果樹カメムシ類については、既に注意報(5月30日病害虫発生予察注意報第1号発表)により、的確な防除を行うようお願いしているところです。その後、フェロモントラップの誘殺虫数は、8月以降は減少傾向にあるものの、9月以降も平年に比べて多く見られます(表1、2参照)。今年のスギ、ヒノキ花粉の飛散量は少なかった(※)ことから、果樹カメムシ類の主要なえさとなる球果の量も少ないと予想され、新世代成虫がえさ不足となり、果樹園への飛来が増える恐れがあります。引き続き発生に注意し、飛来が確認された果樹園では、防除を行いましょう。
※環境省 4月25日発表 大阪 平年の63%、昨年の38%
○発生状況
表1 チャバネアオカメムシのフェロモントラップ誘殺状況
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河内長野市(頭) |
岸和田市(頭) |
8月中旬 |
1261(27) |
256(19) |
8月下旬 |
585(10) |
90(11) |
9月上旬 |
294( 6) | 35( 9) |
表2 ツヤアオカメムシのフェロモントラップ誘殺状況
河内長野市(頭) | 岸和田市(頭) | |
8月中旬 | 55(1) | 5(4) |
8月下旬 | 51(0) | 5(4) |
9月上旬 | 25(0) | 6(2) |
数値は誘殺虫数、( )内は平均値。
平均値は、河内長野市が平成20〜25年、岸和田市が平成11〜25年の値
○果樹カメムシ類の生態
(1)果樹をよく加害するカメムシ類は、チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシの3種である。
(2)主な増殖場所は、スギやヒノキ等の球果(果樹園でも産卵は行われるが、成虫まで発育しない)である。
(3)8月以降になると、今年羽化した新成虫による果樹園への飛来が見られる。
(4)なし、かき、かんきつ類等で、被害が見られ、みかんでは、極早生品種や早生品種で被害が多い。
(5)チャバネアオカメムシの雄は集合フェロモンを放出し、同種の個体を誘引するため、特定の果樹園に一夜にして多数飛来することがある。
(6)果樹カメムシ類の活動は夕方から活発になる。果樹園等への飛来は日没後の2〜3時間が中心である。
◎防除薬剤については、
●Web版大阪府農作物病害虫防除指針
(http://www.jppn.ne.jp/osaka/shishin/shishin.html)
●農林水産消費安全技術センター 農薬登録情報提供システム
(http://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm)
で確認してください。