予報第6号(10月)


                  農推第2227号
                              平成27年9月30日

 関係各位



                             大阪府環境農林水産部農政室長

病害虫発生予察情報について

 標記について、次のとおり発表したので送付します。

病害虫発生予報第6号(10月)

農作物名 病害虫名 予想発生量
みかん 黒点病
そうか病
ミカンハダニ
ミカンサビダニ
果樹全般 果樹カメムシ類
なす うどんこ病 □~
ハダニ類 □~
きゅうり  うどんこ病
炭そ病・褐斑病
べと病
ワタヘリクロノメイガ(ウリノメイガ) □~
 コナジラミ類  
トマト  葉かび病・すすかび病 □~
コナジラミ類・トマト黄化葉巻病(TYLCV)
キャベツ等あぶらな科葉菜類 コナガ
ハイマダラノメイガ(ダイコンシンクイ)
野菜類・花き類・大豆 アブラムシ類
野菜類
花き類
ミカンキイロアザミウマ □~△
ミナミキイロアザミウマ □~△
シロイチモジヨトウ
ハスモンヨトウ □~△
オオタバコガ
ハモグリバエ類
▲:少ない △:やや少ない □:並 :やや多い :多い

 ◎農薬については、大阪府農作物病害虫防除指針を参考にしてください。

10月の気象予報(大阪管区気象台9月24日発表)
  低い
(少ない)
平年並 高い
(多い)
気温 40% 40% 20%
降水量 30% 40% 30%
日照時間 20% 40% 40%

A 果樹類
1 みかん
【黒点病】
[予報内容] 発生量:やや多い
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生は平年よりやや多かった。
(2)向こう1ヶ月の天候は、降水量は平年並と予報されている。
[メモ]
(1)この病気は、枯枝上から雨滴によって広がっていく。

【そうか病】
[予報内容] 発生量:並
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生は平年並であった。
(2)向こう1ヶ月の天候は、降水量は平年並と予報されている。

【ミカンハダニ】
[予報内容] 発生量:並
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生は平年並であった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)同一薬剤や同一系統の薬剤を連用すると、抵抗性が発達する恐れがある。

【ミカンサビダニ】
[予報内容] 発生量:並
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生は平年並であった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)微小な害虫であるため、被害が発生するまで気がつきにくい。
(2)薬剤のかかりにくい密植園、樹高が高い樹の上部、樹の内側で発生しやすい。
(3)発生が多かった場所を記録しておき、剪定時に改善を図る。

2 果樹類全般
【果樹カメムシ類】
[予報内容] 発生量:やや少ない
[予報の根拠]
(1)9月のフェロモントラップによる誘殺虫数はやや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)果樹類を加害する主要なカメムシ類は、チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、
   クサギカメムシの3種である。
(2)なし、かきなどの果樹類を加害する。
(3)多発生した場合は、みかんを加害することもある。
[メモ]
(1)8月頃から新成虫が羽化し、果樹園に飛来が見られる。
(2)園地によって発生量に大きな差がある。

B 野菜類
1 なす   
【うどんこ病】
[予報内容] 発生量:並~やや多い
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生は一部のほ場でやや多かった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)こまめに摘葉、摘芯を行い、過繁茂にならないようにする。
(2)発生初期の防除を徹底する。
(3)草勢が弱ると多発しやすいので、肥切れにならないように管理する。
[メモ]
(1)うどんこ病は、日照不足、乾燥条件下で多発する。

【ハダニ類】
[予報内容] 発生量:並~やや少ない
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査での発生は、露地なすでの発生は平年並からやや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)発生初期の防除を徹底する。
(2)同一系統薬剤の連用を避ける。
[メモ]
(1)高温、乾燥条件で多発する。

2 きゅうり
【うどんこ病】
[予報内容] 発生量:やや多い
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生はやや多かった。
  (9月18日病害虫防除情報発表<べと病・褐斑病・うどんこ病>)
[防除上考慮すべき事項]
(1)こまめに摘葉を行い、過繁茂にならないようにする。
(2)発生初期の防除を徹底する。
(3)草勢が弱ると多発しやすいので、肥切れにならないように管理する。
[メモ]
(1)うどんこ病は、日照不足、乾燥条件下で多発する。
(2)QoI剤(アミスター、フリント)の連用は避ける。
(3)ブルームレス台木では、うどんこ病が発生しやすい。

【炭そ病】・【褐斑病】
[予報内容] 発生量:やや多い
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生はやや多かった。
  (9月18日病害虫防除情報発表<べと病・褐斑病・うどんこ病>)
[防除上考慮すべき事項]
(1)ハウス内の過湿を避ける。              
(2)窒素過多は発生を助長するので、窒素肥料のやりすぎに注意する。
(3)QoI剤(アミスター、ストロビー)の連用は避ける。

【べと病】
[予報内容] 発生量:やや多い
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生はやや多かった。
  (9月18日病害虫防除情報発表<べと病・褐斑病・うどんこ病>)
[防除上考慮すべき事項]
(1)ハウス内の過湿を避ける。
(2)肥切れすると発病しやすいので、肥培管理に注意する。
(3)QoI剤(アミスター、ストロビー、ホライズン)の連用は避ける。

【ワタヘリクロノメイガ(ウリノメイガ)】
[予報内容] 発生量:並~やや多い
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、全体的に発生は平年並だったが、一部施設でやや多かった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)ハウスの開口部を寒冷紗等(2mm目合)で被覆し、成虫の侵入を防止する。
(2)食害株の幼虫を捕殺する。
[メモ]
(1)ハウス抑制栽培の定植直後に発生が認められることが多い。

【コナジラミ類】
[予報内容] 発生量:やや少ない
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生はやや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)発生初期の防除に努める。
(2)被害葉や残さは、ほ場より持ち出し、穴を掘って埋めるなどして処分する。
(3)施設では、開口部を寒冷紗(0.4mm目合)で被覆し、成虫の侵入を防止する。
(4)同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を行う。
(5)ほ場周辺の除草にも努める。

3 トマト
【葉かび病】・【すすかび病】  
[予報内容] 発生量:並~やや多い
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、通常発生はほとんど見られないが、一部施設で発生がやや多
   かった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)施設栽培においては換気に努め、マルチを行う等、湿度を低く保つ。
(2)下~中位葉に発生しやすいので、発病を認めたら早めに摘葉し、病葉はハウス外に
   持ち出し処分する。
(3)初期防除が重要となるので、発病を認めた場合には直ちに防除を行う。
(4)同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を行う。

【コナジラミ類】・【トマト黄化葉巻病(TYLCV)】
[予報内容] 発生量:やや少ない
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、コナジラミ類の発生はやや少なく、トマト黄化葉巻病(TYLCV)
  の発生もやや少なかった。
(2)施設トマトの黄色粘着トラップのコナジラミ類の誘殺虫数は、平年よりやや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)コナジラミ類の発生初期の防除に努める。
(2)施設では、開口部を寒冷紗等(0.4mm目合)で被覆し、コナジラミ類成虫の侵入を防止
  する。ほ場周辺の除草にも努める。
(3)コナジラミ類の防除では、同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を行う。
(4)トマト黄化葉巻病に感染すると、治療薬はないので感染株はすぐに処分する。
[メモ]
(1)タバココナジラミはトマト黄化葉巻病(TYLCV)を媒介する。

4 キャベツ等あぶらな科野菜
【コナガ】
[予報内容] 発生量:やや少ない
[予報の根拠]                     
(1)9月の巡回調査(キャベツ)では、発生はやや少なかった。
(2)9月のフェロモントラップへの誘殺虫数は平年よりやや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)発生初期の防除を徹底する。
(2)被覆資材によるべたがけ、トンネルがけの防除効果は高い。

【ハイマダラノメイガ(ダイコンシンクイ)】
[予報内容] 発生量:やや少ない
[予報の根拠]                     
(1)9月の予察灯への飛来虫数は平年よりやや少なかった。
(2)9月の巡回調査(キャベツ)では、発生はやや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)セル成型苗で発生すると欠株を生じるので、発生初期に防除を徹底する。
[メモ]
[防除上考慮すべき事項]
(1)苗床は寒冷紗等(2mm目合)で被覆し、成虫の侵入を防止する。
(2)食害の見られた株は、速やかに処分する。

C 野菜類・花き類・大豆              
【アブラムシ類】
[予報内容] 発生量:やや多い
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査で、なす、キャベツでは発生はやや多かった。
(2)9月の黄色水盤への飛来虫数はやや多かった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)少発生時の防除を徹底する。
(2)同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を行う。
[メモ]
(1)アブラムシ類は多種類のウイルス病を媒介する。

D 野菜類・花き類
【ミカンキイロアザミウマ】
[予報内容] 発生量:並~やや少ない
[予報の根拠]
(1)9月の露地なす巡回調査では、発生はやや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)収穫後の残さは、他作物等への発生源となるので、速やかに処分する。
(2)きくでは膜割れ前後の防除を徹底する。
[メモ]
(1)ミカンキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマは、ウイルス病(TSWV)を媒介
  する。

【ミナミキイロアザミウマ】
[予報内容] 発生量:並~やや少ない
[予報の根拠]
(1)9月の露地なす巡回調査では、全般的には発生はやや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)葉の被害に注意し、少発生時の防除を徹底する。
(2)同一系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を行う。

【シロイチモジヨトウ】
[予報内容] 発生量:やや少ない
[予報の根拠]
(1)9月のフェロモントラップへの誘殺虫数は平年よりやや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)発生初期(若齢幼虫期)に防除を徹底する。
(2)施設では、開口部を寒冷紗等(5mm目合で可)で被覆し、成虫の侵入を防止する。
(3)フェロモンディスペンサーを設置し、成虫の交尾を阻害する。
(4)黄色灯を終夜点灯し、成虫の行動や産卵を抑制する。

【ハスモンヨトウ】
[予報内容] 発生量:並~やや少ない
[予報の根拠]
(1)9月のフェロモントラップへの誘殺虫数は平年並からやや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)発生初期(若齢幼虫期)に防除を徹底する。
(2)卵塊が付着していたり、若齢幼虫が集団で食害している葉は、直ちに摘葉し、ほ場
   から持ち出して処分する。
(3)施設では、開口部を寒冷紗等(5mm目合で可)で被覆し、成虫の侵入を防止する。
(4)黄色灯を終夜点灯し、成虫の行動や産卵を抑制する。

【オオタバコガ】
[予報内容] 発生量:やや多い
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、なすでの被害の発生及び産卵数は一部ほ場でやや多かった。
(2)9月のフェロモントラップへの誘殺虫数は、平年よりやや多かった。
  (7月31日病害虫防除情報発表)
[防除上考慮すべき事項]
(1)発生初期(若齢幼虫期)に防除を徹底する。
(2)被害のあった新芽や果実は早期に処分し、周辺の幼虫を探して捕殺する。
(3)施設では、開口部を寒冷紗等(5mm目合で可)で被覆し、成虫の侵入を防止する。
(4)黄色灯を終夜点灯し、成虫の行動や産卵を抑制する。

【ハモグリバエ類】
[予報内容] 発生量:やや少ない
[予報の根拠]
(1)9月の巡回調査では、発生はやや少なかった。
[防除上考慮すべき事項]
(1)ハウスの開口部を寒冷紗等(1mm目合)で被覆し、成虫の侵入を防止する。

●大阪府環境農林水産部農政室推進課病害虫防除グループ・ホームページ
(平成23年4月1日より大阪府病害虫防除所から組織名変更)
  http://www.jppn.ne.jp/osaka/
  防除指針を掲載しています。
●病害虫発生情報メールサービス
 申込先 大阪府環境農林水産部農政室推進課病害虫防除グループ・メールサービス担当
 TEL 072-957-0520       
http://www.jppn.ne.jp/osaka/mailservice/mailservicemousikomi.html
<情報料無料、受信に要する通信費は自己負担です>
 年間約30件の病害虫情報を電子メールで送付します。
●おおさかアグリメール
 申込先 大阪府立環境農林水産総合研究所
     経営企画室推進グループ
     おおさかアグリメール受付担当
 TEL 072-979-7070 
 http://www.kannousuiken-osaka.or.jp/nourin/agrimail/
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●Web版大阪府園芸植物病害虫図鑑
「ひと目でわかる花と野菜の病害虫」
http://osaka-ppa.jp/zukan/index.php
  (大阪府植物防疫協会)


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