露地ぶどう(デラウエア)で、べと病の発生が増加しています。
7月の巡回調査において、べと病が平年より多く発生しているほ場が確認されました。
べと病が蔓延し、早期落葉すると樹勢が著しく低下し、翌年以降の結実にも影響します。
収穫期に入っている園、近い園が多いですが、収穫終了後も定期的にぶどう園を見回り、べと病の早期発見・防除に努めてください。
1 発生状況
各調査地点のべと病の発生状況は表1のとおりである。
表1 べと病の発病葉率(調査日:7月14日)
調査地点 | 発病葉率(単位:%) |
羽曳野市尺度 | 4.0% |
柏原市青谷 | 10.0% |
太子町太子 | 66.0% |
平年値※ | 9.2% |
2 べと病の生態等
(1)病原菌は罹病した落葉内で越冬する。5〜7月の雨水や水滴によって葉、幼果の気孔から侵入、感染し、数日から2週間の潜伏期間を経て発病する。
(2)発生適温は22〜25℃、適度に雨があり、気温が低めに経過すると発生が多くなる。
(3)品種により、耐病性が異なる。米国系のデラウエア、キャンベル・アーリー、キングデラは耐病性が比較的強く、欧州系のネオマスカット、甲斐路などは弱い。巨峰、ピオーネ、甲州、マスカット・ベーリーAなどはその中間である。
3 防除対策
(1)病害が発生しやすい時期にボルドー液を予防的に棚上散布する(果房の汚れに注意)。
(2)発病葉及び果実は二次伝染源となるので、園外に持ち出して処分する。
(3)薬剤防除を行う際は、収穫前日数に十分に注意する。
表2 ぶどうべと病の主な散布薬剤
薬 剤 名 | 希 釈 倍 数 | 使用時期 | 本剤の使用回数 |
ICボルドー48Q | 25〜50倍 | − | − |
ICボルドー66D | 25〜100倍 | − | − |
エトフィンフロアブル | 1,000倍 | 収穫7日前まで | 4回以内 |
レーバスフロアブル | 2,000〜3,000倍 | 収穫7日前まで | 3回以内 |
図1 発病葉(葉表) | 図2 発病葉(葉裏) |
【参考】
●Web版大阪府病害虫防除指針
(http://www.jppn.ne.jp/osaka/shishin/shishin.html)
●農林水産消費安全技術センター 農薬登録情報提供システム
(http://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm)