なすのオオタバコガに注意しましょう!
(平成26年6月23日)


 6月上旬の露地なす巡回調査(貝塚市・河南町)で、オオタバコガの産卵が確認されました。今年は、産卵時期がやや早く、卵数がやや多い傾向にあります。
 オオタバコガの幼虫は、移動しながら多くの果実や花などを食害し、寄生虫数が少なくても被害が拡大するので注意が必要です。また、果実内に食入すると薬剤がかかりにくいため防除が難しくなるので、初期の防除が大切です。

表1 オオタバコガの産卵状況(100葉当たり卵数)

 調査地点 5月後半*1 6月前半*1
貝塚市 (木積) 0.0
(0.0)
3.0
(0.0)
河南町 (加納) 0.0
(1.5)
4.0
(0.7)

注)( )内は、H23〜25年度調査平均。
*1 貝塚市(5月後半5/20、6月前半6/5 調査)
   河南町(5月後半5/26、6月前半6/13調査)
(参考)フェロモントラップ調査データも併せて、ご参照ください。            
 (http://www.jppn.ne.jp/osaka/H26nd/trap_deta/trap_titleH26.html)

▲オオタバコガ(卵) ▲被害果(水なす)
▲オオタバコガ(幼虫)


1 発生及び生態
・先端付近の茎、葉や花蕾への産卵が比較的多く、1卵ずつ産みつける。卵は淡黄色でまんじゅう型、直径0.4mm。非常に小さく見つけにくい。
・若齢幼虫は、新芽の先端や葉を食害し、円形または楕円形の穴をあける。
・中・老齢幼虫は、淡緑色〜褐色と変異が大きい。老齢幼虫の大きさは約40mm。幼虫は、まばらに毛がはえているのが特徴である。
・脇芽の内部へ食入し、新梢の先端が折れる。花や果実に食入し、大きな被害を与える。
・被害果には、侵入口や脱出口があり、幼虫の胴回り位の直径5〜10mm程度の丸い穴が開く。
・1匹の幼虫が多くの果実や花などを移動しながら食害し、寄生虫数が少なくても被害が拡大する。
・第1世代幼虫(5〜7月)の被害は比較的小さいことが多いが、8月以降の被害は大きくなりやすい。
・多くの植物に寄生し、ナス科ではなす、トマト、ピーマンなどを加害する。それ以外に、ウリ科、マメ科、バラ科、アブラナ科、キク科など広範囲に及ぶ。

2 防除対策
 <耕種的防除>
(1)被害のあった新芽や果実は早期にほ場から持ち出して処分する。
(2)幼虫を捕殺する。
  (1頭が複数の果実や花を食害するため、捕殺による防除効果が高い)
(3)早期発見に努め、若齢幼虫時の防除を徹底する。
(4)施設では、開口部を寒冷紗等(5mm目合で可)で被覆し、成虫の侵入を阻止する。
(5)黄色蛍光灯を終夜点灯すれば、成虫の行動や産卵を抑制し、被害を軽減できる。

 <薬剤防除>
◎防除薬剤については、
 ●Web版大阪府農作物病害虫防除指針(http://www.jppn.ne.jp/osaka/)
   を参照してください。
 ●農林水産消費安全技術センター 農薬登録情報提供システム
  (http://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm)
   にて確認してください。                                                              

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