病害虫発生・防除メールサービス(臨時)

(平成27年7月15日発信)


 台風に関する病害虫防除上の情報を提供します。
 強風等で植物体が傷つくと、そこから病原菌が侵入しやすくなり、大雨と相まって、病害が発生することがあります。
 このため、台風通過後の病害予防のための薬剤散布は有効ですが、薬剤散布する場合は、風がおさまってから行うようにしましょう。
 農薬を使用する前には、農薬のラベル等で登録内容をよく確認してください。また病害虫防除グループホームページに掲載している防除指針もご参照ください。
 病害虫防除グループホームページhttp://www.jppn.ne.jp/osaka/

1 水稲
〈事前の対策〉
◇排水路の点検・補修を行い、浸冠水時には速やかに排水できるように備える。
◇暴風は稲の体表面から多量の水分を奪うので、ほ場は深水状態を保つ。
〈台風通過後の被害拡大防止のための対策〉
◇冠水被害を受けた田は、通常の水深まで、速やかに排水を行う。少なくとも葉先は水面に出すようにする。
◇風雨の後は、病害が発生しやすいため、適切な防除を行う。
◇注意を要する病害:いもち病、白葉枯病

2 野菜類・花き類
〈事前の対策〉
◇排水路の点検・補修を行い、浸冠水時には速やかに排水できるように備える。
◇種まき直後のものは、種が露出しないように寒冷紗等で被覆する。
◇果菜類(なす、トマト、きゅうり等)では、支柱の強化を行うとともに、収穫が終わった側枝で不要な枝や葉を除くなど、風による倒伏の防止を図る。
◇きく等の花きでは、フラワーネット支柱の強化やネットの張りを調整して、倒伏の防止を図る。
〈台風通過後の被害拡大防止のための対策〉
◇ほ場に雨水が溜まった状態が続くと、根傷みなどの原因になるので、速やかにほ場の排水に努める。
◇折れた茎葉等は除去し、支柱や防虫ネット等の点検及び補修を行う。
◇作物の回復を図るため、根を切らない程度の軽い中耕と土寄せ、液肥の葉面散布等を行う。
◇果菜類(なす、トマト、きゅうり等)では、株の負担軽減のため摘果や若どりを行い、樹勢の回復を図る。
◇注意を要する病害
 なす:褐色腐敗病
 きゅうり:疫病、べと病、炭疽病、斑点細菌病、褐斑病
 トマト・ミニトマト:疫病、斑点細菌病、軟腐病
 ねぎ:軟腐病、べと病、疫病、黒斑病

3 果樹類
〈事前の対策〉
◇排水路の点検・補修を行い、浸冠水時には速やかに排水できるように備える。
◇暴風網やぶどう棚の控え線の点検を行い、ゆるみなどを補強しておく。
〈台風通過後の被害拡大防止のための対策〉
◇ほ場に雨水が溜まった状態が続くと、根傷みなどの原因になるので、速やかにほ場の排水に努める。
◇強風で枝が折れた場合は、放置すると枯れ込みが入る恐れがあるため、折れた枝を切り戻し、切り口は木工用ボンド等を塗布して保護する。
◇落ちた果実や枝上の腐敗果は病害虫の発生源となるので、集めて処分する。
◇風雨の後は、病害が発生しやすいため、天気が回復次第、速やかに殺菌剤の散布を行う。
◇注意を要する病害
 かんきつ:かいよう病、黒点病、そうか病
 ぶどう:べと病、褐斑病、晩腐病、黒とう病
 もも:せん孔細菌病
 いちじく:疫病
かき:炭疽病

4 施設作物全般
〈事前の対策〉
◇排水路を含めたほ場及びハウス周辺の点検・補修、清掃を行う。
◇ビニールハウス等では開口部を全て締め切り、風がハウス内に入らないようにする。換気扇がある場合は稼働させる。ただし強風によるハウスの破損が考えられる場合はビニール等を除去し、台風の通過を待つ。
〈台風通過後の被害拡大防止のための対策〉
◇施設内に水が侵入した場合は、換気を十分に行い、土壌の乾燥を図り、湿度を下げて病害の発生を防止する。
◇施設、機器の点検と補修を行い、必要に応じて補強材等を入れる。
◇害虫侵入阻止のため設置した防虫網や寒冷紗等が破損していないか確認する。破損が確認された場合、施設内に害虫が侵入していないか確認し、防除が遅れないように注意する。

トップに戻る