たまねぎの病害(べと病など)に注意しましょう!
(平成27年4月28日)


 たまねぎで、白色疫病やべと病などの病害の発生が見られます。一部地域やほ場では、やや多く発生が見られます。
 最近の気候*1は、気温は平年より0.1度とやや高めですが寒暖の差が非常に大きく、また、曇雨天が多かったことから、日射量が平年と比べ70%と少なく、降水量は平年比137%と多く推移しました。今後1ヶ月の気象予報では、気温は平年より高く、降水量は平年並かやや少ないと予報されていますが、今後の天候次第では、特にべと病の発生が急に増える恐れがあります。
 この時期から収穫前に、これらの病害にかかると球の肥大が悪くなり、収量の減少や品質が低下します。ほ場をよく見回り発生に気をつけ、下記事項に注意し防除に努めましょう。

  *1 大阪管区気象台(4月23日発表 大阪府農業気象速報 4月中旬の気象概況)

たまねぎのべと病と白色疫病の見分け方

べ と 病 白 色 疫 病
病徴 主に葉に発生。春期に発生する2次病斑は、黄色で大型の長卵形から楕円形をした病斑を生じる。病斑上に、白または暗紫色のかびが生えることが多い。 主に葉に発生。初め中央部付近に、不整形で周縁部がやや不鮮明な油浸状、青白色の病斑を生じる。拡大すると葉は下垂しよじれる。被害が進むと、株のほとんどの葉が白色の葉枯れ状となる。
発生しやすい条件 一般には4月下旬から5月上旬に曇雨天が続くと発生しやすい。気温10〜20度で発生し、特に15度程度が好適である。 2〜3月では温暖、4月冷涼で連続的に降雨があると発生しやすい。15〜20度で多雨で発生が増える。晩生種は、早生種より被害程度は軽い。


▲べと病の被害葉1
(黄色で楕円形をした病斑)
▲べと病の被害葉2
(発生初期の霜状のかび)
▲白色疫病の被害葉

1 防除対策
(1)耕種的防除
 ・排水を良くする。
 ・被害葉や被害株は速やかに、ほ場外へ持ち出し処分する。
(2)薬剤による防除
 ・予防散布に重点をおく。
 ・発生を確認したら、速やかに薬剤散布を行う。

 

 <参考:発生予察調査結果> 各市2地点・各地点25株調査(予察巡回地点)

                                        発病株率(単位:%)

市町村名 4月9日 4月20、22日*2 4月後半平均
(過去10年)
 白色疫病 岸和田市
泉佐野市
12.0%
 4.0%
14.0%
  7.5%
6.9%
べと病 岸和田市
泉佐野市
4.0 %
0.0 %
2.0%
0.0%
2.6%


*予察巡回地点以外 100株調査・発病株率(単位:%)   ( )内は、調査ほ場数
市町村名 4月20、22日*2 備 考
白色疫病 岸和田市
泉佐野市
富田林市
10.3%(5ほ場)
11.9%(7ほ場)
3.0%(8ほ場)
べと病 岸和田市
泉佐野市
富田林市
4.5% (5ほ場)
0.4% (7ほ場)
0.0% (8ほ場)
一部で、発生が目立つ

      *2 泉佐野市:4月20日 岸和田市:4月22日

 <参考:登録薬剤:たまねぎ(白色疫病・べと病)>

登録農薬 白色疫病 べと病 備考
シ゛マンタ゛イセン水和剤 400〜500倍 3日/5回 400〜600倍 3日/5回 予防
リト゛ミルコ゛ールト゛MZ  1,000倍 7日/3回 1,000倍 7日/3回 治療
ホライス゛ント゛ライフロアフ゛ル  2,500倍 3日/3回 2,500倍 3日/3回 治療
フ°ロホ°ース゛顆粒水和剤  1,000倍 7日/3回 1,000倍 7日/3回 治療

注)ジマンダイセン水和剤とリドミルゴールドMZは成分としてマンゼブを含み、総使用回数は合わせて5回まで。
◎防除薬剤については、
   ●Web版大阪府病害虫防除指針(http://www.jppn.ne.jp/osaka/)
   ●農林水産消費安全技術センター 農薬登録情報検索システム
    (http://www.acis.famic.go.jp/searchF/vtllm000.html) 
 で確認してください。
                                                     

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