たまねぎで、白色疫病やべと病などの病害の発生が見られます。一部地域やほ場では、やや多く発生が見られます。
最近の気候*1は、気温は平年より0.1度とやや高めですが寒暖の差が非常に大きく、また、曇雨天が多かったことから、日射量が平年と比べ70%と少なく、降水量は平年比137%と多く推移しました。今後1ヶ月の気象予報では、気温は平年より高く、降水量は平年並かやや少ないと予報されていますが、今後の天候次第では、特にべと病の発生が急に増える恐れがあります。
この時期から収穫前に、これらの病害にかかると球の肥大が悪くなり、収量の減少や品質が低下します。ほ場をよく見回り発生に気をつけ、下記事項に注意し防除に努めましょう。
*1 大阪管区気象台(4月23日発表 大阪府農業気象速報 4月中旬の気象概況)
たまねぎのべと病と白色疫病の見分け方
べ と 病 | 白 色 疫 病 | |
病徴 | 主に葉に発生。春期に発生する2次病斑は、黄色で大型の長卵形から楕円形をした病斑を生じる。病斑上に、白または暗紫色のかびが生えることが多い。 | 主に葉に発生。初め中央部付近に、不整形で周縁部がやや不鮮明な油浸状、青白色の病斑を生じる。拡大すると葉は下垂しよじれる。被害が進むと、株のほとんどの葉が白色の葉枯れ状となる。 |
発生しやすい条件 | 一般には4月下旬から5月上旬に曇雨天が続くと発生しやすい。気温10〜20度で発生し、特に15度程度が好適である。 | 2〜3月では温暖、4月冷涼で連続的に降雨があると発生しやすい。15〜20度で多雨で発生が増える。晩生種は、早生種より被害程度は軽い。 |
▲べと病の被害葉1 (黄色で楕円形をした病斑) |
▲べと病の被害葉2 (発生初期の霜状のかび) |
▲白色疫病の被害葉 |
1 防除対策
(1)耕種的防除
・排水を良くする。
・被害葉や被害株は速やかに、ほ場外へ持ち出し処分する。
(2)薬剤による防除
・予防散布に重点をおく。
・発生を確認したら、速やかに薬剤散布を行う。
<参考:発生予察調査結果> 各市2地点・各地点25株調査(予察巡回地点)
発病株率(単位:%)
市町村名 | 4月9日 | 4月20、22日*2 | 4月後半平均 (過去10年) |
|
白色疫病 | 岸和田市 泉佐野市 |
12.0% 4.0% |
14.0% 7.5% |
6.9% − |
べと病 | 岸和田市 泉佐野市 |
4.0 % 0.0 % |
2.0% 0.0% |
2.6% − |
市町村名 | 4月20、22日*2 | 備 考 | |
白色疫病 | 岸和田市 泉佐野市 富田林市 |
10.3%(5ほ場) 11.9%(7ほ場) 3.0%(8ほ場) |
|
べと病 | 岸和田市 泉佐野市 富田林市 |
4.5% (5ほ場) 0.4% (7ほ場) 0.0% (8ほ場) |
一部で、発生が目立つ |
*2 泉佐野市:4月20日 岸和田市:4月22日
<参考:登録薬剤:たまねぎ(白色疫病・べと病)>
登録農薬 | 白色疫病 | べと病 | 備考 |
シ゛マンタ゛イセン水和剤 | 400〜500倍 3日/5回 | 400〜600倍 3日/5回 | 予防 |
リト゛ミルコ゛ールト゛MZ | 1,000倍 7日/3回 | 1,000倍 7日/3回 | 治療 |
ホライス゛ント゛ライフロアフ゛ル | 2,500倍 3日/3回 | 2,500倍 3日/3回 | 治療 |
フ°ロホ°ース゛顆粒水和剤 | 1,000倍 7日/3回 | 1,000倍 7日/3回 | 治療 |
注)ジマンダイセン水和剤とリドミルゴールドMZは成分としてマンゼブを含み、総使用回数は合わせて5回まで。
◎防除薬剤については、
●Web版大阪府病害虫防除指針(http://www.jppn.ne.jp/osaka/)
●農林水産消費安全技術センター 農薬登録情報検索システム
(http://www.acis.famic.go.jp/searchF/vtllm000.html)
で確認してください。