水稲のトビイロウンカの発生に注意しましょう!

(平成25年9月13日発表)

 水稲のトビイロウンカについては、今年は全国的に注意報(九州各県、山口県、広島県、徳島県、奈良県、千葉県)や警報(長崎県、大分県)、防除情報(京都府、兵庫県)が発表されています。大阪府内の発生状況について9月に地点を増やして調査したところ、全般的には発生は平年並でしたが、一部地域でやや多い水田も見られました。9月の気温はやや高いと予想されており、トビイロウンカの増殖に適した条件となっています。ヒノヒカリなどの中生種や晩生種では、注意が必要ですので、水田を良く見回り、発生している場合は防除を行いましょう。
 また、コブノメイガも、一部の水田で発生がやや多く見られることから、注意しましょう。

〈トビイロウンカの大阪府内の9月の発生状況(25株当たり虫数 頭)〉

H25 H24 過去10年間平均値
能勢町倉垣 2.0 0.0 0.1
  〃 平野 2.5 - -
豊能町切畑 0.0 0.3 0.3
茨木市下音羽 5.7 1.3 0.4
八尾市水越 0.3 0.0 1.5
富田林市西板持 4.3 0.3 0.6
和泉市国分 1.0 1.7 1.4
泉佐野市日根野 0.0 0.0 1.0
岬町谷川 0.3 0.0 0.4



▲トビイロウンカ成虫(長翅型)(全体が脂ぎった褐色。体長は4〜5mm程度)

〈トビイロウンカ(秋ウンカ)について〉
 成虫と幼虫が株元付近で吸汁加害する。
 株当たりの寄生虫数が急激に増加し、特に出穂期以降に多発するとほ場の一部が
 直径5〜10mの円形に枯れるため、坪枯れと呼ばれる被害となる。
 多発時には9月上〜中旬に1〜2回防除が必要である。

〈防除対策〉
 ほ場の状況をよく観察し、早期発見に努める。トビイロウンカは、ほ場間や同一ほ場内でも発生に偏りがあるので、ほ場の見回りを徹底し、ほ場全体の発生状況の把握に努める。
 株元に寄生しているので、薬剤散布は株元まで十分に薬剤が行き渡るように行う。
 薬剤抵抗性の出現を防ぐため、同一グループの薬剤を連用しない。
 薬剤防除については、以下の薬剤を参考とする。
・スタークル粒剤、アルバリン粒剤(ウンカ類 3kg/10a 7日/3回)
・スタークル顆粒水溶剤、アルバリン顆粒水溶剤(ウンカ類 3,000倍 7日/3回)
・アプロード水和剤(ウンカ類幼虫 1,000〜2,000倍 7日/4回)
・MR.ジョーカーEW(ウンカ類 2,000倍 14日/2回)
・MR.ジョーカー粉剤DL(ウンカ類 3〜4kg/10a 7日/2回)

※薬剤の使用にあたってはラベルをよく読んで収穫前日数に注意する。
※同一成分を含む農薬の総使用回数にも注意する。
※薬剤を散布する時は、周囲に飛散しないよう注意する。

◎防除薬剤については、
 ●Web版大阪府病害虫防除指針
  (http://www.jppn.ne.jp/osaka/shishin/shishin.html)
 ●農林水産消費安全技術センター 農薬登録情報提供システム
  (http://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm)
  で確認してください。

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