キャベツを始めとするあぶらな科野菜のハイマダラノメイガ(ダイコンシンクイ)の
発生に注意しましょう。
9月上旬(泉佐野市)の巡回調査では、苗床や定植後のキャベツやブロッコリーで
ハイマダラノメイガの発生が確認されています(表1)。
また、羽曳野市*1の予察灯では、平年と比べ本虫の飛来成虫数がやや多くなって
います(表2)。
あぶらな科野菜*2は、育苗期や定植直後の生育初期に、生長点を加害されると
被害が大きくなります。特に、キャベツなど結球するあぶらな科野菜では芯止まりとなり、
商品価値を失います。
そのため、育苗期や定植時などの時期に、以下の薬剤を施用するなどの対策を行い、
被害を防止しましょう。
*1 (地独)大阪府立環境農林水産総合研究所内
*2 あぶらな科野菜:キャベツ、はくさい、だいこん、ブロッコリー、カリフラワー、
非結球あぶらな科葉菜類(こまつな、しろな等)、
なばな類など
(表1)被害状況(泉佐野市9月3日調査)
作 物 名 | 被害株率(%) |
キャベツ (苗床) | 2.0 |
キャベツ(セル成型苗) | 0.0 |
キャベツ (定植後) | 5.0 |
ブロッコリー(定植後) | 7.0 |
(表2)予察灯への飛来成虫数(羽曳野市) 単位:頭
月・旬 | 7 | 8 | ||||
上 | 中 | 下 | 上 | 中 | 下 | |
平成25年 | 7.0 | 34.0 | 16.0 | 35.0 | 86.0 | 39.0 |
5カ年平均(H20〜24) | 2.6 | 14.4 | 18.4 | 19.8 | 34.4 | 26.2 |
○対策
以下の薬剤を施用したり、耕種的防除を組み合わせ防除しましょう。
1 耕種的防除法
・育苗中の苗は、寒冷しゃ等で被覆し、成虫の侵入を防ぐ。
・定植には健全苗を使用し、本ぽへの幼虫の持ち込みを防ぐ。
2 薬剤による防除法
・育苗期のかん注、粒剤の株元散布などの処理を行う。また、定植時の株元散布・植穴
処理、育苗期から定植後にかけて、水和剤等の散布処理を行う。
・散布は、薬液が芯葉に届くよう丁寧に散布する。
○薬剤例
・下記は、薬剤の例。詳細は、「農作物病害虫防除指針」を参照。
<キャベツ>
薬 剤 名 | 希釈倍数 使用量 |
使 用 方 法 |
使 用 時 期 |
本 剤 使用回数 |
プレバソンフロアブル5*6 | 100倍 | かん注*3 | 育苗期後半〜 定植当日 |
1回 |
500倍 | かん注*4 | |||
2,000倍 | 散 布 | 収穫前日まで | 3回以内 | |
ジュリボフロアブル*6*7 | 200倍 | かん注*3 | 育苗期後半〜 定植当日 |
1回 |
スタークル顆粒水溶剤 アルバリン顆粒水溶剤 |
50〜 100倍 |
かん注*5 | 定植前日 〜定植時 |
1回 |
アクタラ粒剤5*7 | 2g/株 | 株元散布 | 育苗期後半 | 1回 |
2g/株 | 植穴処理 | 定植時 | ||
モスピラン粒剤 | 0.5g/株 | 株元散布 | 定植前日〜 定植当日 |
1回 |
スピノエース顆粒水和剤 | 5,000倍 | 散 布 | 収穫3日前まで | 3回以内 |
アファーム乳剤 | 1,000〜 2,000倍 |
散 布 | 収穫前日まで | 3回以内 |
フェニックス顆粒水和剤 | 2,000〜 4,000倍 |
散 布 | 収穫前日まで | 3回以内 |
<ブロッコリー>
薬 剤 名 | 希釈倍数 使用量 |
使 用 方 法 |
使 用 時 期 |
本 剤 使用回数 |
プレバソンフロアブル5*6 | 2,000倍 | 散 布 | 収穫前日まで | 3回以内 |
ジュリボフロアブル*6*8 |
200倍 | かん注*3 | 育苗期後半〜 定植当日 |
1回 |
アクタラ粒剤5*8 |
2g/株 | 株元散布 | 育苗期後半 | 1回 |
フェニックス顆粒水和剤 | 2,000〜 4,000倍 |
散 布 | 収穫前日まで | 2回以内 |
モスピラン粒剤 | 0.5g/株 | 株元散布 | 定植前日〜 定植当日 |
1回 |
*3 セル成型育苗トレイ1箱又はヘ°ーハ°ーホ°ット1冊(約30×60cm、使用土壌約1.5〜4L)当り0.5L
*4 苗地床1u当り2L
*5 セル成型育苗トレイ1箱又はヘ°ーハ°ーホ°ット1冊(30×60cm、使用土壌約3L)当り0.5L
*6 クロラントラニリプロールを含む農薬の総使用回数:4回以内
(定植時までの処理は1回以内、散布は3回以内)
*7 チアメトキサムを含む農薬の総使用回数:4回以内
(粒剤の処理、水溶剤及び水和剤のかん注は合計1回以内、水溶剤及び液剤の散布
は合計3回以内)
*8 チアメトキサムを含む農薬の総使用回数:4回以内
(粒剤の処理及び水和剤のかん注は合計1回以内、散布は3回以内)
ハイマダラノメイガ(ダイコンシンクイ)と芯葉被害
◎防除薬剤については、
●Web版大阪府病害虫防除指針
(http://www.jppn.ne.jp/osaka/shishin/shishin.html)
●農林水産消費安全技術センター 農薬登録情報提供システム
(http://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm)
で確認してください。