果樹のカメムシ類に注意しましょう
(平成26年9月18日)


 果樹カメムシ類については、既に注意報(5月30日病害虫発生予察注意報第1号発表)により、的確な防除を行うようお願いしているところです。その後、フェロモントラップの誘殺虫数は、8月以降は減少傾向にあるものの、9月以降も平年に比べて多く見られます(表1、2参照)。今年のスギ、ヒノキ花粉の飛散量は少なかった(※)ことから、果樹カメムシ類の主要なえさとなる球果の量も少ないと予想され、新世代成虫がえさ不足となり、果樹園への飛来が増える恐れがあります。引き続き発生に注意し、飛来が確認された果樹園では、防除を行いましょう。

 ※環境省 4月25日発表 大阪 平年の63%、昨年の38% 

○発生状況

表1 チャバネアオカメムシのフェロモントラップ誘殺状況

 

河内長野市(頭) 

岸和田市(頭) 

 8月中旬

1261(27) 

256(19)

 8月下旬

585(10)

90(11)

 9月上旬

294( 6) 35( 9)
        数値は誘殺虫数、( )内は平均値。
        平均値は、河内長野市が平成20〜25年、岸和田市が平成11〜25年の値

表2 ツヤアオカメムシのフェロモントラップ誘殺状況   

   河内長野市(頭)  岸和田市(頭)
8月中旬 55(1) 5(4)
8月下旬 51(0) 5(4)
9月上旬  25(0) 6(2)

        数値は誘殺虫数、( )内は平均値。
        平均値は、河内長野市が平成20〜25年、岸和田市が平成11〜25年の値

○果樹カメムシ類の生態
(1)果樹をよく加害するカメムシ類は、チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシの3種である。
(2)主な増殖場所は、スギやヒノキ等の球果(果樹園でも産卵は行われるが、成虫まで発育しない)である。
(3)8月以降になると、今年羽化した新成虫による果樹園への飛来が見られる。
(4)なし、かき、かんきつ類等で、被害が見られ、みかんでは、極早生品種や早生品種で被害が多い。
(5)チャバネアオカメムシの雄は集合フェロモンを放出し、同種の個体を誘引するため、特定の果樹園に一夜にして多数飛来することがある。
(6)果樹カメムシ類の活動は夕方から活発になる。果樹園等への飛来は日没後の2〜3時間が中心である。

○防除対策
(1)被害の発生には地域や園地で差が出る場合があるので、カメムシ類の活動が活発になる夕方に園内を見回り、飛来を確認したら、速やかに薬剤散布を行う。
(2)収穫期近くでも防除が必要となるため、薬剤散布に当たっては、収穫前日数や使用回数に十分注意する。
(3)樹高の高い樹に散布する場合は、周囲に薬液が飛散しやすいので、特に注意する。
(4)成虫の移動能力は高く、次々と飛来するため、こまめな防除が必要となる。
(5)薬剤散布は夕方か早朝に行うと効果的である。
(6)使用する薬剤により、ハダニ類やカイガラムシ類が増加する場合があるため、注意する。

◎防除薬剤については、
 ●Web版大阪府農作物病害虫防除指針
  (http://www.jppn.ne.jp/osaka/shishin/shishin.html)
 ●農林水産消費安全技術センター 農薬登録情報提供システム
  (http://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm)
  で確認してください。                                                              

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