たまねぎの病害(べと病など)の発生に注意を!


 たまねぎでは一部の地域で、べと病などの病害の発生が増加してきました。発生予察巡回調査(4月25日、阪南市・岸和田市)において、
前回調査(4月12日)と比較して、これら病害の発生の増加が確認されています。また、予察定点以外のほ場においても、
発生がやや目立つほ場が認められました。
 本年の春期は、平均気温がやや低めの傾向にあり、降水量もやや少なかったことから、べと病などの発生は少なめに推移してきましたが、
今回の調査では発生の増加が認められ、例年4月中旬から5月上旬にかけて発生が増える傾向にあるため、今後の天候によっては注意が必要となります。
 この時期から収穫前に、これらの病害にかかると球の肥大が悪くなり、収量の減少や品質が低下します。
 ほ場をよく見回り下記事項に注意しながら病害の発生に気をつけ、早期の防除に努めましょう。

 たまねぎの葉にでる主な病害
( べ と 病)
・主に葉に発生。春に発生する二次病斑は、黄色で大型の長卵形から楕円形をしている。病斑上に、白または暗紫色のかびが生えることが多い。

(白 色 疫 病)
・ 主に葉に発生。初め中央部付近に、不整形で周縁部がやや不鮮明な油浸状、青白色の病斑を生じる。拡大すると葉は下垂しよじれる。
 被害が進むと、株のほとんどの葉が白色の葉枯れ状となる。

(ボトリチス葉枯症)
・Botrytis squamosa, B.cinerea, B. byssoideaの3種類の菌。被害は酷似、ホ゛トリチス葉枯症と総称。主に葉に発生。
 寒冷期は汚白色をした円形~楕円形の1~2mmの病斑。 
 4月以降は長楕円~紡錘形、B.byssoideaでは、輪郭がやや不鮮明な数cmの萎凋斑となる。

<防除対策>
(耕種的防除)
・排水を良くする。
・被害葉や被害株は速やかに、ほ場外へ持ち出し処分する。
(薬剤による防除)
・予防散布に重点をおく。
・発生を確認したら、速やかに薬剤散布を行う。

    
 べと病の被害葉 その1            べと病の被害葉 その2
   (黄色い大型病斑)               (暗紫色のかび)

     
     白色疫病の被害葉           ボトリチス葉枯症(右側の小型の病斑)
                           と灰色かび病(左側の大型病斑)
                          (原図:地方独立行政法人大阪府立環境農林
                              水産総合研究所・岡田主幹研究員)

<防除対策> 
(耕種的防除)
・排水を良くする。
・被害葉や被害株は速やかに、ほ場外へ持ち出し処分する。
(薬剤による防除)
・予防散布に重点をおく。
・発生を確認したら、速やかに薬剤散布を行う。

<参考:発生予察調査結果> 各市2地点・各地点25株調査
べと病    /阪南市  (4月11日) 0.0 %  (4月25日) 2.0 %
        /岸和田市 (4月11日) 6.0%  (4月25日) 10.0%
白色疫病 /阪南市   (4月11日) 0.0 %  (4月25日) 2.0 %
       /岸和田市 (4月11日) 0.0%  (4月25日)0.0%
ホ゛トリチス   / 阪南市  (4月11日) 0.0%  (4月25日)6.0%
葉枯れ   /岸和田市 (4月11日) 0.0%  (4月25日)6.0%

*定点調査以外でも、発生を確認(4月25日)。べと病150株調査、その他50株調査。
べと病       /阪南市  :17.3%
白色疫病    /阪南市  : 4.0%
ホ゛トリチス葉枯れ /泉佐野市 :18.0%

<参考:登録薬剤:たまねぎ(白色疫病・べと病)>
シ゛マンタ゛イセン水和剤(注1)    (白色疫病)400~500倍 3日/5回
                    (べと病)400~600倍 3日/5回
リト゛ミルコ゛ールト゛MZ(注1)      (白色疫病)1,000倍 7日/3回
                     (べと病) 1,000倍 7日/3回
ホライス゛ント゛ライフロアフ゛ル       (白色疫病)2,500倍 3日/3回
                   (べと病)2,500倍 3日/3回
フ°ロホ°ース゛顆粒水和剤      (白色疫病)1,000倍 7日/3回
                    (べと病)1,000倍 7日/3回
*ホ゛トリチス葉枯れ症の登録薬剤はない。
(注1):マンゼブを含む農薬の総使用回数は、5回

◎防除薬剤については、
  ●Web版大阪府病害虫防除指針(http://www.jppn.ne.jp/osaka/)
  ●農林水産消費安全技術センター 農薬登録情報提供システム
   (http://www.acis.famic.go.jp/searchF/vtllm000.html)
                            にて確認してください。
                                                              

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