農推第2323号
平成26年9月30日
関係各位
大阪府環境農林水産部農政室長
病害虫発生予察情報について
標記について次のとおり発表したので送付します。
病害虫発生予報第6号(10月)
農作物名 | 病害虫名 | 予想発生量 |
みかん | 黒点病 | ○ |
そうか病 | □~○ | |
ミカンハダニ | □ |
|
ミカンサビダニ | □ | |
果樹全般 | 果樹カメムシ類 | ○ |
なす・きゅうり | うどんこ病 | □~○ |
きゅうり | 炭そ病・褐斑病 | □ |
べと病 | □~○ | |
ワタヘリクロノメイガ(ウリノメイガ) | △ | |
トマト | コナジラミ類・トマト黄化葉巻病(TYLCV) | □ |
キャベツ等あぶらな科葉菜類 | コナガ | △ |
ハイマダラノメイガ(ダイコンシンクイ) | □ | |
野菜・花き・大豆 | アブラムシ類 | □ |
野菜類 花き類 |
ミカンキイロアザミウマ | □ |
ミナミキイロアザミウマ | □~△ | |
ハモグリバエ類 | □~△ | |
シロイチモジヨトウ | △ | |
ハスモンヨトウ | □ | |
オオタバコガ | □ | |
ハダニ類 | □~△ | |
ハモグリバエ類 | □~△ | |
▲:少ない △:やや少ない □:並 ○:やや多い ●:多い |
◎農薬については、大阪府農作物病害虫防除指針を参考にしてください。
10月の気象予報(大阪管区気象台9月25日発表) | |||
低い (少ない) |
平年並 | 高い (多い) |
|
気温 | 20% | 30% | 50% |
降水量 | 30% | 30% | 40% |
日照時間 | 40% | 30% | 30% |
A 果樹類
1 みかん
【黒点病】
[予報内容] 発生量:やや多い
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生は平年よりやや多かった。
(2)向こう1ヶ月の天候は、降水量はやや多いと予報されている。
[メモ]
(1)この病気は、枯枝上から雨滴によって広がっていく。
【そうか病】
[予報内容] 発生量:並~やや多い
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生は平年並であった。
(2)向こう1ヶ月の天候は、降水量はやや多いと予報されている。
【ミカンハダニ】
[予報内容] 発生量:並
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生は平年並であった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)同一薬剤や同一系統の薬剤を連用すると、抵抗性が発達する恐れがある。
【ミカンサビダニ】
[予報内容] 発生量:並
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生は平年並であった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)微小な害虫であるため、被害が発生するまで気がつきにくい。
(2)薬剤のかかりにくい密植園、樹高が高い樹の上部、樹の内側で発生しやすい。
(3)発生が多かった場所を記録しておき、剪定時に改善を図る。
2 果樹類全般
【果樹カメムシ類】
[予報内容] 発生量:やや多い
[予報の根拠]
(1)フェロモントラップによる誘殺虫数は、8月以降は減少傾向にあるものの、9月
以降も平年に比べてやや多かった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)果樹類を加害する主要なカメムシ類は、チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、
クサギカメムシの3種である。
(2)なし、かきなどの果樹類を加害する。
(3)多発生した場合は、みかんを加害することもある。
[メモ]
(1)8月頃から新成虫が羽化し、果樹園に飛来が見られる。
(2)園地によって発生量に大きな差がある。
B 野菜類
1 なす・きゅうり
【うどんこ病】
[予報内容] 発生量:並~やや多い
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、一部ほ場で発生はやや多かった。
(2)向こう1ヶ月の天候は、日照時間は平年よりやや少ないと予報されている。
[防除上考慮すべき事項]
(1)こまめに摘葉、摘芯を行い、過繁茂にならないようにする。
(2)発生初期の防除を徹底する。
(3)草勢が弱ると多発しやすいので、肥効切れにならないように管理する。
(4)QoI剤(アミスターなど)、SDHI剤(アフェットなど)は耐性菌が生じやすいので、
1作1~2回程度の使用に控える。
[メモ]
(1)日照不足、乾燥条件下で多発する。
(2)きゅうりでは、ブルームレス台木で発生しやすい。
2 きゅうり
【炭そ病】・【褐斑病】
[予報内容] 発生量:並
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生は平年並であった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)ハウス内の過湿を避ける。
(2)窒素過多は発生を助長するので、窒素肥料のやりすぎに注意する。
(3)QoI剤(アミスターなど)の連用は避ける。
【べと病】
[予報内容] 発生量:並~やや多い
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、一部ほ場で発生はやや多かった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)ハウス内の過湿を避ける。
(2)草勢が弱ると多発しやすいので、肥効切れにならないように管理する。
(3)QoI剤(アミスター、ホライズンなど)の連用は避ける。
【ワタヘリクロノメイガ(ウリノメイガ)】
[予報内容] 発生量:やや少ない
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生はやや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)ハウスの開口部を寒冷紗(2mm目合)等で被覆し、成虫の侵入を防止する。
(2)食害株の幼虫を捕殺する。
3 トマト
【トマト黄化葉巻病(TYLCV)】・【コナジラミ類】
[予報内容] 発生量:並
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生は平年並であった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)トマト黄化葉巻病(TYLCV)は感染後の治療薬はないので、感染株はすぐに処分する。
(2)タバココナジラミがウイルスを媒介するので、コナジラミ類の防除に努める。
(3)コナジラミ類は発生初期の防除に努め、被害葉や残さは、ほ場より持ち出し、穴を
掘って埋めるなどして処分する。
(4)施設では、開口部を寒冷紗(0.4mm目合)等で被覆し、コナジラミ類成虫の侵入を
防止する。
(5)同一薬剤の連用を避け、ローテーション散布を行う。
(6)ほ場周辺の除草にも努める。
4 キャベツ等あぶらな科野菜
【コナガ】
[予報内容] 発生量:やや少ない
[予報の根拠]
(1)9月の予察灯、フェロモントラップへの誘殺虫数はやや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)発生初期の防除を徹底する。
【ハイマダラノメイガ(ダイコンシンクイ)】
[予報内容] 発生量:並
[予報の根拠]
(1)予察灯への飛来虫数は、9月は平年並であった。
(2)9月の巡回調査(キャベツ等)では、発生は平年並だった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)苗床で発生すると欠株を生じるので、発生初期に防除を徹底する。
(2)被覆資材によるべたがけ、トンネルがけの防除効果は高い。
[メモ]
[防除上考慮すべき事項]
(1)苗床は寒冷紗等(2mm目合)で被覆し、成虫の侵入を防止する。
(2)食害の見られた株は、速やかに処分する。
C 野菜類・花き類・大豆
【アブラムシ類】
[予報内容] 発生量:並
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生は平年並であった。
(2)9月の黄色水盤による飛来虫数は平年並であった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)少発生時の防除を徹底する。
(2)同一薬剤の連用を避け、ローテーション散布を行う。
[メモ]
(1)アブラムシ類は多種類のウイルス病を媒介する。
D 野菜類・花き類
【ミカンキイロアザミウマ】
[予報内容] 発生量:並
[予報の根拠]
(1)9月の露地なす巡回調査の見取り調査及び花たたき法による調査では、発生は
平年並であった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)収穫後の残さは、他作物等への伝染源となるので、速やかに処分する。
[メモ]
(1)ミカンキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマは、ウイルス病(TSWV)を媒
介する。
【ミナミキイロアザミウマ】
[予報内容] 発生量:並~やや少ない
[予報の根拠]
(1)9月のなす、きゅうりの巡回調査では、一部ほ場を除き、やや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)葉の被害に注意し、少発生時の防除を徹底する。
(2)同一薬剤の連用を避け、ローテーション散布を行う。
【ハモグリバエ類】
[予報内容] 発生量:並~やや少ない
[予報の根拠]
(1)9月のなす、きゅうり、トマトの巡回調査では、一部ほ場を除き、やや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)ハウスの開口部を寒冷紗(1mm目合)等で被覆し、成虫の侵入を防止する。
【シロイチモジヨトウ】
[予報内容] 発生量:やや少ない
[予報の根拠]
(1)9月のフェロモントラップへの誘殺虫数は平年よりやや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)発生初期(若齢幼虫期)に防除を徹底する。
(2)施設では、開口部を寒冷紗等(5mm目合で可)で被覆すれば、成虫の侵入を防止
できる。
(3)黄色灯を終夜点灯すれば、成虫の行動や産卵を抑制し、被害を軽減できる
【ハスモンヨトウ】
[予報内容] 発生量:並
[予報の根拠]
(1)9月のフェロモントラップへの誘殺虫数は平年並であった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)発生初期(若齢幼虫期)に防除を徹底する。
(2)卵塊が付着していたり、若齢幼虫が集団で食害している葉は、直ちに摘葉し、ほ場
から持ち出して処分する。
(3)施設では、開口部を寒冷紗等(5mm目合で可)で被覆すれば、成虫の侵入を防止
できる。
(4)黄色灯を終夜点灯すれば、成虫の行動や産卵を抑制し、被害を軽減できる。
【オオタバコガ】
[予報内容] 発生量:並
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生は平年並であった。
(2)9月のフェロモントラップへの誘殺虫数は平年並であった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)発生初期(若齢幼虫期)に防除を徹底する。
(2)被害のあった新芽や果実は早期に処分し、周辺の幼虫を探して捕殺する。
(3)施設では、開口部を寒冷紗等(5mm目合で可)で被覆し、成虫の侵入を防止する。
(4)黄色蛍光灯を終夜点灯すれば、成虫の行動や産卵を抑制し、被害を軽減できる。
【ハダニ類】
[予報内容] 発生量:並~やや少ない
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生はやや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)発生初期の防除を徹底する。
(2)同一薬剤の連用を避ける。
[メモ]
(1)高温、乾燥条件で多発する。
【コナジラミ類】
[予報内容] 発生量:並~やや少ない
[予報の根拠]
(1)9月のなす、きゅうりでの巡回調査では、発生はやや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)発生初期の防除に努める。
(2)被害葉や残さは、ほ場より持ち出し、穴を掘って埋めるなどして処分する。
(3)施設では、開口部を寒冷紗(0.4mm目合)で被覆し、成虫の侵入を防止する。
(4)同一薬剤の連用を避け、ローテーション散布を行う。
(5)ほ場周辺の除草にも努める。
●大阪府環境農林水産部農政室推進課病害虫防除グループ・ホームページ
(平成23年4月1日より大阪府病害虫防除所から組織名変更)
http://www.jppn.ne.jp/osaka/
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申込先 大阪府環境農林水産部農政室推進課病害虫防除グループ・メールサービス担当
TEL 072-957-0520
http://www.jppn.ne.jp/osaka/mailservice/mailservicemousikomi.html
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TEL 072-979-7070
http://www.kannousuiken-osaka.or.jp/nourin/agrimail/
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「ひと目でわかる花と野菜の病害虫」
http://osaka-ppa.jp/zukan/index.php
(大阪府植物防疫協会)
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