ぶどうの「べと病」に注意しましょう
(平成28年7月15日)


露地ぶどう(デラウエア)で、べと病の発生が増加しています。
7月の巡回調査において、べと病が平年より多く発生しているほ場が確認されました。
べと病が蔓延し、早期落葉すると樹勢が著しく低下し、翌年以降の結実にも影響します。
収穫期に入っている園、近い園が多いですが、収穫終了後も定期的にぶどう園を見回り、べと病の早期発見・防除に努めてください。

1 発生状況
 各調査地点のべと病の発生状況は表1のとおりである。

表1 べと病の発病葉率(調査日:7月14日)

調査地点 発病葉率(単位:%)
羽曳野市尺度  4.0% 
 柏原市青谷 10.0% 
太子町太子 66.0%
平年値※  9.2%
※太子町太子での平年値



2 べと病の生態等
(1)病原菌は罹病した落葉内で越冬する。5〜7月の雨水や水滴によって葉、幼果の気孔から侵入、感染し、数日から2週間の潜伏期間を経て発病する。
(2)発生適温は22〜25℃、適度に雨があり、気温が低めに経過すると発生が多くなる。
(3)品種により、耐病性が異なる。米国系のデラウエア、キャンベル・アーリー、キングデラは耐病性が比較的強く、欧州系のネオマスカット、甲斐路などは弱い。巨峰、ピオーネ、甲州、マスカット・ベーリーAなどはその中間である。
 



3 防除対策
(1)病害が発生しやすい時期にボルドー液を予防的に棚上散布する(果房の汚れに注意)。
(2)発病葉及び果実は二次伝染源となるので、園外に持ち出して処分する。
(3)薬剤防除を行う際は、収穫前日数に十分に注意する。

表2 ぶどうべと病の主な散布薬剤

薬 剤 名 希 釈 倍 数 使用時期  本剤の使用回数
ICボルドー48Q 25〜50倍
ICボルドー66D 25〜100倍 − 
 エトフィンフロアブル 1,000倍  収穫7日前まで  4回以内
レーバスフロアブル 2,000〜3,000倍  収穫7日前まで  3回以内

                    

図1 発病葉(葉表) 図2 発病葉(葉裏)


【参考】
 ●Web版大阪府病害虫防除指針
  (http://www.jppn.ne.jp/osaka/shishin/shishin.html
 ●農林水産消費安全技術センター 農薬登録情報提供システム
  (http://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm

                                                              

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