今年は例年より早い時期から、せん孔細菌病の発生が見られています。今後、梅雨入りすれば、長雨や強い風により、発生が増加する可能性があります。
ほ場をよく見回り、発生が認められる園では防除を行いましょう。
○発生状況
表1 せん孔細菌病の発生状況
4月後半 | 5月前半 | 5月後半 | |
河内長野市 | 20.0%(0.7%) | 34.0%(6.8%) | 14.0%(9.1%) |
数値は発病葉率、( )内は平成10〜25年の平均値
※岸和田市でも発生が見られるとの情報がある。
▲5月上旬の発生状況 | ▲もも果実の被害 |
○防除対策
(1)これからの降雨は、果実に発病する危険性を高めるため、降雨前の予防散布が重要である。
(2)同一薬剤の連用は耐性菌の発現を助長する恐れがあるため、異なる成分のローテーション散布を行う。
(3)薬剤によっては、収穫の60日前までしか使用できないものもある。薬剤散布に当たっては、収穫前日数や使用回数を十分確認する。
(4)樹高の高い樹に散布する場合は、周囲に薬液が飛散しやすいので、特に注意する。
薬剤名(成分名) | 希釈倍数 | 使用時期 | 使用回数 |
マイコシールド (オキシテトラサイクリン) |
1,500〜3,000倍 | 収穫21日前まで | 5回以内 |
スターナ水和剤 (オキソリニック酸) |
1,000倍 | 収穫7日前まで | 3回以内 |
バリダシン液剤5 (バリダマイシン) |
500倍 | 収穫7日前まで | 4回以内 |
チオノックフロアブル (チウラム) |
500倍 | 収穫7日前まで | 5回以内 |
○防除上の注意事項
(1)樹勢の衰弱、強風及び暴風は発病を助長する。
(2)品種によって発病に差がある。白鳳、砂子早生に多く、清水白桃は少ない。
(3)すももにも発病する。
◎防除薬剤については、
●Web版大阪府農作物病害虫防除指針
(http://www.jppn.ne.jp/osaka/shishin/shishin.html)
●農林水産消費安全技術センター 農薬登録情報提供システム
(http://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm)
で確認してください。