
チャバネアオカメムシ | 56頭(6.8頭) | 72頭(8.2頭) |
ツヤアオカメムシ | 17頭( 5頭) | 2頭(0.2頭) |
クサギカメムシ | 1頭( 1頭) | 1頭 (0.2頭) |
4 果樹カメムシ類の生態 (1)主な増殖場所は、スギやヒノキ等の山林で、餌となる球果が不足すると果樹園に飛来し、果樹の 果実を吸汁して落果や奇形果等の被害が発生する。 (2)もも、うめなどの核果類や、なし、かき等が食害を受けやすい。多発するとかんきつ類やぶどう にも被害が及ぶ恐れがある。 (3)果実袋を使用した場合でも、果実の肥大に伴って果実袋と果実が密着すると、袋の上から吸汁さ れることもある。 (4)チャバネアオカメムシの雄は集合フェロモンを放出し、同種の個体を誘引するため、特定の果樹 園に一夜にして多数飛来することがある。 5 防除対策 (1)カメムシ類の活動が活発になる夕方に園内を見回り、発生を確認したら速やかに薬剤散布を行う 散布薬剤の例 ○もも ・アドマイヤー顆粒水和剤(10,000倍 3日/2回) ・アディオン乳剤(2,000倍 7日/6回) ・モスピラン顆粒水溶剤(2,000~4,000倍 前日/3回) (2)成虫の移動能力は高く、次々と飛来するため、こまめな防除が必要となる。 (3)収穫期近くでも防除が必要となるため、薬剤散布に当たっては、収穫前日数や使用回数に充分 注意する。 (4)樹高の高い樹に散布する場合は、周囲に飛散しやすいので、薬剤を散布する時、特に注意する。